グッバイ、リチャード!のレビュー・感想・評価
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よくある余命系映画と一線を画すドライさ
この映画の主人公は、死期を悟ったからと言って明るく楽しいイベントで余生を充実させたりはしない。自分を粗末にした人間に中指を立て、息苦しい分別を踏みつけにすることで自分を解放し、人生の憂さを清算する。
リチャードは肺がんで余命半年の宣告を受けた直後、娘からレズビアンをカミングアウトされ、妻から不倫を告白されるが自分の病気のことは家族に言い出せない。
この夫婦のやり取りが終始超がつくドライさで、そのためか作品全体の雰囲気まで何だかシュールだ。共感は全く出来ないが(気持ちが付いていけず中盤少し眠くなった)、この雰囲気のお陰かお涙頂戴感や病気物特有のウェットさはかなり排除されている。
性に解放的になり、仕事中含め好きな時に酒もクスリもやる。その姿もどこかコミカルに描かれておりあまり悲壮感はない。親友のピーターなど極一部の人間には病を打ち明けるが、その打ち明けた相手とさえ感傷的な距離の縮め方はしない。(ピーターのような親友が一人いればある意味幸せな人生と言えそうだが)
シニカルな姿勢で余生を突っ走るリチャードの行く末は…えっここで終わるの?これってつまり…そして犬は…
最後まで、普通の余命系映画に帳尻合わせすることはない。
余命を宣告されていっそう自由奔放な大学教授!?
病で余命を宣告された主人公たちは、様々な方法で人生の最後を締め括ろうとする。ジタバタせず時の流れに身を任せたり、自暴自棄になったり、旅に出たり、等々。しかし、ジョニー・デップが演じる大学教授のリチャードの場合は、ちょっと違う。自分のゼミを受講する学生を片っ端から追い出したり、酒やドラッグでヘロヘロになったり、××××したり、等々、自暴自棄に自由奔放さと、常に真顔な分、独特のユーモアと、さらにペーソスが追加されるのだ。何よりも、常識にとらわれない破天荒な行いは、役の設定を飛び越してジョニー・デップ本人をイメージさせて独壇場なのだ。惜しむらくは、前半のぶっ飛びぶりに比べて、後半が若干凡庸な展開になること。だが、それも含めて、キャラクターアクター(性格俳優)と呼ばれて久しいジョニー・デップならでは個性が詰まった久々の日本公開作なのだった。
年々増えてきた“終活もの”の1本
ジョニー・デップにしては珍しく、小規模予算のインディペンデント映画での主演。ティム・バートン監督作での奇人変人、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジャック・スパロウといった濃い劇画的なキャラや、ギャングやスパイなどハリウッドスターなら誰でもやりそうな役を延々とこなし続け、そろそろいい歳だし“普通の男”を演じてみたいと思ったのか。
重病で余命宣告を受けた主人公が、しがらみや建前や世の決まり事に縛られる生き方を改め、思ったことを言いやりたいことをやって限りある生を謳歌するという、まあありがちな筋。デップが演じることでユーモアとペーソスがおのずと立ち上がるし、たとえばゲイの教え子によるアプローチへの反応などは今どきのセンスを感じさせる。これが2本目の監督作で脚本も兼ねたウェイン・ロバーツの演出は、それなりに手堅さはあるものの、個性を発揮するには至っていない印象だ。
余命を知り死生観が芽生える
精一杯に生きてきたか、
悔いなく生きられたか、
目を背けてきたことに
真っ正面に受け止められるか。
最後、遠くに向かうとき
右でも左でもなく、
道なき道を進む
終わり方が印象に残りました。
来た!
家族構成や職場環境など似ている部分もあり、自分に置き換えながら見ました。
死の現実を知ったとき、恐怖と寂しさ、絶望感に押し潰されることしか将来をイメージ出来なかったけど、これだけハッキリ切り替えて思い通りに行動出来るのなら面白いと思わせてくれます。
最後は結局、全てから離れることを選択するのだが、私には一人になるのが恐怖でしかない。
そして予想とは真逆の最後‥
この最後で私としてはリチャードに共感出来るのだが、映画としては逆の選択をして欲しかった‥自分には思いつかない新しい死の迎え方を示して欲しかった。
でもジョニー・デップの演技力や雰囲気もあるのだが、家族や仲間と本音で語り合うことで分かりあえるようになって行く姿に感動を覚え、生きることの意味を改めて考えさせられる良い映画だと思います。
人生の終焉
なかなか深みのある映画でした。
私の年代になるといつ何時病気になるかもしれないので、そういう時がおとずれた時に悔いのない生き方をしたいものです。
日々の生活で我慢していることが多々ある中、人生を謳歌しないでいるのはもったいないと思わせてくれました。
決める時は決める
ジョニーデップ扮する大学教授リチャードブラウンは、医者からステージ4の肺ガンだと宣告された。治療しても1年。リチャードは荒れた。さらには娘はレズビアンと言うし、妻は不倫していると言う。リチャードは治療は受けずひとりで死なせてくれと言った。
余命あと半年だと分かったら自由に生きたいと思った訳だ。自暴自棄にもなるかもしれない。死を覚悟したとしても妻にも 娘にも話せていない。秘密を知っている周りの友人も辛いね。強い意志を持てたとしても辛い事だ。でもさすがに教授だ。決める時は決めるね。ジョニーデップはやはり名優だったな。
残された180日の生き方
余命宣告をされた時、自分はどう生きるか。
考える機会にはなったけど、
リチャードの生き方は自分ではどうだろう?
