君は永遠にそいつらより若いのレビュー・感想・評価
全62件中、41~60件目を表示
いろいろと重いテーマ
児童福祉職への就職が決まり、大学卒業を間近に控えた大学4年の堀貝佐世(佐久間由依)は、ぐだぐだした日常を過ごしていたが、同じ大学の3年生猪乃木楠子(奈緒)にノートを借りた事から知り合いになり、過去に痛ましい経験を持つ楠子と特別な関係になっていった。そんなある日、佐世の友人の友人で飲み会の後結婚を申し込んだ穂峰直が命を落とした。少女レイプ、児童虐待、誘拐、自殺、そしてレズ、など、佐世を取り巻く悲しい状況を描いた話。
一つ一つが実は重いテーマで、何も解決はしていないが、少しでも良い方向に関与したいという主人公•佐世を佐久間由依が好演してた。奈緒が悲しい過去を持った役を見事に演じてて素晴らしかった。
余韻が残りそうな良い作品だと思った。
最後まで不安
学生同士の軽いノリの場面も多いのだが、それらも含めほぼ最初から最後まで不安な感じだった
それぞれの行動に説明、理由は少ないが、そういう流れも不安をかきたてる要因かもしれない
上映前舞台挨拶付
進行役の好感度高
目を逸らしているお前には人の痛みはわかるのか?
学生時代、仲の良かった同じ大学の友人がホリガイのようなボーイッシュなタイプで、彼女のことを思い出した。
大学生達の物語ではあるが、青春楽しんでるぜ、イェーイ!なんていう作品とはちょっと違う。児童虐待、ネグレクトなどといった社会問題や若者たちの抱える闇や苦悩が描かれて、やるせない気持ちにさせられる。重く、そして難しい問題だ。
唯一笑えるのはホリガイと安田のシーンかな。
※以下ネタバレ
好意を抱いていた男の子の突然の自殺
イノキの壮絶な過去には衝撃とショックを受けた。
しょうたくんを保護するに至るまでのシーン、児童福祉士はあれほどのことをしないと子供の命を救うことはできないのではないだろうか。そして、筆舌に尽くし難い痛ましい目黒女児虐待事件が頭をよぎった。
ホリガイのような児童福祉士が多くなれば、少しでも多くの子どもたちを救うことができるのかもしれない。
現代社会ではみんな自分のことでいっぱいで周りを見る余裕なんてあんまりないのかもしれない。
タイトルについては、私はまだ理解できていないんだけど、、、どういう意味なのかしら?
昔より現代の若者の方が複雑なのかな。
主人公は就職の決まっている卒業間近の女子大生。俺的にはバイプレイヤーの佐久間由依ちゃんが演じてます。彼女が選んだ仕事は児童福祉士なんだけど、なんだか自信なさそう。ていうか、自分自身に自信が持てない。処女なのも、自分の性格に問題があるからだと思っている。
そんな彼女を取り巻く友人達、彼らもそれぞれ問題を抱えながら生きている。そんな中、知り合ったひとつ下の女の子と仲良しになる。彼女もなかなかのトラウマの持ち主だった。とにかく答えの出ない悩みのオンパレード。自分の学生時代の友人達の事を思い出しまくったわ。
ま、いつもの様に若い女子の気持ちは分からないので、共感点は無かったな。
あと、誘拐された男の子を見つけたいんだったら、普通、警察官目指すんじゃないの?
