劇場公開日 2020年6月13日

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なぜ君は総理大臣になれないのかのレビュー・感想・評価

全78件中、41~60件目を表示

5.0全ての有権者諸君!

2020年8月7日
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よく泣く男だよ、小川淳也。私も泣いちゃいましたよ、マスクがじっとりしちゃいました。

誰とでも笑顔で両手で握手をする、たすきをかけて選挙カーから連呼する、そんないかにも「政治家」の小川淳也。
でも違うね、中身が。

こんな議員がいるって事を全ての有権者に知って欲しい。
国会議員の全てがこんなに真面目に政治を考える人であって欲しい。
そして私達有権者がこういうちゃんとした議員を選びたい。
そうしたら本当に日本は世界に誇れる立派な国になれるはず。(トイレの綺麗さ以外に自慢できるところのない国じゃないぞ!ってね。)

沢山の人に見て欲しいと心から思った映画です。
まだ見てないあなたの隣の人にも勧めて下さいませ。
日本がいい国になる一歩ですよ!

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ちこどん

4.0ご両親が普通の人

2020年8月7日
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この人の所属遍歴だけ見たら、人気そうな話題の党をウロウロしてると思っちゃうだろうけど、本当はこんなに苦悩してるんですね。選挙行く前は候補者全員のこういう映像みたいと思いました。

ご両親の感覚がすごい普通でいいですね。娘たちは19,20歳の多感な時期にあんなタスキかけて自分の街でお父さんの応援するってのはなかなか異常で(悪意はないです)、政治家の家に育つってのはこういうことなのかと思いました。

大島監督お父さんの面影ありますね。

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三毛猫泣太郎

5.0まだ君を総理大臣にできる日本か。

2020年8月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

このようなタイトルの作品を観た後で、問いたくなるのは
「まだ君は総理大臣になりたいのか」なのだが、問われた
彼の答えはイエスだった。そうでなければ政治家を続ける
意味がないとハッキリ答えている。ではなぜなれないのか。

彼がおよそ政治家らしくないからだと思った。その、らしく
とは私たち国民がずっと見てきた金と権力に彩られた上昇
志向の強さで党利党益に貢献し、出世して知名度を広げる
貪欲さだ。失礼ながら彼には全くそれが無い。志は高くも、
地盤・看板・カバンなしで戦う彼の武器ってじゃあ何なの。

理想や信念を失わない彼が、家族を巻き込んで進む姿には
涙しか出ない。彼を支持し応援し、素晴らしいスピーチを
こなす教授といい、彼にはその人間性による支持者が多い。
大島新監督もその一人だ。選挙で彼を落とす有権者がいる
なんて信じられない、なんて擁護したくもなってはくるが。

冷静に息子を見つめる父親の意見、幼い子供を預けてまで
選挙活動に尽力した妻の意見、17年間にも及ぶその記録は
両親の老いと娘たちの成長もしっかりと描き出してくれた。
彼らこそ、今更だけどまだなりたいのかと聞きたいだろう。
家賃4万7千円の住宅で、油揚げを旨い旨いとほうばる彼に。

彼が“統計王子”の愛称で呼ばれた国会での質疑は、以前に
見た記憶がある。素晴らしいツッコミ演説に惚れ惚れする
一方で、苦悩を抱え勢いを失っていく姿には溜息が漏れた。
本来だったら、彼のような政治家が理想なのかもしれない。
だけど世の中、理想どおりに運ぶものなんてなんにもない。

大変失礼ながら、私はその顔相にも弱さを感じてしまった。
自民党の平井卓也氏と並んだその姿には、まるで悪代官に
仕える手付のように見えてしまったほど(ごめんなさい汗)
欲の無さがもう顔面に出てしまっていた。この人は相手を
蹴り倒したい!などと思ったことがあるんだろうかと苦笑。
つまり彼を見て、応援したくなったり、涙を流したりする
私たちが彼に希望を見いだして、本当はこういう人に未来
を託したいと思っている。だけどなかなかそうはいかない、
実現不可能だと分かってしまっている現在。何とかせねば
という監督の問いに賛同し、じゃあもっと考えてみようと
いうコロナ禍に相応しい作品なんじゃないかと思えるのだ。