自暴自棄、自分勝手に生きてみるだろうか?
共感出来る部分と出来ない部分、
憧れと軽蔑色々思いながら観ました。
こう言う系の映画だと残された時間で
今までにない派手な事やろうぜ!と言うのが多い気が
するけど、
リチャードの場合は時間がもったいないと言いながら
割と今までと同じ生活空間で過ごすので、
映像としてのメリハリはなかった。
ただ、ラストのリチャードの演説はとても良かった。
今までの生き方への悔いと、
自分のいない人生を生きる人たちへの、
死を身近な友だちとして、一瞬一瞬を生きろと言う
メッセージは共感出来ました。
しかし、その後の奥さんとの別れは釈然としなかった
のは私だけだろうか、
奥さんの演出はあれで正しいとは僕は思えなかった。
リチャードがいなくなってから号泣とかして欲しかったなぁ。
新たなジョニーデップを見れた。
昔からジョニーデップのファンで今回やっと鑑賞。
今まで演じるのは風変わりな役が多く、一般人の役なんて何十年ぶりだろうと思ってしまった。
大学教授というどこにでもいる男性を演じているがイケメンには変わりはなく、こんな大学教授がいたら教え子といい感じになること間違いないなと観ていて感じた。余命宣告された教授の話だが本当のジョニーの話ではなく本当に良かった。ジョニーの余命があと何ヶ月?信じられないし、信じたくない。
今回観て感じたのは、メガネをかけている姿、犬を撫でるシーン、ハグをするシーン、動作一つ一つを真剣に見ていることに気付く。今までの映画は内面のインパクトが有りすぎて容姿をよく見るという感覚が無かったのかもしれない。
この映画はイケメンジョニーを1時間半みっちり堪能する映画と言っても過言ではない。
物語について言えばラストはどうなったのかイマイチ理解できず、観る人の判断に委ねるといったところか。どう読むかによって犬を連れて行ったことへの批判も出てくる。
※最近のジョニーデップのニュースはずっと裁判のことだったので、これからは映画のネタで私の気持ちを盛り上げてほしい。これからもずっと大ファン。来日したら会いに行くよ。
余命半年ってファック!なんだな
何かが特別残るわけでも無いけど、愛せる主人公にクスッと笑える映画。ジョニーデップが演じていることでより一層その気持ちが増す。
死を目前に毒は吐くけど人を大切にしている。それがジワッと温かい気持ちにさせてくれる。
リチャードは病気になる前からきっと魅力的な人間だった、そうでなければあんな風に多くの人から愛されたりしない。
ただ死ぬからって何でもして良いわけじゃ無いけどね…。
いつ死ぬのかは知りたくないのだが、知らされたらちょいと困る。
余命180日だと知らされた凡庸な大学教授をデップが演じる。大いに足掻き倒す。絵に描いた未練たらしい中年オヤジのカッコ悪さを必要以上に演じ倒す。終始酔っ払いのくちぶりに、その毒舌ぶりには閉口させられたけれど、しかし、どうだろう?あり得る言動や行動だと痛切に感じ入ってしまう。
人はある日突然死ぬのが一番幸せなのだと思う。そう、気が付いたら死んでいた。。。。というのが幸せなのだ。リチャードもきっとそう思っていた。しかし、知らされてしまった。医者という輩は無責任な人間がなる職業なのだ。「死」が特別な事柄にされてしまったのはいつからなのだろう。ある解剖学者が言う。この頃世間では人は病院で生まれ病院で死ぬ。日常から完全に切り離してしまい「死」は異常なものとして取扱い、思考させないように厚い蓋をしてしまったようだ。
「死」を考えることは大切なことである。それは、いかに生きるかを考えることなのだからだ。
そこに辿り着こうなどと思ってはいけない。そこなど何処にもないのだ。一瞬一瞬の不思議を感じ取り、解明するために全力を注ぎ、黄昏ばかりを求めず、朝の光りに身を晒すことが必要なのだ。
今のこの世間だからこそ、この映画は存在感を増すのだろう。
特に、若い人たちは深く考えた方が良い。
イタリア人は、「人生は底を打ったら、底を掘ればいい・・・・」と言うらしい。
名言である。
『凡庸になるな』というメッセージを学生に向けて主人公は言うが、この...