【焦燥感】
近頃、街行く人、特に、若者を見ていると、中性的なファッションが増えたなと思う。
フェミニンやマニッシュじゃないということだが、ノン・バイナリーと呼んだ方が良いかもしれない。
この作品の主人公の堀貝と猪乃木は、そんな感じのファッションだ。
確かに、猪乃木はロングヘアーだけれども、その理由は映画の中で明かされる。
堀貝は、ボーイッシュとまではいかないが、ショートヘアーだ。
男性の友人も、どちらかと言うと、男っぽさは少なくて、中性的なイメージで、唯一異なる安田は、実はかなりナイーブだったりする。
この作品は、こうしたジェンダー感を極力排して、思い悩む若者の気持ちにフォーカスをあてようとしたのだろうか。
(以下ネタバレ)
なぜ、ここで、この大学で勉強しているのだろうか。
やりたいことってなんだろうか。
多くの若者が突き当たる壁だ。
地元に帰って公務員になる。
皆んなは褒めてくれるけど、実は、疑問を感じていたり。
友人関係もありきたりな感じで、深い友情らしきものは少ない。貸し借りの打算的なところが多かったり。
身元引き受け人になるような関係だったのに、穂峰の変化に気付くことが出来なかったヨッシー。
どこかに孤独を抱えたまま惹かれ合い、身体を重ねる堀貝と猪乃木。
堀貝の寄り道と、Uターン就職で改めて孤独に苛まれる猪乃木が、その後、小豆島に帰ったのは、焦燥感が膨らんだからに違いない。
堀貝は、ハッとしたのだ。
穂峰の遺書を思い出したに違いないのだ。
焦燥感が勝ってしまったという穂峰の最後の言葉。
たぶん、この映画を観た皆んなは分かってるに違いない。
僕たちも、焦燥感が勝ってしまって、辛く苦しくなることは多いのだと。
コロナ禍で自らの命を断つ若者も、漠然としてるようで、とてつもなく大きな焦燥感と押し合いへし合いしていたに違いないのだ。
「…ごめんね、とっ散らかったことしか言えないんです、私は…」
堀貝…皆んな、おんなじだ。
皆んな、とっ散らかってるんだ。
きっと、堀貝は、とっ散らかった中で、言いたかったんだ。
猪乃木に、死ぬな…って、生きようよ…って。
猪乃木も、きっと、それを分かったんだ。
きっと、若者だけではない。
多くの人が共感できるような作品になっていると思う。
(※ちなみに、調べたら、”街行く”という日本語は、今のところありません。僕の小説の読みすぎか、音楽の聴き過ぎかもしれない。)
児童虐待と大学生をうまく交錯させ、課題に気づかせてくれた
社会の重いテーマに
巧みな設定で、うまく取り組んだ作品である。
見逃してはいけない!
でも、タイトルで言うところの
歳、年が、問題を解決する。という発想は
いいアイデアではないなぁー。
鬼ころし
地元の児童相談所への就職が決まった大学4年生のポチョムキンが種々問題を抱える人たちと出会う話。
コンプレックスを抱える人、自分の存在価値を見出せない人、友人の異変に気付けなかった人、大きなキズとトラウマを抱える人、そしてネグレクトにあう子供等々に出会い主人公が何を感じるのか…。
自分が何とかしてあげたい、自分がそこにいられたならと追い込む人がいる一方、自分が出来ることなんてないと嘆く人がいたり、行き詰まった時に一緒に居てくれる人がいたり。
人はそんなに程万能じゃないし、非力なものではあるけれど、独りで生きることは難しいし、独りで生きる必要もないし。
そんなことを考えさせてくる作品だった。
堀貝と猪乃木が出会った教室でのトラブルに対する一言とか、他にもいくつか、馴れ合わない核心をつく一言に結構擽られた。
そして牡蠣がマジで美味しそうだった。
ゆったりと流れて行く中でさりげなく起こる事件
佐久間由衣と奈緒が出るという情報のみで鑑賞。
パンフ買ったら下手なエッセイ本より分厚いただの本でした。佐久間由衣は「"隠れビッチ"やってました」で自分の中の評価上がってる女優さんです。奈緒は変な人の役ばかりしているイメージですが、今回は割と普通の人です。多分。
内定をもらい、後は卒論書けば卒業という女子大生の約半年を描いた作品です。
その間に実際に起きたら事件だけど新聞に載るほどではない出来事がいくつか起こり、色々主人公に変化を与えていく、といった内容です。
ポスターは奈緒とダブル主演といった感じでしたし、終盤一番重要人物として描かれているのですが、そこまでの交流だったかなあ、大学の友人の中では多分一番気があったんだろうけど・・・。
逆に引っ掛かったのはそれくらいで、隠れビッチの時もそうでしたが、最初の印象があんまり生理的に受け付けないのに、映画が終わる頃には共感できる女の子を演じさせたら佐久間由衣は随一だと思いました。
