「【ある事件に関係し、失踪した息子への家族の一縷の“望み”の微妙な齟齬を描こうとした作品・・。】」望み NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ある事件に関係し、失踪した息子への家族の一縷の“望み”の微妙な齟齬を描こうとした作品・・。】
ー建築士、一登(堤真一)は自ら設計した戸外の瀟洒な一戸建ての家で、建築士の仕事をしている。書籍関係(校正)の仕事をしている妻、喜代美(石田ゆり子)と、高校生の息子タダシ(岡田健史)と高校受験を控えたミヤビ(清原果耶)と家族4人で充実した生活を送っている・・。だが、タダシがサッカーの練習中に膝を大けがしたことから、歯車が狂いだす・・。-
■良かった点
・タダシが失踪した後の父と母の息子への微妙な齟齬を演じた、堤真一さんと石田ゆり子の演技。
父の想い:”タダシは心の優しい子だ。人を傷つけることなどない・・”
母の想い:”加害者であろうとも、生きていて欲しい・・。”
ー父の想いは、最終的には、最悪の場合タダシの命は・・という事を暗示している。
そして、堤真一さんと石田ゆり子の演技は流石の一言である。
特に、懊悩する母を演じる石田ゆり子さんのどんどんやつれて行く姿・・。-
・妹ミヤビの想い:兄の事は勿論心配だが、(兄が加害者だった場合)何故自分にまで、影響が及んでしまうのか・・。名門私立高校に入学できなくなる・・。その前に世間的に抹殺されてしまう可能性も・・。
ーミヤビの想いに対する、父と母の投げかける言葉の違いも、絶妙に”家族”に対する思いの違いを表している。-
・ラスト、タダシがキチンと父の教えを守ろうと、新しき道に進もうとしていたことが描かれているシーン。
ーこのシーンが無ければ、家庭を持つ者にとっては、この作品はかなりキツカッタ・・。
但し、このシーンが描かれたが故に”家族愛”と共に”哀しさ”も増してしまうシーンでもある。-
■残念だった点
・タダシが失踪した経緯、背景が分かりにくく、全てを最後に刑事が”語ってしまう”所。そして、その再現シーンの見せ方。
ー勿体ないなあ。もうちょっと、見せ方に捻りがある良いと思うのだが・・。ー
・謎のジャーナリスト(松田翔太)の存在。
ー彼の絡ませ方を、もっとタダシの失踪と絡めるとか・・。-
<類型的なマスコミの描き方。彼らの自宅への落書きなど、既視感タップリであり、尚且つ、鑑賞中、”家族愛”を余り感じられなかった・・。
堤監督とは、相性が悪いのかなあ・・>
コメントありがとうございます。
もし本当にそういう仕事に就けたら?…と思った事はありますが、手段が分からず(^^;
こうして趣味として続けています。
それにしても、10年3000本超え、自分でもよく続いてるなぁと思います。
NOBUさんのレビューも素晴らしいです。
特によく参考/拝見させて貰ってます(^^)