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ハチコ

4.5彼は政治家には向いてないのかもしれない

2020年8月5日
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32歳という若さで出馬した時の溢れる使命感とエネルギーにまず涙が溢れた。冒頭からこんなに涙が出るものなのかと驚いた。小川淳也氏の家族、ご両親や奥様、成長された娘さんたちが一切疑わず全力で応援している姿にも涙。
後半の大学教授の応援演説で涙は止まらなくなった。
私は何でこんなに泣いているんだろう?と思うほど心が震えたのは自分の中で諦めによる思考停止だった日本への希望を見たからだと思う。
表面的に見て迷走しているから印象の良くなかった民主党の事がよくわかった。
日本という国を動かすのは党じゃなく人。だからどこどこ党はどう。じゃなくてその中にいる人がどんな人でどんな事をやりたいのかをちゃんと知りたい。
名前しかわからない状況で投票してから開票速報でその人となりを解説する番組はもうやめましょう。

私はこの小川淳也氏をこの映画で初めて知りました。
今後、選挙の前にはそれぞれの人をちゃんと知ってから投票したいです。

観て良かった。
日本はまだやれると感じられた。

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モ-ts

5.0理想主義

2020年8月2日
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1人の政治家を長期に渡って撮影した素晴らしい作品。本人の苦悩や家族の大変さ、友人など応援してくれる人々の様子がよくわかる。
稀有な政治家で、理想論過ぎる気もするが、本来はこういう人が政治家に、そして総理大臣になるべき。同じような志を持った政治家が誕生して欲しい。

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HAL

5.0【高潔、高邁な思想を持つ人物の”組織内”での出世は、現代日本では不可能なのか・・。 ポリティカルドキュメンタリーかと思いきや、ヒューマンドキュメンタリーの傑作だった作品。】

2020年8月1日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

幸せ

- 小川淳也という政治家の、人間性の尊崇さには、敬服するしかない。-

■エリート官僚になる道から、政治的地盤のない地元から、政治家になろうと、家族、両親の協力の基、時に足掻きながら、時に改変していく魑魅魍魎が跋扈する政治組織の中で、もがき苦しみながらも、自分の理想を捨てずに突き進む姿。
 ”日本にも、まだこのような高潔な政治家がいたのか!”と驚くと共に、この作品はポリティカルドキュメンタリーではあるが、組織で働く全ての人の心に響くヒューマンドキュメンタリー作品である事に気付くのである。

<印象的なシーンは数々あれど>

・彼の周りには、常に下心のない人が集う。
 人徳であろう。
驚くのは、奥様、年頃の二人の娘さん、ご両親が”彼はその高潔さ故に政治家には向いていないのではないか”と危惧しつつも懸命に選挙運動をする姿である。
 選挙中、心ない言葉を掛けられても、頭を下げる姿。
 小川さんは、国会議員として香川の自宅に殆どいないが、あの幼き娘さん二人が素晴らしき女性に育ったのは、奧さんと、家にはいなくても”父親が、正しく頑張る姿”を見て成長されたからであろう、と推察する。
 更に失礼ながら言えば、彼の香川の自宅の質素な事に驚く。
強固な地盤がないがゆえに、選挙費用で、大枚を使い果たすのであろう。
 (どこぞの、ロクに国会議員としての仕事もせずに、党から支給された多額の選挙資金を違法にバラまいて当選した愚かしき夫婦は、正座してこのドキュメンタリー映画を観るべきであろう。(多額の選挙資金を慣例的に、ばら撒く政党も然り。))

