「コメディも制した清原果耶に死角なし。「おかえりモネ」への期待も一層高まる」まともじゃないのは君も一緒 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
コメディも制した清原果耶に死角なし。「おかえりモネ」への期待も一層高まる
NHK朝ドラ「あさが来た」で見た時は可憐で演技もうまい子だな、ぐらいの印象だったが、“清原果耶”という女優を認識し注目し始めたのは「3月のライオン」から。当初のピュアな役柄に続き、十代後半ですでに卓越した表現力を身に着けたがゆえか、陰のある役、ダークな役も的確にこなしてきた。映画初主演作「宇宙でいちばんあかるい屋根」にも若干コミカルな要素があったが、「まともじゃないのは君も一緒」で遂にラブコメ主演を果たす。
高田亮の脚本と前田弘二監督の演出は清原のくるくる変わる表情の魅力と緩急自在の台詞回しを効果的に活かし、もうひとりのダブル主演・成田凌とも「ズレているのにテンポ良し」という高難易度の掛け合いを成立させた。“耳年増”だが実体験ゼロの女子高生・香住が、数学オタクでコミュ障気味の予備校講師・大野のためと称して、自分が憧れる青年実業家の婚約者を大野に誘惑させるが…というストーリーは、さして深みはないものの、とにかく軽妙な会話と小気味よい展開で、いつまでもこの世界に浸っていたいと思わせる。音楽の使い方も巧いと感じた。
5月からの清原の朝ドラ主演作「おかえりモネ」がますます楽しみになった。
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