「満たされない承認欲求を欲し続けるのが人生なのかもしれません」まともじゃないのは君も一緒 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
満たされない承認欲求を欲し続けるのが人生なのかもしれません
人が生きていくうえで、それはなければなかったでそのことに気が付かないまま過ぎたとしてもさして困ることはないかもしれない。
だけど、それがあればもの凄く気持ちが落ち着くし、次に踏み出す勇気を与えてくれるもの。
そんな大切なことが深く心に沁みてくる上質な作品でした。
何かを決めた時、その決断の中身については、肯定も否定も評価もせず、ましてや〝普通〟かどうかなんてモノサシなど関係なく、あなたが自分で決めたことだよね、それでいいんだよね、と認めてくれる人がいること。
『承認欲求』は誰にとってもほとんど本能的なものだと思いますが、自己の決断を認めてくれる人がいることはとてもありがたくて幸せなことです。
望んだわけではないけれど、ひとりで生きていくことしかできない人。
生活のうえでのパートナーはいなくても、何か大事な決断をした時に、ただ受け入れて分かってくれる人が身近にいてくれたら、なんとか乗り越えていけるはずです。
ひとりで生きていくことのできる強い人。
そう見える人も確かに存在しますが、いつもどこかで承認欲求が満たされない寂しさを抱えているのだと思います。独り身のカリスマ経営者がしょっちゅうパーティーを開いたりするのもその裏返しのように感じます。
経済的成功を社会から認められることと、自分という人間を誰かひとりでもいいから肯定して欲しい、という願望。
これってなかなか両立しないのでしょうか。
バーで働く君島さんが言っていた『立ち位置』が変わった、というのもそういうことなのだと思います。
あの日あの時、君島さんと柳くんはお互いにありのままの自分を受け入れ認めてくれる側にいてくれる存在になったのです。
康臣(成田凌)と美奈子(泉里香)の会話。
それが本当に普通なのか?それでいいのか?
でも、自分で決めたことなんだね。
それならもういいんだ。
というような感じだったと記憶してますが、あの会話でこれからの美奈子の人生における覚悟も相当に違ってくるはずだし、他人のせいにして逃げるようなこともないと思います。
自分の承認欲求を満たしてくれる人がパートナーであれば、それはこの上なく幸せなことだと思いますし、
パートナーはいなくても、人生の色々な局面において、そういう人と出会えることも、とても幸せなことであり、感謝すべきことだし、大切にしたいと思います。
グレシャム様、コメントありがとうございました。酔ったふりで腹の中のモヤモヤを全部ぶちまける、自分でもどうしたらいいかわかんない、って感じがかわいかったです。いいストレス発散になりそうで私もやってみたいけど、アルコールに弱すぎて先に気持ち悪くなってしまうんです。エナジードリンクしかないか。
今晩は。
近作が、ドンドン2Wで公開終了になっていく事が、残念だなあ・・、、と思っているNOBUです。
今作は、お金をかけなくても、俳優の力量と、脚本のレベルの高さで、充分に劇場公開で勝負出来る邦画はマダマダあると思った映画でもありました。
期待していただけに、嬉しき思いも込み上げました。
エンドロールが終わるまで、誰も席を立ちませんでした・・。
では、又。