劇場公開日 2020年8月7日

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ジョーンの秘密のレビュー・感想・評価

全44件中、1~20件目を表示

3.0独りよがりの正義感の行く末

2020年8月7日
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鑑賞方法:映画館

 公式ホームページに主人公のモデルとなったメリタ・ノーウッドのプロフィールが書いてあるが、主人公の政治的スタンスに関しては作中ではかなりフィクションなので、このプロフィールを読んでから鑑賞すると少し肩透かしを食らうかも知れない。
 第二次世界大戦中、ケンブリッジ大学で物理学を学んだ才媛ジョーンは原爆開発の機密任務に携わる一方、学生時代からの知人である共産主義者の友人や恋人との政治絡みの人間関係に翻弄される。2000年に逮捕された年老いたジョーンが取り調べを受けつつ回想する形式で当時の出来事が描かれる。
 ジョーンは専門知識に関しては頭の回転がよいのだが、恋愛と機密任務に携わる者としての使命感と個人的正義の優先順位があやふやで、最後まで感情移入出来なかった。彼女は共産主義には賛同しないが、広島・長崎への原爆投下の映像を見て心が揺らぐ。周辺の男性との関係も彼女の心をおおいに揺らす。
 公式ページに書いてあることだが、現実のジョーン、すなわちメリタは親の代からの筋金入りの共産主義者である。ソ連からの勲章も喜んで受け取っている。この事実をそのまま生かして、イギリス人のKGBやり手女諜報員がひたすら使命感のもとに暗躍するスパイ映画として作れば、ジョーンのポリシーが一貫したものになってエンターテイメントとして違う面白さがあったかも知れない。
 とはいえ、ジュディ・デンチの説得力ある演技は見応えがある。ジュディの演じる現代パートは要所要所に挟まれるものの、トータルの出演時間はそんなに長くない。それでも、ジュディの静かな演技の中に、若き日の秘密と独りよがりの正義を胸に秘めたままジョーンが過ごした50年以上の月日が透けて見える気がした。また、若き日のジョーン役ソフィー・クックソンも好演で、クラシックで控えめな美しさがあって見入ってしまった。
 トレヴァー・ナン監督はインタビューで、この映画が問いかけるものは「ジョーンのとった行動は正しかったのか」ということで、観客にこの問題を熟考してほしいと語っている。折しも日本では広島・長崎の原爆の日を迎える季節だ。毎年テレビで放送される原爆のドキュメンタリーなどとはかなり切り口の違う本作だが、被爆国の視点からジョーンが主張した正義を考察するのもまた意義深いことだと思う。

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ニコ

3.0「事実」を参考にした「フィクション」

2023年9月13日
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鑑賞方法:映画館

これは私の率直な印象、感想なのですが、主人公のジョーン・スタンリーに対しては、ポリコレ連中に抱くのと同様の腹立たしさを覚えました。独善的で、欲望を正義という偽りで塗りたくって誤魔化して、開き直るという、人間のクズかよという思いで観終わりました。
その点、ジョーンを演じた老境のジュディ・デンチには年寄りに有りがちな頑迷さも加わり、青年期を演じたソフィー・クックソンには偽善が加わり、両者とも素晴らしい演技でした。いや、なかなかに良かった。
しかし、両主役の素晴らしさと裏腹にストーリーが淡々と流れていくわりに、「余計な」心情描写もふんだんにあって、多少、混乱を来すと同時に、特に山場もなくスッと終わってしまったのが残念です。また、本当に彼女はそういう偽善的な動機でスパイ行為に関わったのか、が、弱い流れ、流れに巻き込まれて行為を正当化していく話の進め方だったのももう一つかなあと。

余談ですが、当時の男尊女卑がありのままに表現されています。

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zem_movie_review

3.0異色のスパイ物

2022年5月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

異色のスパイ物。リアルなスパイってこういうことなんだね。
事実がベースということで、捕まえるほうもそうだし、捕まるのもあるんだなというところがびっくりでした。

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khapphom

3.0難しかったな

2022年5月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

想像力の乏しい自分にとってはわかりづらかった。
でも一つ、他国でも同じ力を所有しないとバランスが保てないとの考え方は少し勉強になった。結果的にそうなってるのかも。
評価:3.1