・私は、所属政党をコロコロ変える人物を信頼していなかったが、このドキュメンタリー映画を拝見して、そのように一律に見ることをもう少し慎重に考えなければと思った。
ー 彼の人物が、政治の表舞台に中々立てなかった理由は、私のような選挙権を持つ人間の見識の浅さにもよるという事を、痛感する。
 何ら実績のない人達が、現首相に媚びへつらい、当選をし、そして過去何名が職を辞したことか・・。
 ”首相の任命責任”という野党からの言葉を近年、嫌というほど耳にするが、宰相が”余裕綽綽で”表面的なお詫びの言葉を口にしているのは、
 ”けれども、彼らを当選させたのは、貴方たち国民でしょう・・・。”
 と思っているからなのは、間違いない。
 政権は国民の民意を軽んじているし、いくらでも操作できると思っている。そして、民も政治をしっかり見なくなっている人が増えてきている。(投票率の著しい低下・・。)
 政治的な負のサイクルが大きく回っているのが、現代日本の社会である。
 政治に無関心な層が増えて”得をする”のは今作でも描かれているように、大政党である。

・小川さんが辛辣に言った官僚と大臣の関係性
 知ってはいたが、”大臣は名誉顧問みたいなもの、社長は各省庁のトップ”という言葉。
ー そりゃ、コロコロ大臣が変わっても国政に支障はないな。
 重要なポストは首相、官房長官、財務大臣位か‥。厚生労働大臣は微妙だなあ。
 昔、オリンピック担当大臣で桜散った人がいたなあ・・。前法務大臣も然り。
 大臣の資質、能力がないのに、当選履歴をもとに”年功序列”のように大臣になる与党の仕組み。-

・変容する組織、政党の行く末を読んで、上手く世渡りする政治家もいれば、彼のように愚直なまでに信念を変えない、大組織にすり寄らない、媚びない姿勢を貫くが故に、衆議院に5期当選しても、党の主要ポストにつけない政治家がいる現代日本の政治の事実に暗澹たる気持ちになる。
(実は、会社組織もその傾向がある・・。大組織で働いているから、私は知っている。)

<小川さん。現代日本の政治状況の中で、貴方の明晰な頭脳、政治家としてのブレない姿勢は貴重です。
 50歳で引退という”若き日の決意”は留保して、今後の日本のために、もう少し頑張って頂きたいです、と心から思わされたドキュメンタリー映画。
 この稀有な政治家の高潔さに気づき、長きに亘り取材を重ね、この作品を世に送り出した大島監督始め、制作スタッフの方々のご努力にも、敬意を表します。>

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NOBU

4.0小泉進次郎が思い浮かんだ

2020年8月1日
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泣ける

知的

衆議院議員選挙の香川1区で5回も当選してるのに小選挙区で勝ったのは1度きり。つまり、選挙の時には自分の地元に張り付かないと落選してしまう、また惜敗率による比例復活も無い。従って、他候補の応援になんか行く余裕もない。党内の発言力も高くない。
地盤、カンバン、カバンと言うが、両親から何も引き継がず32歳で衆議院議員選挙に出馬した事は凄いと思う。それも東大法学部出身で総務省のキャリアだったのに。
なかなかのイケメンだし、もし小泉進次郎みたいに世襲議員だったら選挙は楽勝だったんだろうな、って思った。同じ選挙区で自民党の平井議員は祖父、父と衆議院議員で、地盤、カンバン、カバンを相続してくのだから、勝つのは大変だ。
そんな立候補者を17年も追い続け映画にしたのはよほど小川淳也議員に魅力があったのだろう。
よく勉強してるようだし、本も出版してる、日本を良くしたいと言う思いが伝わってきた。
こんな議員が増えたらもっと良い政治になるのかな、って思った。
香川1区の有権者には是非この作品を観てもらい、次回の選挙の参考にしてもらいたい。
もちろん対立候補の平井議員の活動についても同様に評価いただき判断いただきたい。
河井案里の地元なのが恥ずかしい広島の有権者より。

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りあの

5.0諦めちゃいけない!

