「父の望み…、母の望み…」望み bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
父の望み…、母の望み…
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原作は予告編を観てから既読。自分の息子が殺人事件の加害者なのか?それとも被害者なのか?究極の現実を、突然に突き付けられ、子供を持つ親にしたら、ホントに悶え、苦しむ内容。
母親は、加害者でもいいから、生きていて欲しいと願い、無償の愛を子供に与える。一方父親は、人を殺める子供に育てていないと、息子の正義を信じようと、条件付きの愛を与える。
父性と母性の葛藤の中で、子供に対するそれぞれの愛情は、両者ともに余りあるものがあるが、それは、表現の違いなのかもしれない。どちらにしても、光の持てない無限のループの中で、揺れ動く家族愛が、痛いほど染み込んでくる。
最後は、息子の正義に石川家は助けられ、以前のような穏やかな日が、また動きだしていった。しかし、4人から3人となった家族写真の笑顔の中には、大きな心の傷痕が、これからいつも見え隠れしているのだろう。
堤真一の父親、石田ゆり子の母親、どちらも実の父母のように、形振り構わない子供を思う演技は、流石です。安定感があり、気迫あふれる演技に魅了されました。
自分の3人の子供達は、思春期な多感な時期も、こうした問題も無く、既に独り立ち。そうした、当たり前の日常生活が幸せな事なのかもしれない。
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