ジョーンの秘密のレビュー・感想・評価
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結局、女はイケメンに弱い・・
気の毒だけど「ジョーンは最初から利用されただけだった」ってとこかな。
ソニアが偶然を装って窓からジョーンの部屋に入れてもらうけど、恐らく"理系女子"のジョーンはスパイ候補者として最初から目を付けられていたんだと思う。そしてイケメンのレオを紹介されて思惑どおりあっさり恋仲に。
残念ながらジョーンの主張には1ミリも共感できなかったな~(笑) 全部息子の言ってることに激しく同意!いやいやいや、国家機密をソ連に"シェア"とか、"同じ西側の同盟国として"とか、"パワーを分散させれば戦争は避けられる" とか、恋人の国を信じたいのだろうがあまりに個人的な感情と思い込みだけで、情報を簡単に漏らしてしまうのは身勝手としか言いようがない。しかも脅されたり、お金に困ってとか何かやむを得ない事情があったわけでもないのに自ら進んで情報提供、、。もし暴走したソ連がイギリスに原爆落としたらどうするつもりだったのか。
マックスに全てを打ち明けるシーンで泣いていたが、全く心に響かなかったなー、全部自分がやった事じゃん、泣きたいのは貴女を信じてたマックスの方だよ。。
「私は世界を救った」などと大上段なことを言ってたけど、単に"男に溺れて機密情報渡しちゃいました"なんて惨めでカッコ悪すぎるから、大そうな理由を後付けで考え出したんじゃないかと思ってしまう。彼女が情報漏洩してなくても結果は同じ、核戦争は起きてなかったと思う。あくまで想像ですが、実際のジョーンはボーイフレンドの1人もいない、地味な不美人だったのではないかという気がする。ソフィー・クックソンみたいな美人だったら既に彼氏がいただろうし、出会った男に次々と落ちてないよな~と。
この映画を見て「だから女は信用できない」と思われそうで(まぁ、自分もそう思うが・・)同性として遺憾だ。あのSTAP騒動の彼女もだけどリケジョって何か思い込み激しい人が多いのだろうか? 黙って実験ばかりやってるとああなってしまうのか?もう少し事の重大さに気付ける精神的な成熟があれば、、国家機密を漏洩した犯人は、子供っぽい1人の女だった、という皮肉。"あの時代だから"とか関係無いと思うな~、国家を裏切る以前に一緒に働いてる仲間を簡単に裏切れるってどの時代でも怖い。恐らく口の軽い女は昔から存在していて、だから重要な仕事は女には任せられない、って風潮が現代でも続いてるんだろうね。今でも会議は男だけでよく集まってるもんね。まぁそうなっても仕方ないよね~と思わされる主人公の幼稚で軽率な行動でした。同性だけど彼女を擁護できないな。
ソフィー・クックソンはイギリスの横山めぐみ(若い頃の)って感じか?
ジュディ・デンチのお陰で重厚感ある作品になっていて最後まで飽きずに鑑賞できたが、いかんせん主人公に共感できる人は恐らく少数派なストーリーなので興収は期待できないだろう。
そのきっぱりとした生き方は肯定されていいのではないか
戦争に関する映画や芝居は倦むことなく制作され続けるし、飽きることなく鑑賞される。大林宣彦監督の遺作となった「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」も少し風変わりではあるが、戦争映画であることは間違いない。今年(2020年)の7月に新宿のサザンシアターTAKASHIMAYAで上演したこまつ座の芝居「人間合格」もある意味で戦争の話だった。
戦争映画や戦争舞台が上映され上演され続けるのは、熱しやすく冷めやすい人類がかつての悲劇を忘れてまたぞろ戦争を始めてしまうのではないかという危惧があるからだ。だから芸術家たちは人類が戦争を忘れないために戦争映画を作り、戦争の絵を書き、戦争の曲を作る。常に反戦運動をし続けなければならないほど、人類というものは愚かなのである。
本作品も戦争映画のひとつと言っていいと思う。ジュディ・デンチが演じた年老いた方のジョーンの台詞「あの頃は戦争、戦争の連続だった」というのは第二次大戦当時のイギリス人の本音だろう。だからなんとしても核戦争の勃発を阻止したかった。科学者であった彼女には、核兵器がどれほどの被害を生じさせるか予測がついていたはずだ。