2020年7月31日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

2020年映画館鑑賞43作品目

三島由紀夫の映画でドキュメンタリーも悪くないなと感じこれがドキュメンタリー映画2度目の映画館鑑賞

僕はこの作品で小川淳也という政治家を知った
彼は熱い
彼は真面目だ
彼は誠実だ
汚らしいパヨク知識人やネットに蔓延る政治厨なんかより立派だ
尊敬する
彼のような人こそ総理大臣になってほしい
石破茂より山本太郎なんかより魅力的だ

『新聞記者』に星5をつけた連中こそ必ず観てほしい
政治を扱うならこういう映画を作れ!こういう映画を観ろ!
『新聞記者』のようなニヒルなものを作って喜んでいる場合ではない
ある種の人もそうじゃない人も感動するはずだ

特にブレーンを務める慶應大学の教授が応援演説したときは涙が溢れた

奥さん&2人の娘との絆もいいね

小川淳也先生の優れた点は沢山あるがその一つに安倍総理に近いジャーナリスト田崎史郎氏とも交流があることを高く評価したい
考え方が違う人と深い付き合いがなければ人間は成長しない
リテラのようなアホな極左媒体なら右寄りの知識人と会食しただけで裏切り者と叩くだろう
指原莉乃も叩かれたからな

小川先生の分析では右翼の安倍総理が極右を抑えているそうだがなるほどと思った
極左政権が万が一誕生したら今と比べ物にならないほど極右が台頭するだろう

この国はパヨクだけの国じゃないしネトウヨだけの国じゃない
彼のような中道こそ日本の政治のトップとしてこの国を牽引してほしい
僕は小川淳也先生を支持する
香川県民じゃないのが残念だ
地元のマスコミを味方につけている自民党に騙されてはいけない
香川1区選挙区民目覚めよ

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野川新栄

4.5これを受けて次で香川1区がどうなるか

2020年7月25日
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鑑賞方法:映画館

常に誠実に生の言葉を語ろうとする人のドキュメンタリーが面白くない訳がない。普通に観れば、支持政党に関係なく小川さんを応援したくなってしまう。ちゃんと(?)香川の劇場でも公開されているようなので、この映画が実際の政治に影響を与え得るかという点に興味が湧いた。このメッセージを受け取った我々が当事者意識を持たなければ全ては無意味。

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もへじ

5.0スシローこと田崎史郎の魑魅魍魎ぶりがすごい

2020年7月25日
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センセーショナルな香りがするタイトルですが、衆議院の小川淳也議員を2003年の初出馬から現在までを追いかけたベタにも程がある労作ドキュメンタリー。

総務省を辞めて32歳で地元香川から民主党候補として出馬するも惨敗。2年後に比例で初当選、2009年の政権交代で政治を変えることができると期待を露わにするが、比例当選の身では党内での発言力もない。政策オタクと自称するほど政策立案に勤しむが党内でも出世出来ないまま自民党に政権奪還されてしまう。2017年の総選挙では政党分裂を経て小池百合子に対する不信感と同郷の玉木雄一郎に対する仁義に翻弄され希望の党から出るか無所属で出るかでギリギリまで決断出来ない・・・何一つ思い通りにならない政治の世界で七転八倒するホンモノの“政治バカ“と、彼を支える家族と仲間の奮闘、その背後に見え隠れするのは現代日本の民主主義を制する圧倒的なパワーゲーム。本作のクライマックスは同じ香川一区のライバル、自民党の平井卓也議員との対決。三世議員で地元メディアの四国新聞社CEOは実弟と圧倒的に有利な平井陣営に対して、街宣カー、自転車、徒歩とひたすらベタな触れ合いとマニフェストの郵送と電話アタックといったプリミティブな選挙活動で対抗する小川陣営。政党のお家騒動に翻弄された被害者なのに有権者からは厳しい言葉を浴びせられる。自宅の家賃は47000円。どうかしているレベルで愚直な小川議員と彼を支える人々の健気な選挙活動に胸が熱くなります。特に衝撃的だったのは出陣式に招かれた慶應大学の井出教授の演説。出席者だけでなくこちらの涙腺までもタコ殴りにしてくる言葉がとにかく圧巻です。もう一つの見どころはスシローこと田崎史郎の登場。一体何千万円の寿司を食わせてもらったのかと唖然とする安倍政権ヨイショも強烈ですが、さりげなく予言も織り交ぜながら政界を暗躍する魑魅魍魎ぶりが天晴れです。

