「切なすぎる真実。一組の家族のすれ違いと、その絆。」望み 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)
切なすぎる真実。一組の家族のすれ違いと、その絆。
【賛否両論チェック】
賛:息子の失踪事件を通して、家族が次第にすれ違っていく姿が、切なくて痛々しい。衝撃的な真実にも心に揺さぶられる。
否:ラストは結構急展開な感がある。暴力シーンもあり。
不穏な気配を見せた後に、突如失踪した息子と、やがて発覚する同級生の殺害事件。事件に振り回される家族を通して、やがて明らかになっていくのは、父と母の想いの違いです。
父はひたすら息子の無実を信じますが、それは言ってみれば、息子が死んでいるかもしれないと言うことを意味していました。一方の母は、罪を犯していても構わないから、とにかく生きていてほしいと願っていて、犯罪者とその家族になる覚悟を決めていきます。そんな両親のすれ違いの中で、ただただ葛藤する妹の姿にも、胸が締めつけられるようです。
そして最後に明らかになる、あまりにも切なすぎる真実にも、思わず心揺さぶられてしまいます。バラバラになりかけた家族が、どのような結末を迎えていくのか、最後まで目が離せません。
「何もしなかったら・・・何も出来ない大人になるだけだ。」
という言葉が、胸に染みました。
人間ドラマに深く考えさせられる作品ですので、ミステリーやサスペンスが好きな方以外にも、是非ご覧になっていただきたいと思います。
コメントする