広島に落とされた原爆リトルボーイに使われた核物質はウラン235である。長崎はファットマンと名付けられた爆弾で、こちらにはウラン238を原料に生成されるプルトニウムが使われている。威力はファットマンの方がやや上である。
本作品には、核を分裂させて中性子を出させるのに遠心力を使うことをジョーンが提案するシーンが出てくるが、実際に遠心力によって陽子を光速に近いスピードにまで加速させて原子にぶつけて核を分裂させる実験が、後の原爆開発に直結している。ちなみに用語として出てくる同位体はアイソトープ(同位元素)と呼ばれ、同じ元素で中性子の数が異なるものを言う。水素と重水素などが同位体である。中には不安定な同位元素もあり、崩壊して放射線を発するものがある。これが放射性同位元素(ラジオアイソトープ)である。
原子核(Nuclear)が分裂すると大きな熱と放射線を出す。分裂が次々に起こることをNCR(Nuclear Chain Reaction=核の連鎖反応)と呼び、より大きなエネルギーと放射線を放出する。これが原爆の基本的なメカニズムだ。これらの言葉を知っていると研究所のシーンがより深く理解できると思う。ちなみにコロナ禍の対策として進められているPCR検査はPolymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)である。
原爆は途方もない威力を持っているだけに、その制御も相当に難しい。核分裂はいつ暴走するかわからない。世界各地の原子力発電所にある59基のうち稼働しているのが10基に満たないことからも、制御の困難さが伺える。超小型原子力エンジンを搭載した鉄腕アトムは存在しようがないのである。
若き日のジョーンが心配したのはヒロシマ、ナガサキの繰り返しだ。1945年当時、独立から200年も経っていない若い国であるアメリカがこれほど大きな大量破壊兵器を持ってしまったことは、世界の軍事力の極端な不均衡に直結する。極端な不均衡は再び侵略戦争を招き、人類に大きな被害を齎すに違いない。ジョーンはそう考えたのだ。
ジョーンの決断には賛否があるだろうが、核兵器が大量破壊兵器であることは誰も否定できないし、それを使うことが非人道的であることも世界中で解っていると思う。小型の核兵器なら憲法上、所有しても差し支えないと堂々と言い放った暗愚の宰相もいたが、原発が常にチャイナシンドロームの危険性を孕んでいるのと同じで、核兵器を所有すればその核兵器によって膨大な犠牲者が出る危険性が常にあることは理論的に当然である。憲法上は如何なる核兵器も持ってはならないのは子供にも解る。
世界は核兵器に満ちている。ジョーンの息子は母親に愛国心がないと言い、母親は私こそ愛国者だと言い返すが、愛国者が核兵器を使用するということをふたりとも解っていないようだ。イスラム国も元はと言えばアメリカが弾圧した愛国者なのである。イスラエルとアラブの紛争も愛国者同士の争いだ。
人類はいい加減、国家という共同幻想の呪縛から自由になったらどうなのだろうか。たまたまその国に生まれたからと言って、その国を祖国と呼んで愛さねばならない理由はどこにもない。国家間の利害の対立は愛国者同士の利害の対立だ。愛国心などという狭量な精神性から脱して、国際人として活躍する人はたくさんいると思う。別に外国に住まなくてもいい。インターネットの時代だ。どこに住んでも仕事はできる。自国のことよりも人類全体を考える。そういう人が増えていけば、戦争映画が作られる必要がなくなる世界が来る可能性が僅かながらあるかもしれない。
戦争の話ばかり書いてしまったが、本作品には核開発と戦争の他にも沢山のテーマが盛り込まれていて、当時の女性の地位の問題、暗躍するKGBやMI6といった諜報機関による人権侵害、そして家族間の信頼の問題、身近な人間による欺瞞と裏切り、それに戦時中の青春模様など、作品としての見ごたえは十分だ。戦争当時の映像と現在の映像が明らかに異なるのもわかりやすくていい。
波乱万丈の体験をしてきたジョーンは、ジュディ・デンチの名演もあって、年老いていても、言いしれぬ存在感を感じさせる。大した女性なのである。若き日の決断はともかく、そのきっぱりとした生き方は肯定されていいのではないかと思う。
ジョーンは正しかったのか...?
