デンジャー・クロース 極限着弾のレビュー・感想・評価
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とても迫力ある映像です
歴史の苦手な私には、戦争映画も、リアルを題材にしたものか、そうでないかの区別もつかない。…が、これは、事実のようである。
予告編を観たときには、本当に、デンジャー・クロース とかあったの?と思って、観に行きました。戦争映画としては、割と、リアルに描かれていたのではないでしょうか。戦争って、こんな感じなんだね…ってのは伝わってきました。おそらく、デンジャー・クロース も事実なんでしょうね。でも、タイトルに使われるほど、特別な感じもしなかったかな。予告編は、すごく特別なことのように作られていたから…。自分たちを犠牲にしてでも、敵を巻き込み戦死するお話だと思っていたら、犠牲にはなってないなかったしね…。会議室の口だけ上司は、どこに行ってもいるんですね。イライラしました。
敵か味方かも分かりにくかったし、ずーっと、ドンパチ、ドンパチしてるから、ちょっと飽きてきました。映像としては、とても迫力あり、良かったんですがね。
やる気のない兵士たち
さすがに集中砲火を浴びる迫力のシーンと序盤のやる気のない兵士たちが良かった。なんせ、徴兵と志願兵で集められたのは20歳そこそこの者ばかり。ベトナム戦争なんてアメリカとソ連が主導してやってたようなものだから、オーストラリアに大義なんてない。単なる米豪同盟で参加しただけなのだろう(知らんけど)。
CGなんてのはほぼ銃弾と流血シーンだけの爆破系ほんもの戦争映画。オーストラリアで作られた珍しい作品ではあるが、これもアメリカから45年経って認められたためなのだろう。凄惨な光景、無線が使えないなどといった緊迫した展開。D中隊のやる気どMAXになってからも、救ってくれるのは砲撃隊のみ。着弾の正確さにも恐れ入った。
そんな悲惨な戦いをも描いた反戦映画ではあるのに、エンディングを迎えたテロップにはかなりがっかり。18人の死者に対してベトナムは245人の戦死者。両軍とも「勝った」ことを主張したとか、アメリカから認められたという史実はともかく、結局は18人の戦死者を悼むというだけのものになってしまった。つまりオーストラリア万歳。せめて両軍の兵士たちを称えるテロップにしてくれれば評価も変わるのに・・・他国に見せる映画ではない。
意外となかったオーストラリア視点のベトナム戦争映画
『プラトーン』『地獄の黙示録』『ワンス・アンド・フォーエバー』などベトナム戦争を扱った作品は多いが、特に大作レベルの作品はアメリカ映画、アメリカ目線のものが多く、オーストラリア資本、オーストラリア視点の作品は今まであまりなかった。(あくまで日本における戦争映画輸入事情として)
ベトナム戦争ではないが、沖縄戦を描いたメル・ギブソン監督作『ハクソー・リッジ』はオーストラリア資本の入った映画でオーストラリアの俳優を多く起用していたため、ルーク・ブレイシー、リチャード・ロクスバーグなど出演者が今回と被っている者も多い。
マーク・スティーヴン・ジョンソンのスティーブ・マックイーン愛が爆発した映画『バニシング ’72』 のトラヴィス・フィメルや『リトル・モンスターズ』のアレクサンダー・イングランドなどオーストラリアを代表する若手俳優も多数出演し、新旧オーストラリア俳優の博覧会的映画としても楽しめる作品である。
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』では、ドローンを使った戦争という点で正確に銃撃することや、爆撃することの重要性が描かれていたが、今作では旧型となる無線を通じて、正確に情報を伝え、司令部が決断を下すというチーム戦(マイトシップ)が描かれており、いかに無線の存在が大事であったかということをしみじみと感じさせられる映画である。
少数対大軍との映画的なシチュエーションが現実の戦闘で起きたという絶望的な状況に加え、銃弾や物資がなくなってしまって、味方の遠方攻撃をしてもらうことだけが頼りという絶望的状況は手に汗握ること間違いなし。
「デンジャー・クロース」とは、味方も被害を受けかねない距離での着弾を意味しているのだが、命令や行動をする、それぞれの立場やプレッシャー、リスク、今後の責任問題の処理といった、戦争時における極限状態の緊迫感を見事に描き通したといってもいいだろう。
