シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!のレビュー・感想・評価
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恋文代筆の物語類型が持つ普遍の魅力を重層的に構成した技あり作劇
岩井俊二監督の「ラストレター」やNetflix映画「ハーフ・オブ・イット」など、ラブレターの代筆や正体をなりすました文通を軸にした恋愛物は、バリエーションを増やしつつ今も作られ続けているが、その源流が19世紀末のパリで誕生した戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」だ。演劇ファンでなくとも、舞台を現代の北米に置き換えた映画「愛しのロクサーヌ」で大筋を知った人も多いはず。
さて本作は、“傑作劇の誕生秘話”という体で、劇作家エドモンが友人の恋文を代筆することに着想を得て、件の戯曲を書き上げ上演にこぎ着けるまでを快調に描く。劇中劇でのシラノとロクサーヌの文通、映画の中でのエドモンと衣装係の文通、2本の恋文代筆のストーリーラインを重層的に構成し、「シラノ」が持つ魅力を新たな切り口で伝えている。
俳優出身のアレクシス・ミシャリクは、16年に作・演出して高評価された舞台劇を、自ら映画化して長編監督デビューを果たした。俯瞰するなら、シラノ、エドモン、アレクシスの3重構造の活躍譚と捉えることもできよう。
面白かった……が
ファンタジーとして見るなら十分か
そこに、何か事実を求めるなら、ご都合主義的に話が進みすぎて軽薄な感じ。
日本の映画にありそうな展開がそのように感じさせる理由かも。
いずれにしても、シラノドベルジュラックを見た、読んだ数で評価は分かれるだろうな。
楽しさが押し寄せてくる
面白くて良質な作品に出会ったときはその魅力を伝えられるいいレビューを書きたいと思うが、この作品の面白さを表すのは難しい。
主人公エドモンが作中で体験する出来事を元に「シラノ・ド・ベルジュラック」を完成させていくというストーリーはもちろん面白いと断言できるが、それよりもっと感覚的な、楽しさの風が吹き抜け貫かれるような高揚感がある。
無理矢理その理由を探ると全体のスピードが早いことだと思う。
まずストーリー展開が早い。そしてまくし立てるようなセリフ。最後にぐるぐると目まぐるしく動くカメラ。
これらが絶叫マシンかのように襲いかかってくるアトラクション的楽しさ。
作家が戯曲を完成させるという物語に感じるのは不自然なハラハラやドキドキがある。笑いがある。ロマンスがある。
映画は演出次第でいくらでも面白くなるとは思っているが、こんなに実感できる作品はなかなかない。
ボレロ
本当にここまでドタバタだったのかは分からないが、皆んなのどんどん盛り上がっていく様は高揚感があり楽しい。マリアが二度も舞台から落ちる所はさすがにないだろうと思われるが。
多くの人が途中から鑑賞をはじめるが、お話分かるの?
タイトルなし
19世紀の華やかなパリ
崖っぷちの脚本家と起死回生を狙う俳優たちが
集い作り上げる夢の舞台
1897年12月28日初演
500日間続けパリ中を興奮させたという
#エドモンロスタン の
戯曲「#シラノドベルジュラック」は
今も上演され続け
世界中で最も愛されてる舞台劇
その初演までの舞台裏
誕生秘話が描かれているのが
この映画
「願望が大事なんだ」
「執筆や作曲をする男を駆り立てるのは…願望」
「願望が満たされれば筆は止まる」
着想を得るため
芝居を仕上げるために
刺激を求め手紙のやりとりをする
書き上がった作品は
「永遠に」「心の内に」「想いを秘めたまま」
大人の純愛物語!!!!!!
舞台を観て
舞台裏を観て
そして美しい言葉に満たされました
アンティークな素敵な映画
面白かった。衣装や風景が時代設定に合っていて、それだけでも面白かった。
ドタバタな場面も多く喜劇っぽかったが恋の行方や夫婦関係や気になりながらも最後はハッピーエンドで終わる。
出てくる人物がそれぞれ悩みを抱えていたのが一気に解決する。
レストランの黒人のマスターの力添えも大きかった。
それにしても原題と邦題が違いすぎる。今回は邦題の勝ちか。
めっちゃ面白かった、観てよかった! ストーリーが進むにつれて実際の...
めっちゃ面白かった、観てよかった!