75年前、長崎に原爆が投下された今日に導かれるよう観賞。
「ヒロシマ」
マットとの面会でジョーンが泣きながら発した耳慣れた日本語に
胸がギューっと締め付けられた…。
ジョーンは正しかったのか...?
観終わった後、いろいろ考えるんだけど、
自身の考えがまとまらず思考がグルグルするばかり。
平和を望む気持ちは解る。
ただ、ソ連とイギリスが同等の力を持てば戦争は起らないという考えは短絡的過ぎないか?
だったら、両方ともが開発できない方向に持って行くことはできなかったのか?
女性蔑視の著しい時代の中で自分の知識を認められたかったという気持ちは少しもなかったのか?
あの時代のあの状況の中にいたら、ああするしかなかったのか?
自分の正義を信じた行動に彼女は揺るぎがひとつもない。そして、息子はそれを信じた。
こんなふうに文字にしていてもグルグルして、思考がまとまらない。
ただ、二度と広島や長崎のような悲劇が起こってはいけないと強く思った。
ジュディ・デンチとソフィー・クックソンが素晴らしかった。
〝抑止力〟もコマの一部
劇中で、えっ、そんなに❗️としばらく思考停止したのが、ソ連の死者数でした。確か、レオが言ってました。
「この戦争の死者6000万人のうち、2000万人がソ連だ」
ネットで調べたら、本当でした。
以下、主な国の死者数を記します。( )の中はその内の民間人の数です。単位:万人
ソ連 2060(700)
中国 1320(971)
英 38(24)
仏 60(40)
米 29(0)
独 690(267)
日本 310(80)
※オーストリアとポーランドで亡くなったユダヤ系民間人は335万人。
この数字を、当時の状況に置かれていた中で知ったとしたら、ソ連にも〝抑止力〟を与えたい。
そんな気持ちが起きるのも分からないではないような気がしてきました。
(日本人としては、中国の民間人の死者数の大きさもとても気になります。)
コロナ禍による死者数を戦死者と比較する報道がたまにありますが、最近のアメリカでの感染拡大を見てると、今年中に先の大戦の戦死者数を超えるかもしれません。
立場が違えば仕方ない、とはいえ、10万人単位の死者を一発で出すことのできる〝抑止力〟もまたコマの一部でしかない現実の恐ろしさは十分に伝わってきました。
“ばあばスパイ”と呼ばれた実在の人物をモデルにした、イギリスのベス...
“ばあばスパイ”と呼ばれた実在の人物をモデルにした、イギリスのベストセラー小説が原作。
派手さはあまり無いし、エンタメ要素も薄いですが、役者さんたちの演技の上手さがひかるなかなか見応えのある作品でした。
小説のモデルとなった人物を演じるのは
ジュディ・デンチ。
彼女はさすがの貫禄。かなりしなびた感じの役柄なのに、深く刻まれた皺で語りかける表情が素晴らしかった。
ジュディの若き頃を演じるのは
ソフィー・クックソン
彼女がまたいい感じなんですよね~
とびきり美しいというわけでも無い気がするんですが(←何様だよ)ストーリーが進むにつれすっかり彼女に魅せられてしまいました
後から知りましたが「キングスマン」に出演してました(キンギスマン観てたのに全く気がつかずw)
第二次世界大戦へ走り出すイギリスの状況、
イデオロギーと愛の狭間で揺れる心、
そして、僕ら日本人の心に突き刺さる広島、長崎。
彼女が取る行動の理由付けが少し飛躍した感じにも思えましたが、様々なテーマを上手く展開させてゆく脚本は個人的には、なかなか好みでした。
本作のようなテーマだと120分超えも珍しくないですけど、101分なのであまり構えることなく観られるかもしれません。
ただ、原題「Red Joan」なんですよね。
Redは、あちらの“赤”を差している思うので原題のままのほうが面白い気がするな
寝ちゃった笑
淡々と進むもんだから寝ちゃったわ!
行く前に炭水化物摂りすぎたかな。
起きたら一個あけて隣のおばちゃまが泣いてたから
悲しい感じなのかなって、なんか一緒に泣いたよね。
そして、不倫?繋がった人?