実話ベースで実際に亡くなった人物が映画でも、実話の通り死亡することもあって、遺族への配慮があったため、酷い描写を避けるためなのかもしれないが、アクション・シーンとしては、平坦なものが多く、バイオレンス描写も薄く、戦場の悲惨さという点では、物足りなさを感じてしまうため、娯楽性のある戦争アクションとして観ると失敗する作品である。
オーストラリア側からのベトナム戦争
オーストラリア映画なので仕方ないけど、南軍視点での偏った作品。オーストラリア軍のこの活躍に対してしばらく経ってからアメリカから評価されたとのことだが、ベトナム内戦に外国から来てベトナム人を殺戮する事に違和感を感じた。作品自体はなかなか迫力あるけど。
賛美し過ぎ。
ベドナム戦争は、どちらかが一方的に悪いわけではないので、ある一国の兵士の死をことさら強調されても困る。まぁ内容的にはドンパチ中心で、ストーリー的には薄っぺらい物であることが、こういった映画を作る上での難しさがあるんでしょうね。
厳しいね…
凡庸な作品。映像レベルの低い戦争映画。ただ米軍ではなくオーストラリア軍であるというだけの話。ありがちなストーリーを集めた脚本は面白味に欠けるだけでなく、大佐と准将の演出が余りにも下手。この程度の内容では、とてもじゃないが世界標準には達していない。30年前のレベルである。余談だが、主役であろうハリー少佐が松平健にしか見えなかったのは私だけではないはず。
18年ぶりに魅せられた渾身の作品。
とにかく内容が濃い。最近の無難でコミカルな映画に真っ向から挑んだ気合いを感じた。
登場する兵器は1960年代のイギリス系と米系兵器を細部まで再現し、劇中はオーストラリア軍視点で進むが、北ベトナム軍との史実を最大限追い求め、どちらが勝ちか負けかではなく、どこまでもリアルに戦いを追っかけている。
流石にストリー性を持たせるための「間」はあるが、最近のライトでカジュアルなアクション・戦争映画には無い人間臭さに溢れ、スマホやタブレット現代に真っ向から逆行する、映画館で見るべき作品だ。
個人的には、ワンス・アンド・フォーエバー(2002)以来の、最高のベトナム戦争映画だと思う。
きっと名作として後年に語られることを確信して止まない。
最後に、この戦いで散った両軍の英雄達に心から追悼したい。
昔風のアナログ的なシンプルな作品
全編戦闘シーンでこまかな個人のエピソード等余計な場面は無し この手の作品は米国映画でオリジナルが多いが本作はオーストラリアが主人公と言う珍しい映画だが迫力あるストレートな戦争映画と観るなら楽しめるだろ❗
恐い怖い最前線
ベトナム戦争でオーストラリア軍とベトコンとの間に起こった「ログンタンの戦い」で、最前線で闘う兵達の危険を顧みない作戦と決断を中心に、激しい戦闘や本部で指示を出す准将達とのやり取りを描いた映画。
昨今の戦争映画の中でも、ここまで戦闘を中心に描かれた作品は珍しいかも。
激しい戦闘シーンが目当ての人にはオススメ。
しかし、個人名を与えられている登場人物が多すぎて、誰が誰だか把握するのが難しい。複数の小隊に分かれてシーンが進む為、都度主人公がコロコロ変わったような感じで展開していくので尚更。
言うて自分も戦闘シーンが見たくて戦争映画を見ている部分もあるので、事が動き始めた中盤からは結構楽しめた映画だった。ラスト近く、意を決したように近接武器を手にするシーンとか結構アツかったし。
印象に残った人物は砲兵のマッチョ達や、小太りの中佐。中佐さん、後半なんか正義に目覚めたような感じになってたけど、結局あれはただの自己満の迷惑行為では…
でも、一番印象に残ったのは、最後、軍曹が兵の点呼をとるシーンで、「ドリンクウォーター」と呼ばれていた兵がいたシーン。オーストラリアではそういう名前が一般的にあるのだろうか・・・?
死亡フラグが立ちすぎ。
ベトナム戦争でアメリカ側に着いたオーストラリア軍が、ジャングルの中でベトコン軍の大軍に襲われた実際の戦いを描いた話。
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オーストラリア映画ということで、私は誰一人としてこの映画に出てる俳優さんを見た事なかったし、ただでさえ外国人って見分けがつかないのにオーストラリア人ってもっと見分けがつかない!.
