秘密への招待状のレビュー・感想・評価
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二人の名女優なくして本作は生まれ得なかった
この映画の内容を全く知らぬまま見始めた私は、謎が謎を呼ぶ語り口にすっかり引き込まれてしまった。幾度か登場する上空からゆっくり舞い降りるカメラワークは、ヒロインが瞑想にふける際の精神状態とも通底しているのだろう。そして物語もまた、自分の意識や感覚だけでは到底及びつかない場所から、運命がふわりと舞い降りてくる。そうやって結婚式のくだりになって私はこの映画が北欧の名作のリメイクであることにハッと気づくわけだが(遅すぎる)、そこで芽生えた思いは主に二つ。一つはやはり女優陣の巧さに尽きる。それぞれの思惑、経験、人生哲学を芯に秘めた両輪となる女性たちを、二人の女優があまりに見事に生き切った。が、一方で気になるのは、国際援助や国際支援といった要素がややバックグラウンドに留まっていること。彼らをそこへ向かわせる情熱や理由をもう少し描いてくれれば、物語の厚みや個々のキャラクターへの理解が増したと思うのだが。
もしかして、偶然と必然は同義語かもしれない
自らが進める慈善事業の出資者から、娘の結婚式に出て欲しいと誘われ、出席してみたらなんと、花嫁の父はかつての恋人だった!?そんな、あり得ない偶然の裏側に潜んでいる意外な事実を解きほぐす物語は、人生の行手に待ち受ける驚きと衝撃を描きながら、それでも結局、人には行き着くべき場所があると教えてくれる。同時に、映画または作劇がもたらす醍醐味を堪能できる本作。だから、「そんなのあり得ないでしょ」と放棄せず、最後まで付き合ってみて欲しい。もしかしたら、偶然と必然は同義語かもしれないではないか。つまり、運命的な出会いや別れや再会は、予め用意されていたものなのなもしれないという人生観。ミシェル・ウィリアムズが水に流されていくように目的地に向かうヒロインの変幻自在さを、ジュリアン・ムーアが頑なに思いを実行しようとするキャリアウーマンの悲しさを、それぞれうまく演じている。いかにも頼りない父親役のビリー・クラダップも適材適所な配役だ。もし興味があれば、主人公の2人が男性のオリジナル作品「アフター・ウエディング」(マッツ・ミケルセン主演のデンマーク映画)と見比べてみては如何だろう。そっちはそっちで、また別の味わいがあるので。
“秘密”を知らずに観るのが吉。宣伝や紹介の難しさはあるが、なかなかの良作
ミシェル・ウィリアムズはインドで細々と孤児院を経営する中年独身女性イザベルの役。孤児院への出資を検討しているのでニューヨークまで事業を説明しに来るようイザベルを呼び寄せるメディア企業社長テレサ役にジュリアン・ムーア。その夫役にビリー・クラダップ。このキャストだけでピンと来て、予告編などでストーリーの予備知識を仕入れることなく本編を鑑賞すると、より驚きをもって楽しめるはずだ。
宣伝のコピーに「家族の衝撃的な〈真実〉と、新たな〈秘密〉」とあるのだが、予告編や当サイトの解説などでも家族に関する秘密が具体的に明かされているので、それを承知の上で観ると衝撃もずいぶん薄れてしまう。もっとも本作は2007年日本公開のマッツ・ミケルセン主演デンマーク映画「アフター・ウェディング」のリメイクなので、そちらを鑑賞済みの人には知られているわけだし、多少のネタばらしは仕方ないという考え方もあるか。リメイクにあたり、慈善活動家と企業経営者の2人が男性から女性に置き換えられている。