ストーリーが進むにつれて実際のシラノの舞台を見たい気持ちがむくむくと大きくなっていきました。
シラノは手塚治虫の漫画でうっすら存在は知ってたぐらいやけどいつか舞台で見てみたい!
なかなかにドタバタ映画です
フランス映画は退屈!と思ってる方に
ぜひご覧頂きたい本作。
もう最初からドタバタ悲喜劇のオンパレード!
こんな喧しいフランス映画は久しぶり
新作が全く評されない劇作家
借金に追われて出られる劇場がほとんどないベテラン役者
気位が高くて文句ばかり言ってる年増女優
主演俳優の息子だけどまともにセリフも言えない
文字通りでかいだけの大根役者
皮肉しか言わないベテラン役者達
どうなってしまうんだろう?
当時を再現した豪華な劇場のセットの中
ドタバタ喜劇の始まり始まり!!
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
「シラノ・ド・ベルジュラック」と言う戯曲自体は
手塚治虫の漫画のネタになったり
映画にもなってるのでざっくりと話は知ってましたが
本当は結構切ない話なんだと言うことを
この映画で初めて知りました。
昨今問題になってるいわゆる元祖ルッキズム物語ですね。
どんな差別もそれが罪深いのは、
単に差別的な扱いを受けるだけでなく
差別を受ける側は何も悪くないのに
自分を卑下する気持ちが大きくなってしまうこと。
まあ、この映画はそこを追求する映画では無く
「シラノ・ド・ベルジュラック」と言う戯曲が
どれ程愛されているかと言うお話。
エンドロールでは主人公のエドモン・ロスタンの実物の写真や
初演の主演俳優の写真やロクサーヌを演じた女優の写真。
その後も歴代シラノを演じた役者さんの写真が続き
近年になると映像の一部も流れています。
ところどころに出てくるカフェの黒人店主が
含蓄のあるとてもいい味出してます。
眠くならないフランス映画
2021年映画館鑑賞4作品目
1月4日チネ・ラヴィータ
フランス映画は一般的に眠くなるという意見が多い
お暇中の凪ちゃんも同様
そんなことを書き込むと日本映画のほうがむしろつまらなくて眠くなるとイキってくるうざい人が必ずといっていいほど登場する
議論するだけ無駄なので無視する方針
本当につまらない映画は腹が立つので眠くならない
眠いのはフランス語が心地良いせいか単なる睡眠不足だ
この映画は面白く巧みで感心させられ眠くなることはない
シラノという舞台作品があるのはだいぶ前から知っている
手塚治虫先生のブラックジャックでシラノが取り上げられた話があるからだ
だいたいどんな話か知っているつもりで臨んだが去年劇場公開されたシラノを観ておけば良かったと後悔している
『新解釈・三國志』は三國志の詳細を知らなくても十分に楽しめ笑えるがこの作品を十二分に楽しむには高い教養が必要になってくる
シラノを観ることはもちろんのことフランスの文化を熟知しフランス語が堪能でフランス人と交流したりフランス語で寝言を言うだけのスキルがあった方が良い
周囲に座っていた高尚な人たちはずっとクスクス笑っていたので知識人にとっては最高クラスのコメディー映画なんだろうなと強く感じた
話の運びが緻密だし上手くまとめてる
DVDなどで何度も観たい作品
実際この作品が誕生する過程は本当にこんなにも突貫工事でしっちゃかめっちゃかだったのだろうか
嘘のようだが本当の話らしい
多少は盛っているかもしれないが根も葉もないデマではあるまい
親子の俳優が登場する
二人とも重要な役
父親の方が微妙にデッサンがズレていて喜劇向きの顔だ
息子の方が口が半開きでまるで『フルメタルジャケット』に出てきたデブにそっくりだ
ベテラン女優が奈落の底に2度落ちるシーンが面白い
娼婦が出てくるので丸出しのオッパイがちょっとだけ登場する
本格的なフレンチカンカンも堪能できる
スケベなおじさんには嬉しいサービス
エドモンには妻子がいるのに「それが」「それが」と迫るヒロイン
教条主義のヤフコメ民とかガルちゃん民なら発狂しそうなシーン
最終幕は何故かほんのひととき野外になってしまう
最終回だけ舞台になった連ドラが以前あったがその逆である
最後はたたみかけるようなキスシーンの嵐
まるで『ニューシネマパラダイス』みたいだ
能年玲奈はキスに対する考え方が重すぎるがフランス人は軽すぎる
エドモンはダリのような変な髭だが当時は最高にオシャレだったのだろう
