「◯◯◯◯マンを生んだ国“日本”でしか作れない(と言うか作る発想が浮かばない)だろう「怪獣映画」」大怪獣のあとしまつ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
◯◯◯◯マンを生んだ国“日本”でしか作れない(と言うか作る発想が浮かばない)だろう「怪獣映画」
①ウルトラマンが怪獣を倒して直ぐに宇宙(“怪獣墓場か?”「ウルトラマン」エピソード35御参照)に捨てにいく前に、しばらく地上に残しておいたところ、その間に人間世界で起こった有象無象の騒動を面白おかしく茶化した話を大真面目に描いたと思えばそれなりに楽しめる。②ただし、私のように怪獣という存在をすんなりと受け止めてこよなく愛する怪獣オタクではない人や、日本が誇る(?)ポップカルチャーである『怪獣映画』(ハリウッド版じゃないよ)に興味のない人にはついていけないかも、とは思うな。③子供の頃は、スペシウム光線やウルトラビームで爆発させたり、ウルトラリングやアイスラッガーで首を跳ねたり輪切りにしたりで怪獣を倒してめでたしめでたりだったけれど、確かにゴジラに大阪城で噛み殺されたアンギラスの死体どうしたのかな?とか、ガメラがバルゴンを沈めたせいで琵琶湖の水質汚染はどうなったとか、近くでは凍り付けにしたシン・ゴジラの遺体(?)はどうしたのかな?とか、大人の観点から見れば問題山積だが、大体こういう逆発想も怪獣が日常的なものだという世界観がないと成り立たないし(劇中のモブキャラの日本人たちも怪獣の存在にさして驚いていないみたいだし)。④この映画について環境問題とか風評被害問題とか日本政府の災害時の対応ぶりとか、ましてや東日本大震災とかを絡めて語るのってシャレがわかっていない証拠。④ただ、要らないものは海に流そうとか(水に流して無かったことにするのは神代以来の日本人のDNAに刻まれている習わしみたいなもの)、宇宙に捨ててこようとかは如何にも昭和的な発想ですけど。⑤豪華な俳優陣が(特に内閣の面々)が大人げない役を嬉々として演じていたり(空回りやたいして面白くないのもあるが)、惨事を前にして勃発する省庁間の主導権争いを茶化したり某隣国を揶揄したりニヤニヤさせる。西田敏行はいつもより臭くなくて今回は宜し。しかし中でも特に印象的なのはふせえりの怪演で大いに楽しませてもらった(監督の奥さんなので特別扱いという事はないだろうな)。⑥山田亮介は『暗殺教室』の頃に比べると大分大人びて男っぽくなった。土屋太鳳も凛とした若い女性が似合うようになってきた。濱田岳はパタリロみたいな体型が役に合っているとは思えないが、実は自分が「選ばれし者」になりたくて山田亮介に密かに嫉妬していたあたりを滲ませて上手い。オダギリジョーは別にオダギリジョーでなくても良い役だったと思うけど。⑦全身キノコだらけになった染谷将太(マタンゴか!)の◯◯◯がキノコに間違えられたのは(二回も出てきてくどいけど)◯◯してたんでしょうね。⑧菊地凛子の登用は『パシフィック・リム』へのオマージュでしょうか?同じシーンでの出番はなかったけれども染谷将太と夫婦出演していたのね。