わたしのお母さんのレビュー・感想・評価
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【和やかさとは一線を画した、微妙な関係性を持った母娘のもやもやした物語。幼き時は懐いていたのに、何故に溝が出来たのか・・。井上真央さんの演技が光る、静かで哀しき作品である。】
ー 時折足を運ぶ「刈谷日劇」が製作に加わっているというので、「刈谷日劇」にて、鑑賞。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・長女(井上真央)は、母(石田えり)の前では、笑顔を見せない。
母は、末っ子(笠松将)の家で暮らしていたが、ボヤ騒ぎを起こし、居づらくなり長女の家に”一時的に”越してくる。
ー 長女を演じた、井上真央さんが、刈谷駅で母を見た時の視線の動かし方が凄い。
母を認識した後に、微妙に目をずらし、母が長女に気付き”おねえちゃーん”と声を掛けて、初めてぎこちない笑顔を浮かべる。
この時点で、長女が母をどう思っているかが一発で分かる。-
・活発な母は、隣の家の人見知りだった5歳の女の子とすぐに仲良くなり、友達も出来る。
一方、長女はどうも人づきあいが苦手なようだ。
ー 二人の性格の違いを仄かに見せている・・。-
・そんなある日、母の大量の荷物が長女の家に送られてくる。それを聞いた次女(阿部純子)は怒り、母を慰める意味も兼ねて、3人で旅行に出る。
ー 末っ子の妻とは上手く行ってなかったことが分かるし、旅行中も長女は余り楽しそうでない。ー
・結局長女の家に本格的に同居する事になる母。マンションの廊下一杯の段ボール。母の部屋を開けるため、長女夫妻は、ベッドのある部屋に移動する。窮屈そうである。
ー 長女の心も、ドンドン息苦しさを増してくる・・。-
・スーパーで働く長女は、店長が辞める事になり、送別会に出るが、憂さを晴らす様に飲めないビールを煽り、酔いつぶれ、深夜に帰宅すると、母の罵声が待っていた。
そして、そのまま家を出る母。
だが、母は末っ子の家で、寝床に入ったまま、世を去る。
ー 母の葬儀の間も、涙を見せない長女。だが、一段落して母の鏡台の前の口紅を唇に塗った時に
”私、お母さんが嫌いだったんだ・・”と呟き、涙を流す。-
<小さい頃は、母に懐いていた長女。だが、長じてからはやりたい放題の母への不満が募っていく様を、井上真央さんが、絶妙に演じている。
資料には杉田監督のコメントが載っている。
”もやもやした母と娘の関係を掘り下げて描きたかった”とある。
井上真央さんを筆頭に俳優さん達の演技は見応えがあるが、何だかもやもやした気分になってしまったよ・・。>
間が悪い
とてもテンポが遅い映画でした。まとめたら60分、もしかしたらもっと短くなるかと。
行間を読むような映画は好きです。この映画でも、セリフだけでは分からない微妙な気持ちが描かれています。目線や、歩く距離感、壁に映る影とか、とても繊細な映画です。
そしてラストシーン、、、予想外ではないのですが、とても切なかった。「お母さんが嫌い」という感情と同時に、「お母さんが好きになりたい」という気持ちが感じられて切なかった。「お母さんが好き」とは違う、とてもリアルな親子愛や家族愛が感じられました。
とくにお母さんがムカつくことムカつくこと。自分で何度と地雷を踏んだり、時には踏みにじった上で踏んた事に気が付かない、私もとっても嫌いな人種です。悪気が無く反省すらないので。
だけど、、、、というところですよね。
ただ、とにかくテンポが悪い。ほぼ全てのシーンに「間」があります。30秒とか60秒くらい意味の無い映像が続きます。全てのシーンに意味があるという訳ではなく(たぶん)、とても集中できません。映画館でみると良い映画ですが、映画館以外では意識がそれて分からなくなると思います。
いくつかとても重要で切ないシーンもあるので、強弱というか、テンポの早いと遅いが混じると良いと思います。悪い言い方をすれば演出のマスターベーションなのだと思いました。
ストーリーはとても切ないので良いのですが、残念でした。
お母さんも演出も間が悪い。
とても地味だけど、滋味もある
静かな映画です。ストーリー展開もあまり序破急がなく、人によっては睡魔を誘うかもしれません。
でも母と長女である私の関係、そして私と娘の関係を思って、共感する部分もありました。同じ母親に育てられても、子供によって性格も違うし、親に対する感情も違う。何気ない言葉や態度で、近いからこそ傷付け合ってしまうことも。特に最初の子供は、自分の感情をうまく出せない人が多いと聞きます。
井上真央ちゃんの抑えた演技が、主人公の切ない心内をよく表現できていたと思います。
淡々と過ぎていくストーリーに どうなるの?このまま終わっちゃうの?...
淡々と過ぎていくストーリーに
どうなるの?このまま終わっちゃうの?
って思ってて
見なくても良かったかもなんて感じ始めていたのに
最後は突然じわじわきて
結局鼻まですすって泣いてた
あと、井上真央に似てるけどちょっと違う?
なんて思ってたら
本人だった
感じが変わった気がする
いい感じになってる?
この作品のせい?
母と娘、姉と妹と弟
思い返せば返すほど、1つ1つの行動だったり、言葉だったり、表情が印象に残ってる。
夕子さんの中には「お母さんが好きなのが当たり前」な一般論や「姉だからしっかりしなくてはいけない」と言うモヤモヤした中で「お母さんを好きになれない自分が嫌いだった」のかなとラストシーンで感じた。
急に一緒に住むことになり、実家から母の荷物が送られてきたときに少くなからずとも弟のお嫁さんも疎ましくも思っていたのかなと
その荷物が廊下からリビングに旦那さんが移動してるあたりで、夕子さんも限界を迎え、最終的に喧嘩のシーンに繋がるのだが、それが最期になるなんて映画を観るまでは想像できなかったけど
弟の意向で「母の葬儀を家でしよう」と言った時に、それを受け入れてるあたりはやっぱり母を受け入れられない自分も嫌いで苦しんでいたのかなと感じた。
そうじゃなきゃ、家で葬儀なんて大変なことに賛同したりしないだろうから。
感想はとても難しいけれど、ここまで細かく描かれるのはリアルさがあってすごいなと思う。
【わたしのお母さん】の【お母さん】は誰しも感じたことがあるだろうし、とても近くに感じた。
また本当の家族に見える出演者たちの自然なところも観ていて違和感なくすんなりと入り込んでくるのがよかった。
また映画館に観に行きます。
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