「複雑な感情」望み Nさんの映画レビュー(感想・評価)
複雑な感情
加害者か被害者か、無事かどうかもわからないまま葛藤し続けるその重みがずーんとくる作品。なにもわからない中でまるで加害者家族かのように周囲の環境は変わっていく、その中でもなんとか必死に生きていく家族。
あの子がそんなことするわけがないという思いと、加害者でもいいからとにかく無事に帰ってきて欲しいという思い、どちらに転んでも辛い事実にはかわりないけど、あなたならどっちを思いますか。。加害者でもかえってきて欲しい気持ちは痛いほどわかるし、被害者とわかって、息子が自分の知っている優しい息子であることに救われる気持ちもよくわかる。。
石田ゆり子素敵でした。特に覚悟を決めた以降の顔つきはとても美しくカッコよく、加害者だと思い込んでとにかく生きていることを望む洗脳をされたかのような絶妙な表情でした。ほんと50代とは思えないなぁ、綺麗。
堤真一もさすがですね。。コメディもできるけど、こういうのも素敵。後半一気に芝居に感情がのって、たたみかけるように引き込まれました。そして声がよすぎる。
清原果耶は今回も輝いてました。中学生らしい明るさと少しの子供さと、でもみんなが共感する妹像を絶妙に演じていたと思います。お兄ちゃんからもらったおまもりがせつない。。
脇を固める竜雷太さんとかを含め、素敵な演技でとてもよかった。謝るシーン、心に響きました。
加害者かもわからない未成年にマスコミや周囲はあそこまでやる?っていうのがちょっと違和感(最近はありえるのかな、、)なのと、松田翔太がもうちょいうまく使えたらよかったなーとなんとなく感じるのと、なにより横に座ってたおじいさん?が独り言多くていらいらしたのが残念ポイントでした。。映画館マナーは守ってくれ、、頼む。。