キング・オブ・シーヴズのレビュー・感想・評価
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いぶし銀の名優たちが揃い踏み
英国映画でお馴染みの”いぶし銀”の男優たちがここに勢揃い。とりわけ、Fワードを口にしつつ、そこに気品すら漂わすマイケル・ケインの存在感は流石だ。他にも、ジム・ブロードベント、レイ・ウィンストンらの登場に合わせ、若き日の出演作の映像を挟み込みながらキャラを肉付けしていく趣向が面白い。願わくばこのまま彼らの演技の応酬にじっくり身を委ねたいところなのだが、しかし背後にガンガン響く60年代音楽、どこか早足な編集、安易な年寄りネタが、その”ゆとり”をいささか邪魔してしまっている気も。確かに題材、キャストを調理する上でこのサジ加減は難しいところ。ベテランのマーシュ監督もかなり苦労したのではないか。などと注文つけるとキリはないのだが、贅沢さえ言わなければ、彼らがただそこにいるだけでまずは楽しい。特に終盤、各々が歯ぎしりさせながら本性を剥き出しにする辺りは真骨頂と言えよう。その顛末を優しい目で見守りたい。
イングランドテイストがたっぷり楽しめる作品
私たちに未来はないからな
シリアスか、それとも笑いか。中途半端。
自分にはできないこと
大衆はStoryを求めて映画を観る
消化不良感は大。最高齢が引き起こす、不思議な窃盗事件。
【賛否両論チェック】
賛:最高齢の窃盗団による破天荒な金庫破りの顛末に、観ていてその真相を考えさせられる。
否:特に抑揚がないストーリーが淡々と進んでいくので、思わず眠くなってしまいそう。自分で想像せざるを得ない部分も多いので、消化不良感もかなりあり。
どことなくキアヌ・リーヴス主演の「フェイク・クライム」を思い出しました。取り立てて抑揚らしい抑揚がなく、淡々と進むストーリーの中で、破天荒な最高齢の窃盗団が巻き起こす事件の顛末に、どことなくハラハラさせられます。
ただ悪く言ってしまうと、
「実は・・・これはこうでした!!」
という種明かしや解説、回想シーンなんかもなく、ただただ起きたことを紹介しているだけなので、
「これは・・・こういうことだったのかな?」
と自分で推測するしかなく、かなり消化不良感が残ります。勿論よくよく見ていると、恐らくヒントであろう描写はありましたが、観ている側には全然優しくない印象を受けてしまいました。
下ネタも結構あったりするので、一緒に観る人は選んだ方が良さそうな作品でもありますが、サスペンス好きな方は、観ておいて損はないかもしれません。
お年寄り泥棒集団
もうひと堀欲しかった
老人コント
予告編でイメージした、老人版「オーシャンズ」ではなかった。
『ハットンガーデン・ジョブ』って映画と同じ実際の事件を使いながらも、志村けんと加藤茶の老人コントみたいな「老醜」コメディ仕立て。
盗み出した後が長かった。
盗品をちょろまかし合ったり。
お互いの悪口を言い合ったり。
二枚舌の騙し合いに、誰がリーダーか、誰が取り分多くできるかなんてマウント合戦が続く。
気持ちは若いが、身体はいうことを聞かず、意固地かつ視野狭窄を起こした年寄りの姿は、自分もこうなるのかな、と微妙な気持ちにさせられました。
「うちのおじいちゃん、杖ついてまともに歩けないのに、若い女の子と浮気しちゃって、肉体関係あるみたいなんだ」みたいなとこを眺めているような、まんじりとしない感覚がつきまといました。
老いてもなお・・・
2015年、ロンドン最大の宝飾店街の貸金庫から現金や宝石約1400万ポンド(20億円)が盗まれた「ハットンガーデン事件」。その金額の大きさとともに窃盗団の平均年齢が60歳を超える高齢者集団だったことが注目を集めた事件を基に、アウトサイダーの本質に迫った作品。
特に緻密な計画を立てたわけでもなく、迅速に窃盗行為を実行しだした場面には少し面食らった。この映画の本質は寧ろ、その行為よりも人間ドラマを描きたかったのだと推測したのだが、どうだろうか。
にしても監視カメラ、車の登録ナンバー等々、あからさまに素性が明らかになる事を予測してない無防備さは年齢的なものから来るものなのか。
結局若い警報機のプロだけが国外逃亡に成功し未だ逃げおおせていたのが象徴的。残りのメンバーは自宅で一斉逮捕。もしかしたら途中から単独行動に出ていたマイケル・ケインだけがどんでん返しで警察を出し抜くのではと期待したがあっさりと逮捕されたのは意外であった。
ラストは公判に向かうメンバーたちが囚人服からスーツに着替えをするところ。マイケル・ケインが、”刑務所の暮らしより死後が心配”と言ったのが印象的に残った作品であった。
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