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bigsuke

3.5大女優作鑑賞その1

2022年5月1日
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何を見たらいいか迷うときは、ひとまず出演俳優で決める。
GW初日はイギリスの大女優たちでいくことに。
1作目はジュディ・デンチ。

最初は彼女が冷戦時代にわたってずっとスパイをしていたのかと思ったけど、そうではなかった。
そして、ジョーンが言うように、ある時代の空気感というのは、そこに生きた人にしかわからないのだろう。

なぜナチスがあれほど力を得たのか。
今となってはいろいろな研究も出ていて、その経緯はなんとなくわかるし、狂気の沙汰だと感じるけれど、もし自分があの時代に生きていたら、どこまで冷静に考えられていたのかは大いに疑問だ。
(そもそも、何が起きているのかすら把握するのが大変だっただろうし)
同じように、何十年も経ってからジョーンに「なんであんなことをしたんだ」と詰め寄るのは、少しナンセンスなのかもしれない。

しかも、彼女には理由があった。
機密情報を敵国に渡したことについてはもちろん反逆罪だけど、その理由は、彼女があの時代にあって考え抜いた答えだったのだと思う。

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UNEmi

4.5ジョディ・ディンチ!

2022年1月15日
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鑑賞方法:VOD
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marco

3.0主義主張、システムの為に人を騙したり、利用するをよしとする、組織、...

2022年1月5日
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鑑賞方法:VOD

主義主張、システムの為に人を騙したり、利用するをよしとする、組織、集団は、右であれ、左であれ、中道であれ、勘弁してほしい。
人の良心をもて遊び、利用する人には辟易。
義に生きようとすると、我利我利の私利の輩ばかり集まってくる、今日この頃。

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J417

2.5スパイに至る経緯の描き方

2021年11月12日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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よし

4.0美人

2021年9月13日
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GAB I

3.0祖国を裏切っても…

2021年8月29日
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KEI

5.0過去との向き合いかた

2021年7月25日
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五十年近く前の罪を告発する国。
日本では過去は過去として、なんとなくうやむやにすることが当たり前のように扱われる印象。それは、善きにつけ悪きにつけで、すべてが忘却の彼方へ。一方、ヨーロッパは、特にナチス問題や、コミュニズムのことは、今も当たり前のように議論されるし、領土問題も過去から現在まで繋がっているから当たり前と言えばそうなんだけど、やはり、石の文化と紙と木、式年遷宮の違いが、過去との向き合いかたに表れてくるのかな。

本作は、過去と現在の切り替わりが分かりやすくて、個人の問題、国家間の問題、そしてその時代感というのが鮮明に描かれていて、分かりやすくてすごく面白い。ジョーンのいうように、あの頃のことは今の人にはなかなかわからないのだろうな。

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マッターホルン2

4.0出番は少なめでも、ジュディの演技圧巻。

2021年7月14日
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一言「そんなことが、あったんだね」。実話物です。

ジュディはストーリーの1/4ぐらいしか出てません。
残りは若い頃の話の回顧。
今と過去の話が、行ったり来たりするけど。
二つの時間軸共通に出てくるのは、彼女演じる「ジョーン」だけなので。
わかりやすかったです。

ケンブリッジ大学で原子物理学を学んだジョーン。
就職した先で「知り得た情報を他言してはならない」ことにサイン。
大学時代の恋人であっても、仕事の中身は話せない。
でももし恋人が、ジョーンの情報が欲しくて困っていたら?。
私だったら、ぽろっと言っちゃうな。

その中身が「原子力爆弾」を作る技術の話。
日本に投下された2回の悲劇を、ニュースで知ったジョーン。
彼女は「どの国も同じ情報を持っていたら、戦争にはならない」。
なるほどね。その行動力、結果的に「情報漏洩」=反逆者と見做される。
それが80歳すぎてから捕まるって、どうなん?。
その時間の長さの説明が、なかったんだよね。残念。

終盤はジュディ圧巻の演技とラストに、どこか背筋が伸びた気も。
彼女の行動がなかったら。エンドロールを眺めながら考えました。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「歴史を振り返れば、私が正しかったことがわかる」