こんな地味なドキュメンタリーがハンパな田舎のスクリーンで上映される、これは昨年の『新聞記者』のスマッシュヒットと同じ爽快感を伴う快挙。130分の長尺を感じない熱気が清々しい良品です。

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よね

4.0日本の政治の限界を感じた

2020年7月24日
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鑑賞方法:映画館

日本だけでは無いと思うが、真正面から国民のためと言う信念で代議士になるのは無理だと感じた。国民のためにとは言いながら自分の党利党略に忖度して自分をいつまで生き残らせるか画像第一義で無いと生き残れない世界。また選挙運動が旧態然で相変わらず名前を連呼するのも変えていく必要があると思った。
小川淳也氏は、柚月裕子の「佐方貞人」シリーズの佐方と重なることに気がついた。リアルな世界では生きるのが難しいのだと思う。

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あっちゃんのパパと

3.0政治家とは

2020年7月24日
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鑑賞方法:映画館

正直者が馬鹿を見る世の中であってはならない。

とは思うけれど、小川氏は人を引っ張っていける器の人ではないだろう。政治家には向いていない、と母親は言うが、おそらくサラリーマンでも出世出来ないと思うくらい人が良すぎる。

個人的に政治家に清廉潔白さは求めていない。多少私腹を肥やしたって国民のために粉骨砕身働いてくれるのであれば、私個人は多少目を瞑ったっていいと思っている。別に政治家まして総理に年収300万で働いてもらおうなんて思っていない。

ただただ誠心誠意ひたむきに頑張ってますアピールされたって具体的に政策を語っている姿が(この映画の中では)見えなかったので、好感度があろうと総理の器ではないと感じた。

小川氏を総理にしたいか、と問われたら私はNOと答える。

どんな職業でも向いていようがいまいが、努力する姿勢は素晴らしいと思う。けれど皆んな何らかの形で努力はしている。地べた這いずり回って苦渋を舐めて、そんなことみんな経験している。

清貧語って高邁な思想掲げたって結果が全て。これは政治の世界だけではない。

世渡り下手で処世術に長けていない人ががむしゃらに頑張っている姿は確かに涙を誘う。だけど政治家ってそれでいいの?それって政治家に必要な資質?最後、選挙に敗れて皆んなに慰められている姿は、甲子園を目指して頑張っていたけど夢叶わなかった高校球児を慰めているように見えた。

小川氏は確かに誠実な人だろう。こういう人が総理になって、彼を支える人たちもまた謙虚で献身的な人たちで国民もまた好意的な人たちであれば幸福に満ち溢れた世の中になるかもしれない。

だけどそんな世界は夢物語だと思う。

金と権力に塗れ、他人を蹴落としてでも這い上がりたい、という欲望渦巻く世界で、誠実さだけで生き残れる世界がどこにあると言うのか。

前評判も良く感動した、という声が多かったので期待した分がっかりした。こういう人は結局敗れ去るのか、と暗澹たる気持ちになった。

ただ、小川氏のような人を総理にしたいと思う人が多く夢や希望を託して選挙に行く人が増えるのだとしたら、これからの日本に一抹の希望は見出せるのかもしれない。

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Ichi

3.5井戸塀政治家・ですら、ない。

2020年7月20日
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小川代議士は、保守王国の四国・高松で、地盤も看板もカバンもなしに強力な自民党現職に挑み続けてきた代議士です。

