「途中、家族が気になり早く家に帰りたくなった 映画観てる場合じゃないと思った」望み カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
途中、家族が気になり早く家に帰りたくなった 映画観てる場合じゃないと思った
加害者家族と被害者家族を対比して描写する話しはたくさんあるが、どちらかわからない状況で家族内の心理を丁寧に描いており、秀逸だと思いました。ただ、予告編がよくできすぎで、あらかじめ母親の葛藤の内容がわかってしまっているのが残念でした。
兄弟二人いると、父親よりの子供と母親寄りの子供に別れたりしがちです。リアルに心配になって、早く家に帰りたくななりました。親としても(人間としても)かなり未熟ものだという自覚はあるので、すごく不安になりましたね。
映画のはじめの堤真一が客を自宅に上げて、子供部屋まで見せる場面はうざいオヤジ。タダシ君の言い分の方が正しい。ずっと大人じゃんと思い、俺もあんなデリカシーのない事をしていたに違いないと、どんよりとした気分になってしまいました。
父親が被害者の方がいいと、ほっとする小刀のシーンはよくできていると思いました。あと、竜雷太と渡辺哲との絡みも大変見応えありました。
しかし、やるせない。
息子にしがみつく母親に対して、おでこをいい子いい子するのが精一杯。生きているときにもっと褒めてあげれば良かった。残念無念。仕事中心の男親の頼りなさを見せつけられたようで、苦しかったです。
妹役の清原果耶が、要領のいい、悪く言えばちょっとがさつな妹役で、いつもの清純さはあまり感じられず、何をやっても器用だなぁと改めて思いました。
石田ゆり子は窪みがちの目が好きです。泣いている顔の方が好き。50歳過ぎてるなんて信じられます?
全体にキャスト良かったですね。堤真一はコメディもできるし、さすがです。
同級生の可愛い女の子たちにちょっと癒されたかな? その他はずーっと、きつかった。
ザックから出てきたリハビリの本は最初から病院の本を失敬して来たんだと思つていました。映画は心の鏡ですね。反省ばかりで相当へこみました。
カールⅢ世さん、毎度です。
この作品の後に『星の子』も観ようと思ってたのに、重い内容のためと涙が止まらなかったので急きょ帰宅しました!
ラスト前の幸せそうな写真がとてもよかった。
色々と考えさせられました・・・