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誰が誰かわからんし、なんなら敵と味方の違いもよくわからないぐらいだった。それでもこの映画、仲間のことを見捨てず助けに行くっていうのがメインの話で、誰かわからない人が誰かわからない人を助けに来てくれても感動する。
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途中、物語の中心的な2人がお互いの家族、愛する人について語り合うシーンがあるんだけど、そこがもう死亡フラグすぎてほんとにやめて欲しかった。家族の写真なんか見せんな!結婚式に行くとか約束するな!!そんなこと言うと死ぬじゃん!!!って思ってたら本当に死んだ(笑).
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オーストラリア目線でベトナム戦争を描いた話は初めて見たし、それなりに楽しめる映画だった。
一見単調も見方を変えれば…
貯まってきたポイント消化で観賞
オーストラリアの配給というのも珍しいと…
ベトナム戦争に従軍していたオーストラリア軍が
体験した「ロングタンの戦い」の実録映像化作品
感想としては
単調に映る部分もありましたが
背景をふまえ見方を変えると印象も変わってきました
緊迫感溢れる軍記物だと思います
東南アジア条約機構に加盟するオーストラリアは
ベトナム戦争のアメリカ・南ベトナム軍側にのべ50,000人を派兵
ロングタン地域の基地のオーストラリア軍は
中核の「D中隊」は20歳前後の徴用兵中心の素人同然の部隊で
指導を行っていたスミス少佐は緊張感に欠ける兵士に苦労していましたが
ある日基地に向けて迫撃砲が次々打ち込まれる事態に陥ります
その後打ち込まれている地点をおよそ特定し
小隊を三つ編成しそこへ向かいますが行ってみると
大量の北ベトナム兵に囲まれてしまい取り残された小隊を
助けるか見捨てるかの選択に迫られながら緊迫する状況を
描いています
史実ではおよそ4時間の間にオーストラリア軍108人に対し
2000人の北ベトナム兵を相手にする羽目になったそうです
なにせ20倍の兵力ですから撃っても撃ってもどんどん現れキリがありません
さながらゲームで言うところの「無限沸き」状態です
とにかく撃って!撃たれて!撃って!撃たれて!のシーンの
繰り返しは徐々に単調に感じてくる印象も受けます
ですがこの戦闘は非常に狭い戦闘エリアで行われており
一辺数キロもない森林で行われたようですので
状況を考えれば実際そうなのかも知れません
無線で必死に味方の砲撃を誘導し
ついには味方のいるすぐ近くに砲撃を要請するハメになります
これがデンジャークロース(極限着弾)というわけですね
この4時間の戦闘でオーストラリア軍はどうにか
撃退しますが18人の犠牲者が出てしまいました
そしてこの戦いの存在は1968年から45年後にはじめて
オーストラリアでも知られるようになったそうです
前述の通り映画としては確かに単調な部分もあります
お決まりの死亡フラグも盛大におっ立てます
でも史実の凄く狭小な空間での激闘と背景をふまえると
また印象が変わってきます
銃器や兵器などの描写も細かく
オーストラリア軍が当時アメリカ軍でも最新型だった
M16アサルトライフルを使用していたのは意外でした
オーウェンというオーストラリア特有の短機関銃は
なかなか見たことがない特殊な銃でした
なんかベトナム戦争映画というともっと画面がグリーンで
生い茂るジャングルというイメージがありましたし
ベトコン特有のトラップなどがあるのかというと
全然そう言うのはないのでなんかぱっと見ベトナム戦争が
舞台に見えない感じもありますが新鮮でした
ビジュアルの迫力は非常に高かったです
あんまり公開している劇場は少ないようですが
やっていれば一度オススメしたいです
短く評価/好きな方はどうぞ
オーストラリア軍が戦った
ベトナム戦争のアクション映画ではなく
実話です
銃弾が飛び交い、飛び交い、飛び交い
砲弾が飛び交い、飛び交い、飛び交い
クソ指令も飛び交う、逆らう、飛び交う
映画としてはストーリーが薄味
浮き足だってるね
ベトナム戦争下実際にあったオーストラリア軍とベトコンの「ロングタンの戦い」を、オーストラリア軍視点で描いた話。
まあ、「ロングタンの戦い」といわれても知らないけれど。
軍司令部の基地が砲撃を受けているのに吞気な様子をみせる始まりで、白々しさを感じてしまいちょっと嫌な予感。
なんか演技、演出やカットが安っぽいし、BGMまでもイマイチ緊迫感とか緊張感とか臨場感とかないんだよなあ。
イマイチな演出は続くけれど、話としては非常に好みだし、戦闘が激しくなる後半は、BGMも良くなって、臨場感が増してきた。
まあ、変な演出は相変わらずだったけど、面白かったから良いかな。
これが戦争。追体験させられる真の姿と、怒涛のアクション!!