デビット伊東に見えてなんか笑った。
最初と最後だけ観たらいいかもー。
これが諜報活動のリアル
事実をベースにしているせいか、物語は淡々と進行し、007やMission: Impossibleのような起死回生の展開や大どんでん返しは存在しない。
しかし、これがリアルの諜報の世界。
第二次世界大戦の収束への水面下での丁々発止や、列強のパワーバランスとsuper bombの開発競争を知るうえでもとても参考になる。
いまの感覚で考えると、「ソ連に機密情報を提供するなんて、彼女の行為はバカげている」、と思うだろう。しかし、当時の知識人は共産主義国家に現実の世界で実現されるユートピアをみていたし、西側陣営でも戦後の世界平和にソ連の貢献を期待する人も多かったはず。
当時の時代背景や思想を理解すれば、Joanの行動やその理由がみえてくる。
相互確証破壊による核抑止の理論は、暴力的な思考であり一歩間違えば世界の破滅を招きかねない。
しかし、現実の結果だけをみれば相互確証破壊は「機能」してきたともいえる。
劇中で彼女は「私は平和主義者だ」と胸を張って発言しているのが印象的だ。
色恋による調略は、カネ絡みと並んで古今東西の諜報活動にはつきもの。Joanも巧妙な罠にまんまとかかってしまう。工作員がターゲットの暮らしに「潜入」し、時間をかけてじっくりと信頼関係を築いていくプロセスにあらためて驚かされる。
毒を以て毒を制す
スパイ容疑で逮捕された80代の老女の実話を、悲哀メロドラマ調に脚色したという印象。というか観る前までは、てっきりジュディ・デンチ扮する主人公ジョーンが、80代になっても現役のスパイをしていたというあらすじかと思っていた。若き日のジョーンの描写に重きを置いているため、ジュディはむしろ助演的なポジション。
序盤こそ男性に対する免疫がなかったジョーンが、2人の男の間で揺れる心を鍛えたせいか、終盤では愛のために大胆な駆け引きをするまでに成長する様は、ハーレクイン小説もしくは乙女ゲームを思わせる。
もちろん、彼女がスパイ行為に至る根本的理由はそこではない。「毒を以て毒を制す」精神が彼女を動かしたのだ。
ただ、劇中で触れられている、イギリスのチューブ・アロイズやアメリカのマンハッタン計画、それらに関連したカナダやソ連を含めた国同士の諜報戦などの歴史的背景をあらかじめ知っておかないと、途中でついて行けなくなる可能性も。
関係ないけど、ジョーンと恋仲になる男の一人を演じたスティーブン・キャンベル・ムーアが、歳を重ねるごとにジェレミー・ブレットに似てきている気がする。
ジェレミーといえば、グラナダTVのドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』で、世界最高のホームズ俳優と称えられた俳優。グラナダTV版ではドラマ化できなかった原作がいくつかあるが、ここはひとつ、亡きジェレミーの代わりにスティーブン主演で再ドラマ化を…と思ったのはさすがに自分だけか。
POISON KISS
半世紀以上前の核兵器開発の情報漏洩の疑いで2000年に逮捕された、80代のイギリス人スパイばあばの話。
いきなり主人公の連行から話は始まり、取り調べで、外務事務次官のウィリアム・ミッチェル卿の死後にみつかった、ケンブリッジ大学の資料のことを告げられて1938年からの出来事を回想していく。
当時のイギリスとソ連との関係からなるバリバリ共産主義の友人達との出会いと交流や、主人公の専攻と携わり活躍する仕事とのことか、全て計算?KGB恐ろしすぎる…。
均衡と竦みが先か恋情が先か、信念か感情か、どこまでが演出でどこまでが事実かは判らないけれど、ある意味女性らしい強い意志と流されやすい弱さを合わせ持つ主人公の行ったことは、それがどこまで影響したかも判らないし、知っていたらそれ程感じないだろうけど、衝撃の事実。
当時もの凄く恐ろしいことを行ったのは確かだけど、2000年にもなっての記者による赤だの何だの非難はただの炎上狙いか愛国心か。
それによって今の均衡があるのは事実だしね。
この様なことがあったことも、主人公のことも何も知らなかった自分には、意外だしスリリングだし面白かった。
どうでも良いけど、ゲバラマグカップは狙い過ぎw
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