逃げた女のレビュー・感想・評価
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結局、この映画は何を伝えたいの?
緊急事態宣言明け最初の映画館はびっくりするぐらい試写会の日本の芸能人や映画監督、有名人のレビュー、キネマ旬報のレビューも評価が意外といいのでどんなものか観にいった。韓国映画の魅力でもある考える材料を与えてくれるテーマの映画。キム・ミニが演じるガミが夫の出張中にガミの女性友達と会って話を聞いて何か思う事があったのかこの映画から感じたらいいのだが、どこか中途半端感があった。ラストシーンもお粗末。考える材料を与えてくれるテーマ、時間がちょうど観やすい80分以内で治まったのはプラスだが、ストーリーのテーマ、監督のホン・サンス好みだろうが、この映画がホン・サンス以外なら合格点をあげたいが、この映画がホン・サンス監督の時点でマイナスであり減点。彼がベルリン映画国際映画祭銀熊賞受賞の実績は認めるし、彼の映画は欧州の映画ファン好みかなと思ったが、映画のストーリー的に理解不能な点も多く減点。更に日本の評価が高く、レビューが有名人から映画ライター、韓流エンタメMCの評価が高いのも個人的に理解に苦しむ。話題になるほどの映画かと思い更にマイナス。不合格。韓国映画はいい映画もあれば、今回の映画のように結局何が言いたいのか理解に苦しむ内容が多すぎる。ドラマも含め。韓流エンタメもブームだが、ドラマも映画もただ話題だからで観るだけでなくいいのか悪いのか見極める事が必要。今回の逃げた女はその典型例。
共感の会話に潜む不穏なもの
女性同士の会話って、日常にあった出来事を共感し合う作業みたいなもの。「おいしいね」「ホント、おいしい」「だよね、おいしいよね」。本作でかわされる会話もそんな内容になっているが、そこに少し要素が入り込んでくる。主人公ガミの言う「愛する者はいつも一緒にいないと」という夫の言葉だ。
結婚して5年、1日たりとも離れたことのないガミが夫から離れて友人や先輩に会いに行くこの話。会いにいく3人は3様だが、ガミの言う夫の言葉は毎回登場する。何かをアピールしたり、確認したりするようにも思えるが最後までハッキリはしない。観る人が観たらわかるものかもしれないが。
3つのエピソードにはそれぞれ男性が登場するのだが、それもまた妙な存在。心がザラザラする感覚になる。
個人的にはまったくハマらなかったし、面白さもわからなかったが、好きな人がいるのは理解できた。
逃げた女?
監督賞受賞ですか…。
私には、題名の「逃げた女」と、ストーリーの関連性がわからなかった。
長回しの会話劇が続き、肉がうまいだの、りんごがうまいだの、日常的会話が続いていく。
カメラワークはズームのみ。二人の会話を横からのアングルで写し、途中で一人にズームして、また、会話が続いていく。
字幕を読むのが面倒になる。これは、母国語で耳から入れないときついなぁと思いつつも、会話は続いていく。
居眠りはしていない。意識はあるが、字幕を追っているうちに、意識がとんでくる。
夫が出張中に、初めて夫と離れて、女友達に会いに来たらしい。
室内では、女同士の打ち解けた会話が続き、外に出ると、男が女にイチャモンをつけるという構図だ。
ほとんどが室内の低予算映画ではあるので、内容はそれに応じたものでいいのだが、何が伝えたかったのだろうか。
ポスターだけは、雰囲気を漂わせている。
キム・ミニさんも、アイドル的だったけどなぁ…と思いつつ、映画館を後にした。
【示唆】
シンプルに構成されたフレームワークのなかで展開するストーリーは何を示唆するのだろうか。
3人のそれぞれ立場の異なる先輩。
それぞれに登場する男性によって伺い知れる会話では明らかにならなかった先輩の状況。
そして、自分のこと・比較・揺らぎ。
実は、示唆しているのは、ガミを通して見える、この作品を観る人自身の状況や、気持ちの揺らぎなのではないのか。
(以下ネタバレ)
バツイチ。
独身自立。
そして、配偶者あり。
皆、自分の人生をしっかり生きているように思えてしまう。
自分は…。
ずっと夫と一緒。
夫が望んだから。