あいまいな書き方になるのをご容赦願いたいが、人生について、生き死にについての示唆に富む良作ということぐらいは言ってもいいだろう。なお監督のバート・フレインドリッチはジュリアン・ムーアの夫。主要キャストでは3人のほか、結婚式を挙げる娘役、濃い眉と高い鼻が印象的な個性派美人のアビー・クイン(「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」に少し出ていた)が魅力を放っている。シンガーソングライターとしても活動しているそうで、彼女主演の音楽映画をぜひ作ってほしい。
良い作品だけど観るのが辛かった
ミシェル・ウィリアムズとジュリアン・ムーア、2人の女優さんの素晴らしさが一番にきました
特にジュリアン・ムーアのあのシーンには涙がポロポロ、観てるのが辛かったです
そういう面で観るんじゃなかったという思いもあります
でも本当に良い作品だったと思います
それぞれの弱み
インドで慈善活動をするイザベラ。大実業家テレサから200万ドルの寄付をもらうためには本人が面接することが必須としてNYへ招かれることに。ついでにテレサの娘グレイスの結婚式に招かれるのだが、そこで意外な人物と出会う。テレサとその夫オスカーとグレイス、イザベラ4人の関係は....というお話。
だれが正しい、間違ってるということじゃなく、おのおのが論争相手に指摘されると反論できない弱みを持っているところが面白い。特に「正義のヒロイン」イザベラにも突かれると痛いところがいくつかある(致し方ないのだが反論はできない)のがなかなかつらくていい。。ストーリー上、偶然過ぎて不自然では?と思うところについてはのちに伏線だったことがわかってちょっと気持ちいい。それなりに良く練られたストーリーでした。邦題はナンセンス。
インドで孤児院を経営する女性にNYの女性会社経営者から200万ドル...
インドで孤児院を経営する女性にNYの女性会社経営者から200万ドルの寄付の申し出があった。
根っからの商売人である会社経営者には一体どんな思惑があったのか。
腹黒いものを想像していたが、もっと純粋な思惑でほっとした。
想像がつく程度の「秘密」
もっと凄い秘密かと思ったのに、、、。
もう少し鳥の巣のくだりをイザベラの気持ちをそえて説明が欲しかったかも。
結局何が言いたかったのかも分からず、泣ける場面があるわけではなく、淡々と一つの物語を見てる感じ。
時間が経つのが遅い、と思わないで済んだのは、演技派の俳優陣と偶に目に入る自然の景色やインドの街並みのお陰かもしれない。
でももう一度見る事はないかな。
子供を捨てても善行で帳消し
ジュリアンムーアは美人だけど8歳の双子のお母さんはちょっと無理。こんな面倒くさい家族の中残された双子が一番可哀想に感じたのだが。イザベラはインドで綺麗に過ごしていて、うーん何だかなあ。テレサも何もしないよりはいいけど、はい!お金!恵んでやったぜ!みたいな感じがした。娘に至ってはお主何がしたい?だし、誰残念だけど誰にも感情移入ませんでした。
贖罪と恩寵
個人評価:4.0
人が人にする善行や、母が子に向ける愛、また贖罪と赦しなどを、恩寵という言葉と共に対比させている。
物語としてもいい作品であり、昔のジョー・ライトや、アスガー・ファルバディの様に哲学的な深いテーマを含んでいる。
デンマークのドラマのリメイクとの事だが、オリジナルにも恩寵という言葉は出てきたのだろうか。
いずれにせよ脚本も手掛けた本作の監督の次回作も気になるところ。
ツアーのインド旅行で最大の苦痛はカレーしか出てこない事。
いや、マジですから。朝昼晩、1週間、全部カレーのビュッフェ。帰国前の最後の食事に和食。インドは想像を絶するカレー大陸でした!
ビッグネーム共演によるリメイク物。大振りせずに確実に単打狙って来ました、的な安心感のある佳作。なんどすが、何かが違う感が結構強烈なんは、共演女優、クセあり過ぎひん?設定、易過ぎひん?インドで孤児院?2000万ドルを笑顔で移動?娘が共同代表の財団?それ、相続税逃れで持ってかれるヤツやん。などなど。ツッコミどころにツッコミたくなるんはなんでやねん?
