「一見単調も見方を変えれば…」デンジャー・クロース 極限着弾 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
一見単調も見方を変えれば…
貯まってきたポイント消化で観賞
オーストラリアの配給というのも珍しいと…
ベトナム戦争に従軍していたオーストラリア軍が
体験した「ロングタンの戦い」の実録映像化作品
感想としては
単調に映る部分もありましたが
背景をふまえ見方を変えると印象も変わってきました
緊迫感溢れる軍記物だと思います
東南アジア条約機構に加盟するオーストラリアは
ベトナム戦争のアメリカ・南ベトナム軍側にのべ50,000人を派兵
ロングタン地域の基地のオーストラリア軍は
中核の「D中隊」は20歳前後の徴用兵中心の素人同然の部隊で
指導を行っていたスミス少佐は緊張感に欠ける兵士に苦労していましたが
ある日基地に向けて迫撃砲が次々打ち込まれる事態に陥ります
その後打ち込まれている地点をおよそ特定し
小隊を三つ編成しそこへ向かいますが行ってみると
大量の北ベトナム兵に囲まれてしまい取り残された小隊を
助けるか見捨てるかの選択に迫られながら緊迫する状況を
描いています
史実ではおよそ4時間の間にオーストラリア軍108人に対し
2000人の北ベトナム兵を相手にする羽目になったそうです
なにせ20倍の兵力ですから撃っても撃ってもどんどん現れキリがありません
さながらゲームで言うところの「無限沸き」状態です
とにかく撃って!撃たれて!撃って!撃たれて!のシーンの
繰り返しは徐々に単調に感じてくる印象も受けます
ですがこの戦闘は非常に狭い戦闘エリアで行われており
一辺数キロもない森林で行われたようですので
状況を考えれば実際そうなのかも知れません
無線で必死に味方の砲撃を誘導し
ついには味方のいるすぐ近くに砲撃を要請するハメになります
これがデンジャークロース(極限着弾)というわけですね
この4時間の戦闘でオーストラリア軍はどうにか
撃退しますが18人の犠牲者が出てしまいました
そしてこの戦いの存在は1968年から45年後にはじめて
オーストラリアでも知られるようになったそうです
前述の通り映画としては確かに単調な部分もあります
お決まりの死亡フラグも盛大におっ立てます
でも史実の凄く狭小な空間での激闘と背景をふまえると
また印象が変わってきます
銃器や兵器などの描写も細かく
オーストラリア軍が当時アメリカ軍でも最新型だった
M16アサルトライフルを使用していたのは意外でした
オーウェンというオーストラリア特有の短機関銃は
なかなか見たことがない特殊な銃でした
なんかベトナム戦争映画というともっと画面がグリーンで
生い茂るジャングルというイメージがありましたし
ベトコン特有のトラップなどがあるのかというと
全然そう言うのはないのでなんかぱっと見ベトナム戦争が
舞台に見えない感じもありますが新鮮でした
ビジュアルの迫力は非常に高かったです
あんまり公開している劇場は少ないようですが
やっていれば一度オススメしたいです