「堤真一と石田ゆり子の破壊力」望み takuさんの映画レビュー(感想・評価)
堤真一と石田ゆり子の破壊力
まあしんどい映画。昨日深夜に見始めたけど、間違えたな。リアル、というか人間の本性にどんどん迫っていくあのサスペンスな感じが面白かった。
やっぱり堤真一と石田ゆり子の破壊力は半端ない。夫婦の考え方がだんだん2つに分かれていくプロセスがとても自然だった。この2人の演技力だろうな。これはもう文句なしですよ、頭が上がらないというかアッパレというか。うん。
監督は堤幸彦か。「20世紀少年」「TRICK」の監督やな。まあ特に「20世紀少年」は、もはや漫画の域を超えた三部作になってたと思うから、すげえなあと思ってたけど。堤幸彦監督作品に対して持ってるイメージとしては、「妙に暗くて怖い」かな笑。映ってる映像は明るいところで撮ってたりするのに、妙に不気味な怖さを感じさせるよね。自分の見てる映画が偏ってるからかな?笑
今回は原作も雫井脩介(「検察側の罪人」など)で、かなり重厚なサスペンスになっていたと思う。検察側の罪人は多少荒唐無稽な展開も無きにしも非ずやったけど、今回はストーリー展開はとてもシンプルでわかりやすく、犯罪関係者の家族という特異な視点から進行していったから、安心してストーリーに浸かることができた。
岡田健史は出番少ないのになんで日本アカデミー賞の新人俳優賞取れたのかはさすがに疑問に思った。
心に残ってるのは、夕焼け(朝焼けだったかも?)のシーンかな。あんまり見たことない写り方だったから、へーって思いながらあの綺麗なシーンに見惚れてた。撮影は相馬大輔さん。名前は初めて聞いたけど、「何者」でも撮影担当してたんや。確かに「何者」の時も見たことない撮り方してたから、ストーリーより映像の方が印象に残ってるな。
あと女刑事役のポーカーフェイスがめっちゃイライラしたから、あの女優さん良かったな。早織さん、「キセキ-あの日のソビト-」にも出てるんや。えっ!「ゴジラ-1.0」に声だけ出演してんの?どこやっけ。わからん笑笑。正直、賞あげるならこの人にしてほしかったくらい良かった。
全体的に暗くて怖い感じやけど、人間の本性を炙り出していくプロセスはめちゃくちゃ共感したし、展開も自然だから普通に面白い映画。ただ、夜中に見るのはやめた方がいい。事実でないこと、デマとか噂とかに惑わされて、弱ってる人に対して匿名で攻撃を仕掛けてくる人間の悪いところが盛り沢山やから、深夜2時に僕はめちゃくちゃ怒ってた笑。