本日は、ささくれハートなのか、素直な気分で見れなくて御免なさい。映画そのものは良い話です。
ミシェル・ウィリアムズが久しぶりでした。ショートカットも良いですねぇ。メンドクサイ女も似合ってますが、もっと笑顔が見たかった。正直なところ。
【”鳥の巣を守る”人々。真の慈愛と、恩寵。二人の女性と一人の男性のミステリアスな関係性と、全ての謎が氷解した時の、深い余韻に浸れる作品。】
ー 原題は「アフター・ウェディング」。オリジナルのデンマーク映画のタイトルも「アフター・ウェディング」・・ー
■感想<Caution! 内容に触れています。>
1.今作では、2度、”鳥の巣”が映し出される。
1度目は、ジュリアンムーアが演じた、成功した女性実業家テレサが自宅の庭で、木から落ちてしまった”鳥の巣”を両手で取り上げるシーン。
2度目は、ミシェル・ウイリアムズが演じた、イザベルが久しぶりにインドに帰った際に、彼女が我が子の様に可愛がっている男の子が”あそこに鳥の巣があるよ”と指さすシーンである。
ー ”鳥の巣”は、二人にとっての”家族”を象徴している事が分かる。ー
2.18歳の時に、子供を産んだが、育てる余裕がなく産院から姿を消し、現在は償いの様に、インドの貧民の子供達を養う孤児院を何とか遣り繰りしているイザベルの元に、テレサが200万ドルの支援金を申し出たと連絡が入るシーン。
しかも、テレサはイザベルにニューヨークに来ることを要求する。
ー この時点まで、私はテレサがイザベルに対し、1歳の乳飲み子を捨てた事を後悔させるつもりなのだろう・・、と思いながら鑑賞した。
それ程、テレサの行いがミステリアスなのだ。そして、そのように観客に思わせるジュリアン・ムーアの演技の素晴らしさ。ー
3.テレサの現在の夫オスカーが、且つてイザベルと同じ理想家として惹かれ合い、子(グレース:恩寵)をなしていた事実が、グレースの結婚式にテレサに無理やり出席させられたイザベルの驚愕の表情で分かるシーン。
ー 巧みなストーリーテリングである。
その後、グレースのオスカーに対する態度の変化。
(それは、そうだろう・・。実の母親は死んだ、と聞かされてきたのであるから・・。)
そして、実の母イザベルに幼き日々の写真を見せるシーン。
罪の意識が隠せないイザベル。
難しい役柄を、ミシェル・ウイリアムズが、流石の演技で魅せる・・。
二大女優の演技が、同一画面で観れる僥倖感に浸る。
<テレサが一代で築き上げた会社を売却し、そのほとんどをイザベルの孤児院に寄付しようとした理由。
テレサが泣きながら、イザベルに依頼した事・・。
テレサもイザベルも、自分が築いてきた”鳥の巣=家族”を必死に守ろうとしていたのだ・・。
全ての謎が氷解した際に、人間の善性、慈悲の心、天の恩寵を感じ、涙腺が崩壊しそうになってしまった作品。
<2021年5月8日 刈谷日劇にて鑑賞>
欲望、孤独
企業家と慈善事業家、欲の強さでは似たようなもんだろ。
好き勝手に生きて孤独に包まれ、インドの大地では思うほど少年からは愛されていない。
宗教家も慈善家も、もちろん企業家も善人ではなれない。
それでいいのだが。
日本では作れない映画だろうな
主知主義と主意主義の対立する構図を家族を舞台にはっきりと描き出す。
日本で同じ物を作れば変な御涙頂戴劇になってしまうところが、はっきりとした理屈の上に非常にはっきりとした表現で感情豊かに描き出されている。ものすごく感情を揺さぶられる。
子供には簡単に喝破される。
あなたの言っていることは、あなたの損得勘定から生み出されたものでないのか、憐れみ、同情からくる問いで有ればそれは答えるに値しない。
心残り
感動作…なのかな?