裁判の判決で作品を発表出来なくなるピンチもそれを無視して強引に始めてしまう反権力の鑑
それにひきかえ日本の左翼ときたら国民の自由を奪えと権力者に懇願する始末
エドモンとその仲間たちの勇気に大感動した
原題は『Edmond』
欧米の映画のタイトルはなぜこんなにも味気がなくつまらないものばかりなんだろうか
これに関してだけはパヨクがなんと抗議しようが日本すげ〜発言を撤回する気は微塵もない
この映画の邦題は素敵だが強いてあげるなら『会いたい』ではなくて『逢いたい』にした方が良かった気がする
傑作!面白かったし、気持ちよかった。簡単な予習は必須。
まず、ここのレビュワーさん達に感謝。「元ネタになっている演劇(戯曲) 『シラノ・ド・ベルジュラック』 を知ってから観ればよかった」 という声が多かった。おかげで、事前にWikipediaで『シラノ・ド・ベルジュラック』のあらすじだけ、頭に入れてから観ることができた。
そしたら、めっちゃ面白いじゃん、これ!! これから観る人で、戯曲 『シラノ・ド・ベルジュラック』 を知らない人がいたら、絶対に、事前調査をお勧めします。Wikipediaでみておくだけで、ほんとに、めちゃくちゃ面白くなります。(この演劇、きっとフランス・ベルギーでは、知らない人がないくらいに有名なんでしょうね。本作はそれを知っている前提で進み、解説等はいっさいありません)
1890~1914の25年、産業革命が各国に定着した頃から第一次大戦が始まるまでの25年を、華やかなベルエポックと呼ぶ(仏語で、よき時代の意味)。その時代に、若き詩人が、詩を中心にした悲劇としての名作戯曲を書き上げる話。
主人公の髭をひとめみた瞬間からエンディングまでずっと、「なんだ、その似合わない髭は?」 と気になっていた。いい映画だが唯一の汚点かと。しかし、観終わってわかった気がした。本作は、とびっきりの喜劇だった! 「歴史に残る悲劇作品ができあがる過程を、喜劇として見せる」 作品だった。その中では、"似合わない髭" は、ちゃんとひとつの喜劇要素を構成しているんだと思った。
加えて、本作は、成功した脚本家の話なんだが、その影で、本作を演じる俳優たちのセリフの素敵なこと。たとえば、
女優 「彼(脚本家)の名前は残るけれど、私たち(俳優)は忘れられてしまうわね」
男優 「役者に明日などないわ! ただ演じ、そして忘れ去られるのみ」
なんとかっこいいやりとりなのでしょう。その瞬間瞬間を生きていく、"俳優" という仕事の矜持がほとばしっている。感動!
是非、みんなにも観てほしいな。ちゃんとした喜劇。
おまけ
名優の息子だが、俳優の才能はなくパン屋が大好きな青年が、ある事をなした後は、生まれ変わったように立派になり、『シラノ・ド・ベルジュラック』 初上演の冒頭で、見事なセリフを披露するシーン、大好きです!
鉄板の劇中劇もの
『シラノ・ド・ベルジュラック』については、"鼻の大きな男の片恋"程度の知識だったが、問題なく楽しめた。
劇中劇もの、架空の世界を完成させていく、というプロットが大好きなので、もうそれだけで、私の評価は加算ぎみになる。
『恋に落ちたシェイクスピア』『世にも憂鬱なハムレットたち』など特にお気に入りなのだが、アイデアを『恋に落ちた…』に得たとの事で、間違いなく好みのパターンなのである。
こういった作品上では、ベタなギャグ、ドタバタ事件、最後の大団円と、お約束の展開も、古典喜劇の様式美として、むしろこうでなくっちゃ!の快感となる。
若干、ドタバタ部分がとっちらかりすぎてテンポが悪い気もしたが…。
色恋と芸術と見栄が至上、ちょいワルやメタボの親父が何故か格好良く見えてくるフランスコメディのノリも健在だ。
馴染みない言語ながら、詩的な芝居台詞の響きも耳に心地いい。
時代もの好きとしては、衣装や髪型、髭やステッキ、劇場や酒場など、ベルエポックの風俗にも目を奪われる。
名作戯曲の魅力、歴史事実に絡めた空想の面白さ、舞台演劇の労苦と喜び。フィクションの楽しさを盛り沢山に表現した作品は、このご時世にあって殊更心踊らされる。
「役者が芝居を止めるのは死ぬ時だ」映画や芝居にとって苦境の時代、どうか乗り越えて再び享受できる日が来る事を願う。
原題のイメージで観たかった
オープニングでタイトルが映し出された瞬間に思った。原題の方がしっくりくるのでは?