【賛否両論チェック】
賛:戦闘での主人公達の姿が等身大で描かれ、戦場の怖さや戦争の悲惨さがひしひしと伝わってくるよう。アクションも非常に生々しい。
否:グロシーンがかなり多いので、苦手な人には向かない。登場人物も多く、関係性も分かりにくいほか、人物描写がやや浅い印象も受けてしまう。
まずレーティングこそありませんが、戦争映画特有の殺害シーンや負傷シーン等、グロく感じてしまうシーンがかなり多いので、苦手な人には向かないと思います。
歴史の闇に葬られてきたとされる実際の戦闘、「ロングタンの戦い」。突如その真っ只中へと放り込まれた者達の等身大の姿を通して、人間通しが殺し合う戦争の凄惨さが如実に伝わってくるようです。急に戦闘が始まったり、突然撃たれて命を落としたりと、戦場のリアルな描写には、思わず息つく暇もないほどです。アクションも勿論ド迫力なんですが、同時にかなりリアルで生々しくもあります。
ただ難点をいうと、登場人物が多いので、それぞれの関係性を理解するのに時間がかかるのと、その割には1人1人の人間性の掘り下げが結構中途半端で、なかなか感情移入しづらいところでしょうか。
内容的にも観る人を選びそうですが、重厚な世界観が光る作品でもありますので、アクションが好きな方は言うに及ばず、是非ご覧になってみて下さい。
戦争アクションとして見るなら良。
ほぼほぼ戦闘シーンだし接近戦の銃撃戦は迫力と緊張感あり。オーストラリア軍の勇者の話の展開はビミョーだなー、と思ったな。
観賞中。ずっと固まって観ていた感じ。
「特別な荷」以外に女性は登場しません。
正に戦場の悲惨さを訴えるような作品。
前線でベトコンに囲まれたオーストラリア兵を救出するストーリー。
援軍も出せず基地からの迫撃砲で援護するんだけど、味方の10メール位先のベトコンに着弾させるシーンが凄い。
あんなに正確に着弾させる事が出きるのか?
GPSも無い時代。
どうやって座標を調べるのか?
気になるところ。
銃撃戦のシーンより、静かになった前線の方が恐怖感があった感じ。
いつ撃って来るのか?
ホラー映画の様。
涌き出る様な死を恐れないベトコン達の数もハンパ無い。
事実を踏まえた作品と言う事にも驚き。
最前線に弾薬を補給する方法が雑なんだけど合理的。
アメリカ軍の戦闘機は何もする事が出来ず。
あっけなく飛び去らないで欲しかった。
装甲輸送車がメチャクチャ早い。
そしてそれが天使の様に見るのは観賞した人なら誰もが思うところ。
この手の作品にありがちなエンドロール。本人と役者さんが似過ぎ。
唯一、ホッコリしたのは迫撃砲の砲兵がみんな上半身裸のマッチョマン。
彼らじゃないと重たい砲弾は装填できませんね( ´∀`)
自国万歳
オーストラリア映画で、ベトナムを舞台にオーストラア軍と北ベトナム軍の1966年のロングタンの戦いを描いた映画らしい。
ほぼほぼひたすら戦闘シーンで、108人のオーストラア軍に対し、スターシップトゥルパーのごとく途切れることなく押し寄せてくる無数の敵との戦いを描く。
激しい戦いの中で何人もやられていくなど次々に襲ってくる絶対絶命のピンチに遠距離からの味方の迫撃砲で、凌いでいく豪軍。
メッセージ性のある物語を求めるのではなくただひたすら戦闘シーンを楽しむ作品。
で、まさに自国万歳の映画でした。
臨場感はあるかな
予告で謳っている実話というのがあまり作品内では生かされてなかったような気はした。勝手ながら実話ベースというだけあって内容のあるストーリー展開を期待していたが、銃撃戦がメインのゲームのような映画作品に思えた。
まぁそれが臨場感は少なからずある為、臨場感を楽しみながら鑑賞することはできるが、緊張感はあまりないようにも思えた。良くも悪くも第三者の視点から外から見るような作品だったというのが個人的な率直な感想か。
エンドロールでも追悼シーンがあったように、20歳そこらの若者がベトナム戦争に参加し命を落としたのは忘れてはならない事実である。
そういう点では見て良かったと思える作品だったと解釈してる。
撃つだけの映画
ベトナム戦争に参加したオーストラリア軍が行った、1966年8月の「ロングタンの戦い」を描いた作品。
南ベトナムの農園地帯・ロングタンでオーストラリア軍がたった108人で、南ベトナム解放民族戦線の2000人と対峙し、わずか18名の死者だけで退けたという本当にあった作戦。
迫撃砲の自部隊への「至近着弾(デンジャー・クロース)」が、その作戦を可能にしたという史実を基に、無限ともいえるほど湧き出てくるベトコン相手に、ひたすら撃って撃って撃ちまくる(時々撃たれる)シーンだけの映画でした。
シナリオはグダグタ。
まさか令和の世に「中隊長、国に帰ったら俺、婚約者と結婚式を挙げるんですよ」ってセリフを聞くとは思いませんでした。
上長(大隊長・准将)がクソ野郎とか、テンプレのあらし。
映画としては正直面白くありません。
ただ、ミリタリー系映画好きとしては、戦闘シーンを丁寧に描いているだけで、多少採点は甘目に。
★は1か2でもよかったかも。
エンディングで、演じた役者と実際の兵士の写真を並べて見せるのですが、近年稀に見る、まったく似てない感がすごかったです。
エンドロールが長過ぎるざんす!