50歳までには総理大臣になる、と宣言して32歳の時に初当選。
ただ、もうすぐ50歳に手が届く今でも、野党でくすぶっています。

小川氏は、というか、多くの人間に共通する点でもあるのですが、ウソをつく時や、どう誤魔化そうかと考えている時、左側に視線が泳ぐという共通の特徴があります。
画面で言えば右側に視線を泳がせながら小川氏が何かを話している、そんなシーンがけっこうあるので、この点を注意深く観察すれば、人間ウォッチングとして楽しめます。

一般的な政治家では、このような眼の動きを見せる人は少ないので、そういう意味でも小川氏はプロではなく、素人っぽさが抜けないままの政治家なのでしょう。
だから君は総理大臣にはなれないのだよ。
私はそう思いましたが、監督や小川氏自身はこの点に気がついていないのかも知れません。

「井戸塀政治家」というのは政治を志す者の一つの理想の姿だと思いますが、この言葉の意味を小川代議士には噛みしめて欲しいと思ったのでした。
つまり、たくさんの個人資産を自分の理想の政治のために注ぎ込んで、最後、家屋敷もなくなり、井戸と塀だけが残ったという状態を、尊敬の念を込めながら揶揄するのが「井戸塀政治家」という言葉の意味。
最初から無資産の小川代議士は、失うべき井戸も塀すらも持ち合わせていないじゃないか、ということなんですが。

もちろん、政治で蓄財するなんてのはもってのほかなので、清貧を貫く点だけは小川氏を高く評価できる点です。
ただし、のちに「党首の生活が第一」みたいな名称の政党を作った蓄財王「お縄先生」とのニアミスが存在するはずなので、そういう点についても知りたかったところですね。

ドキュメント映画ではあるものの、監督が取捨してしまった側にこそ、いったいどんなエピソードが隠れているのだろうと気になりました。

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お水汲み当番

5.0政治に関心のない人も必見

2020年7月19日
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こんな地味なテーマなのに結構ヒットしてるのが不思議で見に行ったが、確かに面白かった。
素直に引き込まれるドキュメンタリー映画だと思う。
1人の無名に近い人間を20年近く追い続けているだけでも価値がある。
そして、同時に日本の政治のおかしさについても考えるさせられるだろう。
どんな感想を抱くのかは人それぞれだが、見て損すら映画ではないのは確かだから、是非劇場に足を運ぶことをお勧めする。

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T A

4.5見ることで政治に対する向き合い方が変わると思う

2020年7月18日
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今年見た中では1番良い作品です。
民主党の1議員が政党に振り回され、自身の理想に近づけない現実と向き合っています。
こういうバックグラウンドを報道機関は紹介して欲しいが、多分無理なのだろう。理由は本作にも描かれてます。