そして観ながら再確認、シラノ・ド・ベルジュラック誕生の物語であるのは確かだけど、タイトルは原題のエドモンドが良いな。
なにしろシラノの原作者エドモンドがバタバタと振り回されるのがちょっと面白い訳だから。
現実と舞台が重なる虚実の二重化
面白いと誘われ、虚実の絡まりをたっぷり楽しんだ。世紀末パリ、売れない劇作家ロスタンが大物俳優コクランから三幕もの喜劇の台本を依頼され、戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」が誕生する。まるでゲーム機の中に放り込まれた、シッチャカメッチャカの映画体験。サラ・ベルナールからチェーホフ、フレンチカンカンにラヴェルのボレロ。現実と舞台が重なる虚実の二重化。CG画像によるベルエポック・パリ、中世聖堂の実画像ではラストのクライマックス。なるほど、虚実の二重化、スマホ・ゲームの中から名作が生まれる日も近い。
楽しい!演劇万歳!
シラノのお話は有名ですよね。
その初演上映までのお話。
脚本が物語が見事です。
戯曲完成までのプロセスは、きっと事実とは異なるとは思いますが、
素晴らしく良く出来てます。エンターテイメント作品としてとっても
よくできていると思います。
戯曲の物語が現実の世界とロマンティックにユーモラスに織り混ざって作品が
作られていく過程は見ていて楽しいの一言です。
僕自身は(現実の)バルコニーのシーンが大好きです。
(詩・・・セリフも素敵なんだよなぁ)
で、全体的に映画の演出を演劇的な見せ方をしてるんじゃないかなー?
演出が舞台っぽいなーって勝手に思いました。
演じていらっしゃる方々もなかなかの粒揃いでキャラが立っていて、その
舞台劇的な演じ方が功を奏している気がします。
テンポもよくって本当に心地よいのです。
主要キャスト、ちょい役も実在人物ってのがくすぐります。娼館で主人公と、
ある方との出会い、粋でいーね!ありそう!ニヤニヤしちゃいました。
また、気せずしてクライマックスに非常に僕好みのノリが発生します。
「オノレ亭の店主」
みなさん要チェックです!ちょー上がります!格好良いです。
あと、劇中劇の最終幕。THE 映画な演出でサイコーです。
エンタメ万歳!
多分架空の人物なのでしょうが、ロクサーヌのモデルとなった女性。
その方のラストは何かを匂わセてるなぁって勝手に思ってます。
なんだろうなぁと思ってウィキペディア読んだら、エドモン・ロスタンは
晩年、女優と再婚してるんですね。
そのお相手が。。。なーっんて考えたらワクワクしちゃいます。
あぁ、当時この初演を観られた方々が羨ましい。とんでもない衝撃だったんだろーな。
なーんて当時を思い起こしたくなるようなエンドロールが流れますので、
最後までどうぞご覧ください。
舞台と映画の美しい化学反応
台詞に酔いしれ、大笑いして、涙が出て、ドキドキして、楽しくて面白かった。
舞台と劇場の高揚感を久しぶりに思い出すことができた。コロナが恨めしい。早く舞台に役者が上がって、スタッフが働けて、お洒落した客が上演前や休憩中にロビーを散歩して思いがけず知り合いに出会ったり。そして開演ベルが鳴っていそいそと自分の席に戻って、ワクワクしながら幕開けを楽しみにする日が待ち遠しい。
舞台監督役のルシアン、ドミニク・ピノンではないですか!「デリカテッセン」の時から好きな役者さん!
舞台監督、綱元、衣装係、楽屋、大道具、小道具…皆が居て成り立つ舞台の空気がひしひしと伝わってきた💦
ビストロ・オノーレの教養ある店主、素敵!そしてラブレターの時代、いいな💕
たくさん笑ったけど、泣けちゃったよ、コロナだから。
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