これは自分が本当に欲したことなのか。
そして、
クレーマーのような男。
ストーカーのような男。
配偶者ありの配偶者。
バツイチ ← クレーマーのような男「普通、野良猫を餌付けしないでしょ」
独身自立 ← ストーカーのような男「一回エッチしたじゃないですか」
配偶者あり ← 配偶者は、相手を意に介さず
どこか羨ましく見えた先輩たちにも、人には見せない何かがあるのだ。
自分には、たとえくだらないことでも、平穏な日々の行手を阻むことさえない。
足元をおぼつかなくさせる波もない。
これは退屈を意味するのか。
或いは、夫の側に閉じ込められていると言うことなのか。
結局、比べてみたところで答えは出ないのだ。
他人(ひと)の日常の煩わしさや困難を見たところで、優越感もない。
女性というジェンダーな視点で考える人もいるだろう。
困難を避けて過ごして来た人には考えさせられることがあるのかもしれない。
初めにガミが見た波の映像と、最後に見た波の映像は、異なる意味を持ったのではないかと思う。
何か重要な示唆を隠した作品だと思う。
僕はすごく好き。
責任持ってちゃんと飼おうね
結婚して5年間夫と離れて暮らしたことのない女が、夫の出張中に先輩や友人の女性達を訪ねて歩く話。
変わったカメラワークやカット割りだなと想っていたら、各シーンワンカメラワンカット、演出上の意図は感じられないし低予算だからですね。
内容的には訪れる先々で、仕事と暮らしと時に男との話をダラダラっとダベるばかりの会話劇。
思い入れもなければどんな人かも知らない人のドラマ性も感じないダベりを聞いても何も面白くないんだが。
そして主人公は行く先々で自分達夫婦の関係性についての同じ話を繰り返す。
なんですかこれ?
大したことないけど、自己肯定の刷り込みですか?みんな何かしら色々面倒事を抱えてるんです。ですか?
だから何?としか思えなかった。
独特な手法やその思想を咀嚼できず・・・
乾いているような湿っているような
なにげない会話。ときどき顔をのぞかせる不穏さ。そして……! の構造なんだけど「そして」部分をほぼやらない映画だった。想像の余地が多くある大人の映画。もうちょっと何かあってもよかったけど、これはこれで嫌いじゃない。
野良猫へのエサやりのくだりは、去勢や予防接種を済ませて、周辺住民の同意の下で地域猫として見守ってください、と言いたい気持ちでむずむず。あの平行線の話し合い(話し合い?)めっちゃ怖い。
「おいしい?」「おいしい」「あ、おいしいね」「ね、おいしい」みたいなムダに反復するリアルな会話が生々しい。あと、質問という質問に誰もまっすぐ答えなくて不気味。
ズームとパンの仕方が独特なので、視点の持ち主の存在を感じる。映像には登場しないけどもう一人いる、みたいな心地にときどきなる。
りんごは私なら皮をむいてから切りたい。八つに切るの丁寧ね。私だったら四つ。どっちでもいいけど。
結婚して5年、一度も離れたことはないわ。今回が初めて。
久しぶりに会う中年女性たちのたわいのない雑談ではじまり、それが続いて何事もなかったかのように終わる映画。思い起こせば、セリフや家の中の各所にはメタファで溢れていた。もしや?という想像は謎めいた疑念に変わる。
だいたい、「逃げた」とは何からか?5年連れ添った夫から?知らずについているであろう嘘から?
原題「The Woman Who Ran」、Ran?それ、こっそりとじゃなくて逃亡に近い?
映画の中に流れる空気と熱量の静かさに比べて、不穏な背景を感じてしまう。そもそもガミは、結婚してるのか?
そう惑わされつつも、どうでもいいよそんな話、と思う。その時ふと自分は、そういう男なんだと気付く。例えば、家に帰った時に妻の友人が来訪してたとして、おそらく自分は「ゆっくりしていって」と笑顔でいい夫を演じるだろう。「お邪魔してます」とこちらも笑顔で返す妻の友人と妻は、すぐさま真顔に戻って、話の続きをするだろう。その話の内容は、たいてい何かから逃げたい中年女の身の上話だ。
何から逃げたんだろう?
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