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ゆき@おうちの中の人

3.0あなたは神か

2021年7月6日
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イギリスの女性物理学者は原爆の開発に関わっていた。
周りにはソ連シンパの共産主義者が多くいた。
情報提供を求められ、断っていたものの、ヒロシマの惨状を目の当たりし、原爆技術を共有化すべきと考えるようになる。
この人物、自分自身を神のように考えているのが気持ち悪い。

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いやよセブン

4.0堂々たるジュディ・デンチ主演映画

2020年11月22日
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しろくま

4.0普通のおばあちゃんが。

2020年11月5日
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典型的な英国の庭付きお家に住んでいるおばあちゃん。まさかの展開に途中からぐいぐい引き込まれました。内容もなるほどなんですが、若き日のジョーンが着ているお洋服が可愛い。帽子も手袋も素敵。特にソニア宅を悩みながら訪れる時のコートがとってもシックでちょっとハラハラのシーンなのに(あのコート欲しい)って。ディビットデンチの演技は流石ですねぇ。

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ジジの母

4.5大国の均衡・・・その危うさ

2020年10月31日
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知的

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こころ

3.0周りの友人にはご注意

2020年10月6日
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007のM役で知られているジュディ・デンチがスパイ役をするの?ということで、観に行きました。
ジュディ・デンチは歳に合った演技をしていましたが、個人的には若い頃の役を演じたソフィー・クックソンの演技の方が良かったです。
(登場するシーンが多かったから、そう感じたのかもしれませんが)
ストーリーは、過去と現在とを織り交ぜながら、次第にジョーンのスパイ活動が解き明かされるのですが、スパイ活動と言うより、彼女をスパイ活動に誘導して行く、周りの人々が怖くなりました。
怪しい宗教の勧誘も、こんな感じなのでしょうか。
それから、ジョーン自身も、周りに流される性格みたいですね。
自身は自分の信念を持っているようですが、周りから見れば、スパイ活動に変わりありません。
時代のせいでなく、彼女自身が招いた結果だと思いました。

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はるっち

3.5抑止力。相互確証破壊。

2020年9月20日
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もしも。
あの時日本が、即時報復が可能な、核弾頭付きICBMを持っていたら、アメリカは広島に原爆を投下したか?

あれ?Wikiの相互確証破壊の記述が、一時期ほぼ全削除に近い状態だったのに、少し復活してる。もっと中国の事を詳細に書き込むと、飛んじゃうんですよねぇ。なんでだろう。南シナ海で、米中が衝突しなければならない理由が知れ渡るとまずい?w

いずれにしても、アメリカが核兵器を独占する世界なんて、悪夢っすよ。力の均衡は必須。
また、彼女が重要な機密をソビエトに渡していたにしても、最大の問題は「起爆装置」。

映画の中でも説明が足りてませんが、大量のウランやプルトニウムが、「一気に核分裂反応」を起こさなければ、爆弾になりません。原爆の起爆装置製造には、高い製造技術が必要ですし、「爆弾」としての開発は、「起爆装置」の開発、と言っても過言ではありません。理論物理の研究室では、その開発は出来ない。ソビエトに渡った情報では、数年の開発期間を短縮する程度の効果しかないのではないかと思われます。

KGBに消されずに済んだのは、レーニン体制崩壊まで海外にいたからなんですかね?

ちなみに。レーニンが核兵器を持つのは悪夢ですか?
中国が持ってますけどね。この先、10倍にするって公言しましたけどね。
彼らの何が怖いって、自国民に対して使いかねないとこです。

あくまでも結果論ですが、彼女のしたことは、3発目の核爆弾が使用されることを防いだ。と言えるのではないかと思います。映画としては、「一人の女としての想い」と対立する「科学者のしての立場と使命」の対比が解かりやすくて良かった。なんと言っても、ソフィー・クックソンが美人さんで良いです。

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bloodtrail

4.0平和への想い

2020年9月12日
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うみ

3.5その理由は大局を見ているのだが…

2020年9月5日
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ジュディ・デンチ演じるスパイ容疑で逮捕された80代の老女・ジョーン。戦時中は核開発に関わり、広島・長崎での原爆投下を経てロシアに機密情報を流した。

今作のポイントはその理由。

彼女が語った大義名分は戦後間もない頃では考え難い。実話をもとにした小説を脚色したというが美化し過ぎたのかも。

モヤモヤしながらソフィー・クックソン演じる若き日のジョーンの行動を追った。

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エロくそチキン