私、ガチのミリヲタです。言っても良いでしょうか?と言うか、言います。
この「ロングタンの戦闘」で命を落とした、南ベトナム解放戦線、ベトナム民主共和国、オーストラリアの人々のご冥福を心からお祈りします。
一番に言いたいのは、それ。
本格戦争映画でした。割と。胸がキュっとなる場面もあり。准将がクソと言う、テンプレ通りの流れもあり。ですが、結局のところ、映画として見てしまうと、つまらなかった。一番の違和感の理由は割愛するけど。
これは国内上映だけで終わらせて欲しかったです。
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6/20 追記
「反戦映画」と言う言葉を使う事自体、止めちゃっても良いと思うほどに、最近の戦争映画には、「強烈な反戦メッセージ」が仕込まれています。同時に、「敵=殲滅すべき悪魔」で「友軍=正義」と言う構図の否定が始まってから久しく。多くの戦争において「私たちこそが悪魔だった」と言う描写を全面に押し出す事も、当たり前になって来ました。要するに、今日日の戦争映画は「当たり前に反戦映画」なんで、「反戦」なんて言葉を、あえて使う必要が無いんだす。
で、言いたい。ベトナム戦争って何だったんよ?
今、この時代において、この映画は「ナシ」です。
オーストラリア国内で、退役軍人の集会ででも上映してくだされ、って言いたくなりました。
ロシア映画のT-34ですら、「あの時代、戦車戦を戦った全ての兵士に捧ぐ」でしたよ、最後のメッセージは。あのロシアが、ナチスの兵士たちにも鎮魂のメッセージを送る時代なんです。
俺、この映画、嫌いです。
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(蛇足)
◇オーストラリア軍は何故ベトナムで戦争しているのか?
オーストラリアは第一次大戦にも参戦しています。詳しい背景は割愛しますが、当時ニューギニアや西サモア、マーシャル諸島等を領有していたドイツは豪州にとって、ライフラインの確保の重要性と言う観点からは仮想敵国。また、国民の8割が英国系移民と言う背景もあり、33万人を派兵し、6万人が戦死しています。栄光の大英帝国一員であるというプライドがあり、英国の対ドイツ宣戦布告で、豪州は「自動参戦」の道へ進みました。
第二次大戦は、大英帝国のアジア支配崩壊の戦争でもありました。日本の圧倒的海軍力により、アジアの英国海軍は壊滅。欧州列強は、アジアから駆逐されるか、日本の敗戦後に起きた独立戦争によって植民地を放棄して行き、それに替わって世界のリーダーになったのは米国。第二次大戦で、自国領土と領海を自力では守り切れないことを、日本軍の攻撃で痛感した豪州は、「米国との軍事同盟締結」と言う、必然の選択をします。
国連やNATOという多国間の枠組みの中では、各国が集団的安全保障体制の下で自国の平和を担保することが一般的。その集団的安全保障体制を機能させるためには、加盟国が国力に応じて相応の軍事力を提供することが求められます。こうした流れの中、ベトナム戦争では、西側諸国が米・仏に追従してベトナムへ兵士を送り込んで行く事になりました。オーストラリア軍も、朝鮮戦争に続いて、最大8,000人を、この無益な戦争に派兵しています。
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