実りゆくのレビュー・感想・評価
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あなたにとっての人生をかけたステージとは
爆笑問題などが所属する芸能事務所タイタンの映画好きのマネージャーによる長編初監督作品だが、八木順一朗監督は初メガホンとは思えない手堅い演出を見せる。
第3回の「MI-CAN 未完成映画予告編映画大賞 」で堤幸彦賞とMI-CAN男優賞を受賞したことが始まりで、そこから長編映画として完成にこぎつけた。しかも主演はタイタン所属の若手漫才コンビ「まんじゅう大帝国」の竹内一希という変化球的な作品でもある。
しかし物語は、長野県のりんご農家を舞台に、お笑い芸人になる夢を追う息子と父親の絆を描いた青春ドラマ。りんごを実らせることと、夢を実現させることがシンクロするのだが、実は主人公が吃音症であることが本作のポイントになっている。
愛する人を笑顔にしたいという思いと、りんご農家を継がなければならないという責任感が交錯し、もがき苦しむが、父親や友人らとの絆によって、どちらも実らせようと一歩踏み出していく。
八木監督の夢の実現とも重なり、物語と同じように笑わせつつ、ほろっとさせるところもある良作となっている。
良かったよ!
乞音障害で虐められてた息子。
思っていることを乞音で上手く話せないで
結局、周りの人が話の途中で割り込んでしまう。
自分の本心を聞いてもらえない事の多い乞音障害の
人は毎日ストレスでしょうね。
母親が公園で、
「言いたい事を、
ベンチに立って大きな声で言いなさい。」
これで、初めてどもらず話せた、
決められてる事なら。
後、妻を亡くして笑わなくなった父親を笑わせたい。
という実の気持ちが芸人になる切っ掛け。
切っ掛けが濃いとか薄いとかいう人もいるけど、
大抵は、些細な事が多いんじゃないですかね。
リンゴ農園を継ぐ為の奉納をすっぽかし、
2回目、自分の決心を漫才で伝えたシーンは
実が父親に伝えられる最善の方法ですね!
勇気のいる事ではありますけど。
交通事故で怪我を負わされた責任を取って貰う為
ではあるが、
駆けつけてくれた友達に感謝。
【百姓とは、"百の仕事"をする人。林檎農家の一人息子がお笑いの道を志した、本当の理由とは・・。】
-長野県には、仕事で年に数回訪れる。日本三大車窓と言われる善光寺平の絶景を眺めたら、直ぐに長野市に到着である。長野市には、日本最古の映画館もあり、時間が合った際には足を運ぶ。蕎麦も旨い。だが、昨年の台風19号による千曲川決壊により、流域は大変な被害を受けた。支援のため、度々現地に足を運んだが、林檎農家の被害も甚大であったと、被災された会社の方々から伺った・・。-
■印象的なシーン
・実の子供時代。吃音に悩んでいた彼が母の前ですらすらと喋るシーン
-成る程、だから実はお笑いステージに立つとどもらないのか・・。今は亡き母の嬉しそうな顔。実の未来が、仄かに見えたシーンである。-
・実の父親(田中要次:安定の演技で、作品を支える。)が、いつもしかめっ面である理由が、分かったシーン。
-息子を心配して、林檎の事を考えているからだと、思いながら観ていた・・-
・父親が実に、月夜に林檎畑を見下ろしながら、"林檎の交配の大変さと、しかし、上手く交配が出来た林檎が旨かった時の気持ち"を語るシーン。
-少し、沁みます。林檎って、実の事だよね・・-
・実の勝手で延期になった秋祭りに、実の偶発的だが、行いにより、お笑いのライバル、エーマが突如、登場するシーン
-巧くやられました・・。-
〈林檎農家の一人息子が、自分の進むべき道を長野県林檎農家の実情を絡めながら、描いた作品。
秋祭りのシーンなど、有り得ないのでは?などと突っ込まず(つい、突っ込んでしまった・・)、今作品の風合いを楽しみたいものである。
千曲川流域の皆様への気持ちも込めて・・。〉
■蛇足
・三浦貴大さんは、着々と名脇役の道を歩むのであろうか?今作品を支える演技を観ていると、主演作品も観たいなあ・・
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