『凡庸になるな』というメッセージを学生に向けて主人公は言うが、この映画は少し凡庸かなと思った。
しかし、本当にやりたい事を死ぬ前にやるなんて、案外出来ないのかも知れない。
突飛なことでなく、ただ家族や友を愛するという普通の事が実は大事なのかも知れない。
という演出?とも思ったが、単に凡庸なだけかもしれない笑
余命宣告モノは好みではないが面白く見た
余命宣告された男の描写がリアルである必要はないとは思う。
もし宇宙人がいたら。
もし空が飛べたら。
もしドラえもんがうちにもいたら。
そういうファンタジー的に見るのがいいのだろうか。
癌患者で余命宣告される人は
大抵の場合それ二つが同時にやってくる。
癌の罹患がわかったときに手遅れであるために余命宣告が付いて来るからそうなる。
夫は2019年の自分の誕生日直前に余命宣告を受けた。
あと数週間後に控えた定年のために有給休暇の消化中だった。
当時長女が住んでいたイギリスを夫婦で訪れ、帰国後は次女と孫を連れて温泉へ。
その後、便の異常を訴える夫に、再就職後には思うように休みも取れないから病院に行って置いた方がいいよと私が言って、そうだなとやけにすんなり行った町の医院から紹介状を渡されて総合病院へ。
そこでの驚きの診断だった。
俺 半年で死ぬらしい。
あまりにあっけらかんとした口調で電話口の向こうから言う夫は、実感が湧かなさ過ぎていた。
すぐに駆けつけた私と再度診察室で聞いた話は、にわかに信じるには想像外過ぎていたが、その診断は医者からのものであって町中(まちなか)のインチキ占い師の物ではなかった事をその後徐々に思い知る。
その数ヶ月前に、仕事で付き合いのあった人が肺癌だった事をフェイスブックで知ったばかりだったのが
自分の家族にも降りかかって来たのかと思うと俄かに重い気持ちがのしかかって来た気がしたのだった。
肺癌の彼はまだ若く私たちより一回りは下だったが、最後に会った時にずっと咳をしていた事を思い出した。
咳にはやはり抗生物質がいいですよ、気管の炎症が原因の場合は。
なんて言った私に彼は、どんな薬も全く効かないんですと言ったのが今思えば癌の症状だった。
医師からの余命宣告など信じない、絶対負けない、そう言って温熱療法だの丸山ワクチンだのに奔走した挙句、半年もせずに他界した。
夫は 医師から
今は大腸癌には いい抗がん剤がありますからと言われ、それを使えば二年、
え?
使わなければ二年?
ではなく 使わなければ半年で使って二年。
そういう話を医者とする私に夫は
もうこれ以上詳しく聞くな と言った。
余命宣告の受け止め方もしくは受け止められない精神状態は百人いたら百通りだろうと思う。
だがこの映画のリチャードのような終末は
私にとっては 絵空事でしかなかった。
親友の彼が真摯に善人で
彼の死をその胸で受け止めていた事以外は。
それでもこういう題材を他人事として
見る事が出来る自分ではあるのだなあと
見ながら思ったのだった。
大して本音も言わず、流れに身を任せてきた大学教授のリチャードが、ガ...
大して本音も言わず、流れに身を任せてきた大学教授のリチャードが、ガンで余命半年である事を知り、本音で生きだす物語。
学生と酒飲みながら本音で話したり、奥さんとお互いを尊重しながら本音で話したり…
もちろん死んじゃうんだけど、本音で生きる事の清々しさを感じさせられる物語です。
最期ぐらい思いのままに…
余命宣告されたら嫌ですね
出来れば知りたくない
もって半年
治療して一年
運がよくて一年半
確実に死が待っている
生きている間は苦痛、苦悩が伴う
…身も心も
まあ。最期の終わり方はともかく
こうありたいなみたいな所はあって
自分だったら。。どうするかなと
家族に隠して最後に告げる
…強い人ですね
自分に正直にありのままに生きられれば
…なかなか難しいです
ジョニー.デップらしい演技もよかった
余命ものだけど暗くならずに観ることができた
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