なんとなーく感動的な要素は散りばめられてはいるものの、女社長の身勝手が目立つ。
自身は病によって死を宣告されてはいて、死後、残された家族の平和なのか幸せを願っての行動ではあるのだが…中々に傲慢だ。
彼女の選択がベストであろうとする要素は色々とあるものの、どうにも共感しきれずにいる。
母親って立場の人が観ると違う感想になるのかもしれないなぁとは思うけど。
巻き込まれた実母は、緩やかに今後の生活に馴染んでいくのであろうと思う。
元々、孤児院に勤めるくらい子煩悩な側面もあるし、生き別れた娘とも交流できるのであろう。
何年かかけて、幸福に辿り着く。
そん時に、今の彼女の強引さに感謝するのかもしれない。
ある意味、予告で予想した通りの結末ではあったものの…もう一工夫あっても良かったような気がする。
いずれにせよ、人生という長い坂道では、その時々の判断が是か非なのかは、即座に答えは出ないし、それが是になるように生きていくのだろうなぁと思えた。
いまひとつピンと来なかった
よく出来た映画だとは思うが、いまひとつピンと来なかった。
ジュリアン・ムーアは好きな女優のひとりで、特に米アカデミー賞主演女優賞を受賞した「アリスのままで」は、表情豊かなこの人ならではの演技が全篇を通じて光っていて、とてもよかった。若年性アルツハイマーを扱ったコンテンポラリーな作品でもあり、未鑑賞の方は一度は観てもいいのではないかとおすすめする。本作品で演じたテレサ役でも卓越した演技力を存分に発揮していた。
インドでソーシャル・ワーカーとして働くイザベルを演じたミシェル・ウィリアムズも演技派で、本作品でもジュリアン・ムーアの相手役としての存在感のある演技は申し分ないと思う。しかし作品としては、イザベルがニューヨークにまで来た背景が弱い。支援がほしいという必死さの演技の割には、こないのだ。イザベルが面倒を見ている子どもたちは比較的恵まれている子どもたちではないかと思う。
インドではモンサント社(バイエル社)による種子と肥料と農薬の押しつけで、農家は多額の借金を背負い、労働力不足を児童労働でまかなっている現状がある。都市では貧しい親は子供に労働をさせ、雇い主は殴る蹴るなどして重労働を強いているという報告もある。ユニセフによれば、5歳未満の子供の死亡率は日本の17倍である。
イザベルの周囲の子どもたちは寝る場所と食料を与えられ、強制労働をさせられることもない。比較的恵まれていると思うのはそのあたりだ。他の地域には食べ物も寝る場所もなく明日の命さえ知れないという逼迫した子どもたちがいるはずで、そういうシーンがあればイザベルの必死さを納得できる裏付けができたと思う。
繋がる空
インドで孤児院を営むイザベル。寄付の話があり向かったニューヨークで出会ったのは実業家のテレサ、そして思わぬ再会が!?…といった物語。
寄附をくれるは良いが、どうにも色々不自然なテレサ。半ば強引に参加させられた結婚式で再会したのは、何と元夫と実の娘。ある理由から、元夫と娘が一緒にいるはずは無かったのだが…。
これは偶然!?当然、テレサの何かの策略だと疑うイザベル。
そして幾多の真実が明らかになっていき。。
複雑な状況の中、過去の傷跡に償いの善行。迫られる決断と拭えぬ不信感。
真実をしった皆の心情を想うと胸が締め付けられる。
力強く、行動力のあるように見える彼女。こういう状況を作り上げたものの、その本心は…やっぱりそうですよね。。皆の幸せを考えての行動だったけど、本当は複雑ですよねそりゃあ。
最後のシーンは少し涙が出そうになった。
若かったあの頃は自ら手放したけど、今度は…ね。
思った結果とは違うかもしれないけど、今度の相手は「意思」があるから、それを尊重したってことですかね。
それでも、鏡に映った表情がとても良いものだったのが印象的だった。
オリジナル版も是非見てみたいと思える、少しほっこりの良いドラマだった。
…どうでも良いけど、ジョナサン普通にハンサムでしょう。。
イケメンのハードルが高い親子だ。
あっけない
なんだか思ってたのと違った。
彼女を呼び寄せた理由が判るまでは
サスペンスちっくで、ドキドキしてんだけど…
理由が判ってからが、うーん…って感じでした。
だって、この奥さま、身内のことしか考えていなくって、
イザベルの今の人生、度外視じゃない。
そして、彼女もインドから、ニューヨークに来ちゃうんだ…。
なんか、あっけなかったな…。
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