軽やかそうで実はかなり重い青春映画
自分は、ある部分において決定的に欠けている。
そのことを自覚しているけれど、元々欠けているものはいくら努力しても埋めることができない。
いやそんなことはないよ、と慰めたり、根拠の無い〝大丈夫〟を繰り出したりして、安易に慰めたりは、この映画はしてくれません。
冒頭のゼミの飲み会。
他の映画であれば、ホリガイはきっとあそこで、あのセクハラ粘着質男に、ビールかツマミを投げつけていたはずです。でも、根本的に何かが欠けている自分には、他人を責める資格はないという気持ちのほうが突発的な怒りよりも優ってしまう。決して冷静に自己抑制しているわけではなく、自分の感情を他人にぶつける行為にはどうしても躊躇してしまう。
至らなさを自覚していることで、自分に抑制をかけているホリガイとは対照的に、自分の感情を少しも整理しないまま、他人にぶつけることで憂さを晴らしている、未熟でタチの悪い攻撃的な男ども。
前半はほろ苦いというよりも、痛過ぎる青春が描かれます。そこに、人には言えない傷を抱えた者、焦燥感に苛まれる者などがちょっとしたきっかけで関係してきます。
後半になると、『万引き家族』で描かれたような、現代日本の抱える歪みが、どうやって今の若者たちに影響を与えるのかということの一部の事例が重く、リアルに描かれます。
もうすぐ公開予定の『護られなかった者たちへ』の原作を読んだばかりですが、この映画にも、護られるべき時に護ってもらえなかった人たちが出てきます。
その時、その場にいて護ってあげられなかったことが悔しい。そう言ってくれる友人の有り難さと、自分の傷の深さ。
昨日見たニュースの中で、とある総裁候補が、『強く美しい日本を作る』みたいなことを言っていましたが、今の日本の現状でそんな上っ面な言葉を平気で言えること自体、その方に決定的に欠けているもの、見えていないものの大きさ、テレビでは言わない本音のおぞましさを物語っているようでした。
このタイトルに込められた意味が、勝ち誇ったように相手にぶつける言葉なのか、それ以外に勝てることがない絶望を表す言葉なのか、一見反目的だが融和を目指す言葉なのか、結構眠れなくなるほど悩むことになります。
話がとっ散らかってしまいましたが、とても胸に迫る、そして相応の覚悟を持って作ったのであろうことが伝わってくる上質の作品です。
大学生の人間ドラマ
ほんのり切ない、暗いドラマ。
夢中で最後まで観れましたが、何を言いたい物語だったのか?深く考えるタイプでないですが、人間ドラマあるあるの、意味が分からなかった。
でも不思議と夢中だったし、何となく面白かった。
※舞台挨拶付きは良かった!
佐久間さん、小日向さん、吉野監督
若さは救いになる
友達もいるし騒いだりきゃっきゃしてても急にしにたくなるものに襲われる日があったり、
小さい大きいが人生最大の悲劇みたいに思えてしまっていたこととか、
そういえば仲良くなる子はみんな両親離婚かしんでたりするわとか、
卒論をちゃんと書き上げられなかったりとか、
いたたまれなくなるだめな学生あるあるが懐かしすぎてこれ私の体験談か?と思うほどでした。
それはメインの二人がとてもナチュラルに学生を演じてたからってだけじゃなくて、男の子3人も絶対クラスに1人ずついたな?っていうピンポイントの逸材が配役されてたので懐かしさ倍増させられたんだと思います。絶対いたよあいつら。
はぁ皆いい俳優さんだなぁ。笠松くんは少ししか出てないのに良い表情を残していったなぁ。
初めて原作の小説を読んだときはまだ自分を若いと感じてる時代で、その時は「君は永遠にそいつらより若い」にもっと衝撃を受けたような気がするけど、いまもう年を取って老いを感じる側だからか小説を読んだときほどのはまる感じはなかったかなぁ。
それでもやっぱりこのホリガイの台詞を言う佐久間ゆいさんの生命力は美しくてかっこ良かったし
奈緒さんのホリガイがつらい時に「その場にいれなかったことが悔しい」って寄り添い方を教えてくれるような台詞もやさしくて本当に良かった。
生きづらさを感じてる20代におすすめかも。
舞台挨拶鑑賞
中盤までは、つまんなかったです。
タイトルの意味がわかりませんでした。
キスにはビックリ、その後のラブシーンも。
自殺は、ビックリですね!
知り合いが以前助けたことのある下の階の子供を見に行くシーンよかったです。
ホリガイ児童福祉士はぴったりですね!
