「【”デウス・エクス・マキナ。大怪獣現われし時、選ばれし者が行った事。”三木監督のシュールな世界観が好きな人には、面白いかなあと思った作品。そうでない方には・・・・、それなりの作品・・。】」大怪獣のあとしまつ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”デウス・エクス・マキナ。大怪獣現われし時、選ばれし者が行った事。”三木監督のシュールな世界観が好きな人には、面白いかなあと思った作品。そうでない方には・・・・、それなりの作品・・。】
ー 今作は、三木聡監督が、今までのシュールで独特な笑いを基調にした世界観をスケールアップした作品である。
作品の着想は、非常に面白いし、冒頭で首相(西田敏行)が口走った”デウス・エクス・マキナ”と言う演出技法<劇の内容が錯綜して解決困難な局面に陥った際に絶対的な力を持つ存在ーそれは神とも呼べるーが現れ、混乱した状況を解決に導く>も、再後半に効いてくる・・。ー
◆感想
・日本の首都を壊滅状態にした大怪獣が、突然天から降り注いだ光により、死亡。内閣はその死体処理に奔走するが、手柄を取りたい大臣たちは、夫々勝手なことを言ったり、勝手な行動をする環境大臣(ふせえり)の姿。
- ここでの、大臣たちの言動が、滑りまくりである。申し訳ないが、笑えなかった。少しだけ笑えたのは、官房長官(六角精児)が、怪獣の名を”「希望」であります!”と発表したシーン位かなあ・・。-
・更に言えば、自衛隊ではなく、国防軍が出来ていたりするのだが、それをポリティカルに揶揄しているわけでもない。
・特務隊のアラタ(山田涼介)が、処理責任者になり、奔走するのだが・・。
- アラタが、3年前に突然、同僚で恋人だったユキノ(土屋太鳳)の前から消えるシーンの描き方も粗い。(光が突然現れ、なんだなんだと思っていたら、別のシーンに切り替わっている。)
そして、現在、ユキノは環境大臣の秘書になっているが、アラタが消えた時に車に同乗していた同じく特務隊の総理秘書官アマネ(濱田岳)に大怪我を負わせたからか、いつの間にか二人は結婚している・・。
【何が言いたいかと言うと、”多数の登場人物描写が中途半端で、薄い”のである。】ー
・スクープをものにしようとした男が、怪獣の体液を浴び、全身にキノコが生えてしまうシーンで、度々披露される下ネタも、ちょっとなあ・・。
・アラタが、怪獣に登ってガス抜きをしているのに、ミサイルを撃ち込むアマネの思考もキチンと描かれていないし、怪獣の死体を上流のダムを破壊し”水洗トイレ”のように流すアイディアも、颯爽と登場したユキノの兄ブルース(オダギリジョー)の活躍に期待したが、肩透かし・・。
<と、気が付いてみれば、作品の瑕疵(個人的な意見です。)ばかり論ってしまったが、申し訳ない。
では、何で3.5を付けたかと言うと、作品着想の秀逸さ(今作の様な大怪獣がピクリとも動かない作品を観た記憶が無い。)と大怪獣の"有無を言わせぬ"死んでいるのに伝わって来る存在感であり、それに翻弄される愚かしき大臣たちの姿が、少し面白く。
特に、最後半に明らかになった、”デウス・エクス・マキナ”の意味合いが分かったシーンに、少し感心したからである。
今作は、松竹と東映の初の共同配給作品だが、”予算半減”の第二作は製作出来るのかなあ・・、と思った作品である。>
共感ありがとうございます
序盤はシンゴジラの後日談の様な雰囲気があったので期待したのですが、着眼点だけ独創的で、後は・・・。映画にとって着眼点は重要ですが説得ある映像表現の大切さを思い知らされた作品でした。
では、また共感作で
因みに、本日観た八犬伝、予想以上に面白い作品でした。
ー以上ー
「…少し感心したからである。」そのとおりでした。私も★3.5付けましたが、そうですね、感心したんですよ、確かに。
笑えたかって言うと、時々ニヤリ程度。でも、よく考えたなぁ〜ってネ!
NOBUさん
全く同意見。この発想は外人にはできない。だから貴重な作品。あの光の動きを見た時最後必ず出てくると確信してました。しかし皆さん★渋いですねーーー。