「アイデンティティ」マルモイ ことばあつめ イズボペさんの映画レビュー(感想・評価)
アイデンティティ
言語と名前は自分のアイデンティティであるそして、自分まで連綿と繋がってきた祖先からの大切な預かり物である。また次の世代へと繋いでゆく大切な預かり物である。
1930年代の日本統治時代に朝鮮語の使用禁止や創氏改名を主とする朝鮮民族固有の文化への弾圧がはじまった京城。総督府の監視も厳しく、朝鮮語を守ろうとする学者たちは息を潜めて辞書編纂のために「マルモイ ことばあつめ」をしている。
総督府や警察からの弾圧や同じ朝鮮民族でも生き延びるために親日派となったであろう者たちからの妨害で難航する作業。
命がけで作業を進める「学会」のメンバーたち。そして非識字者であったが「学会」と出会い識字できることで世界が広がっていくうるさくて家族思いだがうだつの上がらないパンス。中盤のたるみをチャラにしてしまうエネルギーが後半に炸裂する。
言葉は魂であり、民族やその文化圏を繋ぐもやいでもある。その言葉をもって親が子に授ける名前は言霊の最たるものだ。
当たり前に日本語を話し、親からもらった名前と自らの意思で選んだ名前で生きていることに感謝と誇りを持とうと感じた。
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