後半よかったです。
残念ながら自分には合わなかった感じ。
最近観た不倫漫画の作品の奈緒さんが良かったので本作にも期待。
彼女が演じるイノギはとても良い。
ニット帽をかぶった姿が可愛い。
佐久間由衣さん演じるホリガイとの会話も終始雰囲気が良かった。
就職も決まった大学4年生のホリガイが就職するまでの半年間の生活を描いたストーリー。
飲みに行ったりバイトをしたり、卒論制作に励んだりする展開。
そんな中、色んな事がおきながらイノギと共に学生生活を送って行くんだけど心に響く場面は無かった感じ。
場面毎の会話はとても良いけど、終わってみれば何も残らなかった。
佐久間由衣さん。身長がメッチャ高くてビックリ(笑)
172cmもあるんですね( ´∀`)
僕は永遠にそいつらのことを知らない
映画を見る体力のない私は、中盤までの幾つかのシーンが軽くてまとまりが無いものに感じてしまった。「外側」の視え方の集合は、そう見えた。
終盤にかけてそれぞれの登場人物側の視野に立ったような格好でシーンが回収されていき、それを踏まえて話が進んでいく。
家庭環境、恋愛と性、バイト・仕事、およそ普通の人が抱えるであろうあらゆる悩みの種となる人生のイベントが程よく織り込まれている。
繊細ゆえに、一つ一つの悩ましいことに引っかかる登場人物たちは、ものすごく丁寧に生きている人たちなのかもしれない。
「見えない」ところから何かを「読み」取ろうとしてまで人を助けるという役割は社会の中において欠かせない。
「見える」ものだけで世の中が回っているわけではなく、そういう人たちの思いやりが社会の機能の隙間を埋めているということなのだろう。
そこに男女の別など関係ないと言おうとしているのかという描写もあった。
社会の隙間を埋める人たちや、そういう職業をされている人たちに対してリスペクトを禁じ得ない、そんな重みのある映画だったように思う。
モラトリアムから、大人になるまでのあれこれ
あと少しで大学を卒業する一人の女子学生が、のらりくらりと生活してるところ、さまざまな出会いや事件に遭遇しながら大人になっていく話。
そう纏めると、普通の何処にでもあるステレオタイプの映画のようで全く違う。コメディや下ネタっぽい要素も入れながらシリアスな社会問題も絡み、独特の空気感で彼女の胸のうちを紡いでいく秀作。
主人公は部屋も汚いし言葉遣いも行動も雑だし、見た目もお洒落な女子大生ではなくサバサバ系。就職も決まって卒論以外はバイトを少ししながら日々をやり過ごしている。
でも実は自己肯定感が低く自分の性的嗜好にも悩み、人との距離の取り方や社会問題に対しても、表にあまり出さないが真面目に真摯に考えている。そんな生活の中で、ネグレスト、自死、身体的コンプレックス、レイプ、性的嗜好など、自身を含めそれぞれの問題を抱えた人たちに、ちゃんとその人の立場に立って対応できていたのかと葛藤する。
それぞれで一本の映画が撮れそうな重いテーマが次々と出てくるのだけど、深く掘り下げず、かといって浅くもない程度に描き散漫な印象を与えるかもしれないが、彼女がそれらに悩み、ホスピタリティや正義感をもって成長していく姿が清々しい。
佐久間由依ちゃんは、「隠れビッチやってます」でもサバサバ女子を好演してたけど、今作も凄く良い!菜緒ちゃんも「先生、私の隣…」の役柄とは全く違うキャラを上手に演じてた。
ちょっとぶっ飛んだ過激な表現もあり、ご年配の方の評価はもしかすると低くめになるかも?
