「鳥には巣 蜘蛛には網 人には愛情」ファースト・カウ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
鳥には巣 蜘蛛には網 人には愛情
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冒頭、悠々と渡る船の全貌を映す時間はまあまあ長い。そしてスクリーンは4:3。なぜだかそれだけなのにすでに満足感があった。せわしなさとはほど遠い、悠然とした時間の流れを感じた。おかげで上映中、自分の意識は、西部開拓時代と現代と、時空を超えてつながり続けた。
はじめの現代のシーンで並んだ二つの死体が映されて、それはミスリードかと思ったが、むしろそのおかげで最後のシーンにつながった。ずっと、死体はこの二人なのだろうという確信をもったまま映画は進み、並んでいたわけも最後にわかる。とはいえ、直接的にそこを描かない。それがまたいいなあ。だって殺される姿は見たくないもの。あの青年に追いはぎみたいに襲われたんだろうが、それはつまり強欲な仲買商からは逃げ切ったともいえるわけで。おかげでなんだか、二人の友情は永遠って気がする。言いたいことはそれだけ。他の細かい感想や考察は他の方に任せます。僕は、二人がお互いを信じ、助け合い、そして一緒に死んでいった、それだけのことを反芻するだけで十分に満足感に浸っていられるから。
ああ、あと、クラフティってお菓子、作ってみたくなった。冷凍庫にブルーベリーが残っていたな。
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