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とうちゃん

4.0まだ私の中には14年前と同じまっさらな初心が息づいております。

2020年7月17日
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五回も当選していながら、つまりそれだけの時間、永田町の魑魅魍魎を目の当たりにしていながら、こんな真っすぐで純粋な国会議員がいるのか。それは、初当選当時と今と、加齢分しか顔つきが変わっていないことで察しがつく。呆れた笑顔でいながらもしっかりサポートする家族の表情でもわかる。
小泉総理のときの民主党、民進党、希望の党、そして無所属。その経歴だけを追えば、まったくもって信用ならない道筋でしかない。それだけ僕には日本の野党という存在に不快感があるというということ。だからといって自民党が最善ではない。野党が不甲斐ないのだ。政策で対峙せず、あらを捜し、足を引っ張るだけ。真っ当な正論も、薄ら笑いで簡単にあしらわれるって相手にされてないってことでしょう?それを不甲斐ないと言わずしてなんと言おうか。
その、野党のいち議員を追ったドキュメンタリ。「中道を目指して」という政治姿勢には、片方に寄り過ぎる危険臭もないし、他者の意見を受け付けない融通の無さもない。「試練やなあ。」と半ベソでつぶやきながらも、どこか自分の逆境を楽しんでいる素振りさえある。嬉しそうに、というよりは、運命を受け入れているという風体で。だからこそ、彼は、常に自分に足りないものを意識し、人の話を聞きながらしっかりと腹に落とし込み、素直に涙を流すことができる男のようだ。それゆえにこちらも爽やかな涙を流せる。
国会議員でありながら、4万7千円のアパートにいまだ住み、好物の安い油揚げを美味しそうに食べる。彼のような政治家が増えればいい、とまでは言わない。だけど、国政にはこんな政治家もいる多様性は必要だと思う。
こんな男が総理になれるかって?なれるわけがないだろう。ひとえに純粋すぎる。
だけど、かつて芥川龍之介は言った。「ゲーテになることをきまり悪がっていては、ゲーテの御者にさえなれない」と。

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栗太郎

3.0引っ掛かりを感じる

2020年7月15日
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これが現実なのかもしれない。
しかし、語られる言葉の端々に引っ掛かりを感じ、まさにタイトル通りに原因はそこなんだろうと思う。しかしそれが作品となった時に、面白さは感じなかった。
向いてるとか向いていないと語られる悩ましい部分とか、過酷な舞台裏とか。まるでPR映像の様な苦労話に若干うんざりしてしまった。

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パプリカ

4.5“向いていない”ことこそ向いている

2020年7月14日
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悲しい

知的

難しい

大島監督がフォーカスする人間に惹かれ、彼が長期密着してきた人物に興味関心があり鑑賞。強い地位と発言権の会得に邁進するだけで何十年も苦闘させるこの国の政界。確かに、政治家は強かな人間こそ務まるのでしょう。しかし、“腐敗した病巣=霞ヶ関”での出世社会において特異な存在は、長きに渡り家族と地元後援者の支えを受けながら、盤石な保守地盤で小選挙区当選に挑み続ける。宛ら選挙大河ドラマな本作で描き出される、自らに十字架を課す“年齢”への縛りや、対“世間の空気”への重圧から醸し出される悲壮感。51対49の論理で、51の側が49の思いを背負う覚悟を…印象的な言葉に象徴される純粋な思想や覚悟・行動に、今からでも声援を送りたくなる。ボンボンやエリートさんの生活を連想していた後に映し出される、凡そ代議士らしからぬ質素な生活こそ、この家族の純な願いを想起させるのだ。無所属で居るべき矛盾…自問自答を繰り返す車内の外から風に乗って聞こえてきた「クラリネットをこわしちゃった」のメロディが…“どうしよう”のフレーズがまた、なんとも皮肉で象徴的なシーンでもあるのだ。

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室木雄太

4.5政治家にとって致命的なものと引き換えに

2020年7月12日
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ひとりの政治家を17年間にわたり撮り続けたドキュメンタリー!かなりよかった!!
真面目や誠実さって、ときに辛抱と我慢の連続であって。。
そうしてまでも、つかみ取りたいもの、守りたいもの、がリアルに浮かぶ。
ドキュメンタリーっていいなとつくづく思う!

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菜野 灯

4.5リアル政治家の哀れ

2020年7月12日
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最初は威勢のいいことをいいながら、最後は一度後ろ足で砂かけたはずの立憲民主党の尻尾に成り下がり、政権の揚げ足取りに腐心する、哀れな政治家のドキュメンタリー。君はお国に必要ないのだから、お母様のもとに帰れよ、と声かけたくなる映画。

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へけもそ