強いから脆く、虚ろだから脆い…
これは良作。
あらすじや予告編からは想定してないくらい重く突き刺さる現実を示しつつ、偶然の出会いからかけがえない仲になっていくまでのシスターフッドもの。
他の作品と比べるのも良くないかもしれないけど、富裕層の中の格差よりも貧困や家庭背景における格差のほうが感情移入しやすく、自分ごととして受け止めやすいので、僕は「あの子は貴族」よりも好みだった。
外国人女性のポルノ写真を持ち歩いている彼の苦しみに対して、「その苦しみをわかってあげたい」という主人公は立派だけど、他人はあくまでも他人で、すべての気持ちを分かることは不可能に等しいことを示しつつ、それでも分かりたいと願う主人公の強い思いと裏腹な自己肯定感の低さを丁寧に描いていて苦しくなった。「児童福祉司」に対して真摯に向き合おうとする主人公で良かったと思う。
モヤモヤしたものがすっきりしてなくなるというゲーム“ぷよぷよ”をメタファーとして用いる上手さ。
佐久間由衣さんが表現する強いからこそ脆い感情、奈緒さんが表現する虚ろだからこそ脆い感情がぶつかりあった結果のとある夜のシーンは、何よりも神々しかった。
強いて言うなら、個人的にはセリフを発する演者に毎回カメラを向ける演出法が人工物感を感じてちょっと好みではなかった。強いて言うならレベルですが。
残された者は噛みしめる、今から何かを変えるために
凛としながらパワフル。青春の匂いと表裏一体の闇を照らす。決してダイナミックではないが、それが彼らの呼吸を感じさせる。
大学生活のぼんやりとした日々。退屈と焦燥の狭間に生きる堀貝。序盤からどこか「自分と似ている」ような気がして、引き込まれてしまった。サバサバしているけど、名もなき夜に孤独を感じるタイプ。その中で処女も言わば焦燥のアイコンのような存在として置かれている。この物語は、彼女の"周り"に起こる変化がもたらす外界の影響を映す作品である。
少し作品の核を突けば、日常に隣り合わせにいる「暴力」と「空白」を問うモノだと感じる。児童福祉課の就職をあっさりと決めた一方、子供を助けた穂峰が突然死んでいまい、ふと立ち止まる。また、バイトの後輩の安田は自分のコンプレックスで悩み、いつの間にか空白を誰かが簡単に埋めてくれる。そう思うと、自分は何者なのか、必要なのか分からなくなってくる。そうした意味を問い、導いてくれるような強い作品。しかも、その人をいつまでもすがることなんてそうそうない訳で。たまたま世代が近いこともあって、共感と救いを感じた。
主人公の堀貝を演じる佐久間由衣が素晴らしい。端正なルックスを持った彼女だが、それを削いで生まれたキャラが本当に上手い。言葉を選ばずに言うと男性的であり、やや距離を置かれるが仲の良い人はいるような人物を体現している。どことなく自分の性格と似ている気がして辛い。一方の奈緒も痺れる演技を魅せてくれる。『先生、私のとなりに座っていただけませんか?』も『マイ・ダディ』も先に観たが、作品で印象がまるで違う。この作品のミューズであり、言わば"ヒロイン"のような存在。全くフラットな関係で描かれる二人の姿が印象的だ。もう一度観たくなる、深く快い作品に写った。
男性キャストも素晴らしく、繊細かつ力強い作品に仕上がっている。これから先、どうなるか分からない人生を私は泳ぎきっていけるのだろうか。これまでの道程は間違っていないか。そんな漠然と不安と迫る岐路。そこに光を見出す堀貝が少し羨ましくも思える。公開されたらまたスクリーンで観て、考えてみたい。
「処女」
特大級のパワーが秘められた作品でした。
前半は割とゆるい感じで進む物語が、後半になって自身のコンプレックスや意識のない差別侮蔑、暴力や悲壮感、コロッと死んでしまう知り合いなどを畳み掛けるように描いててとても辛くなりました。
でもその中で主人公が生きがいを見つけていくのを、明るく前向きに描いていて心にグサっと刺さりました。「処女」を世界一美しく魅せてくれる、そんな映画でした。
鑑賞日 9/8
鑑賞方法 オンライン試写会にて
その場にいて助けてやれなかったことがとても悔しい
主人公と自分をかなり重ね合わせて見てしまい、とてもヒリヒリしました。自分にはあるべき何かがなくて、それが漠然と恐怖で、だからってどうしたらいいかもわからなくて、とりあえず笑って誤魔化そう、そんなホリガイの姿を自分と重ねて、とてもヒリヒリしました。
タイトルをホリガイが言うシーンは、とっ散らかっているけどとても心に刺さり鳥肌が立ちました。どこで出てくるか、必見です!
就職してるとか、してないとか、処女とか、じゃないとか、そういった白と黒で悩む人に、前に進む気力を与えてくれるような作品です!
ホリガイが表に出せなかった自分の思いを吐露したとき、イノギが聞いていないようにみえてサトウのごはんを置いて、ホリガイを受け止める。めちゃくちゃいいシーンでした。
全62件中、41~60件目を表示