「私にとってクリストフの方が「水の精」に感じた。」水を抱く女 Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
私にとってクリストフの方が「水の精」に感じた。
クリスティアン・ペッツォルトが監督・脚本を手がけた作品。「未来を乗り換えた男」(フランツ・ロゴフスキ・パウラ・ベーア)と「東ベルリンから来た女」が大変気に入った(レビューを書いた)から、「水を抱く女」もみたいと思い観賞した。それに、「希望の灯り」のフランツ・ロゴフスキの物静かで、何かを秘めている役柄が敵役で結構好きだ。「ヴィクトリア」(2015)のように全作品がこうではないが、ゆっくり静かに物語が運ばれるのが好きだ。
ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ(パウラ・ベーア)とクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)の愛の物語だが、何か変だな、執拗だなという印象が拭えなかった。別れ話を間接的な言い方で持ちだしたボーイフレンドの前で、殺すと言ったし。それに、そう簡単に彼女の力でプールの中にいる前のボーイフレンドを殺せるわけがないだろうとか、、、ファンタジーの混じっだスリラーとして見ていたが、観賞後題名を検索したら、「水の精・ウンディーネ」とわかり、納得がいった。
私は歴史家ウンディーネのベルリンの歴史の説明が気に入った。それを、クリストフが聴きたがっている。彼女がピンチヒッターでする歴史ツアーのスクリプトを暗記したのを復唱するのを熱心に聞いている姿が一番好きだ。愛している人の全てに興味があり、知ることにより、より理解し合えると思っているようだ。
私にとってクリストフの方が「水の精」に感じた。
ベルリンはスラブが起源で、この意味は沼地(marsh/dry place in the marsh)、そして、ベルリンの1・10が犬の頭に見える。そして、都市開発コンセプトベルリン(2030?)には、都市開発に関連して模型を見ながらウンディーネが状況を詳しく説明する。“Greater Berlin Act” of 1920がベルリンをヨーロッパで最大の工業都市にしたらしい。こういう説明の理解力が私には足りなく、中途半端に見終わってしまった。