ブレスレスのレビュー・感想・評価
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北欧から届いた、奇妙な純愛映画
ボンデージに身を包んだ女性と、彼女がもたらす行為を恍惚の表情と共に受け入れる男性。思わず、一体何を見せられているのかと、こちらの方が顔を歪めてしまいそうになる。だが、物語を辿れば辿るほど、これが純愛映画に思えてくるから不思議だ。ではそこに描かれる愛とは何か。不慮の事故で亡くなった妻への愛?目の前のボンデージな女性への愛?それとも、もはや苦痛そのものが彼を癒すことのできる唯一無二の愛なのか?もはや正確な答えや境界すら曖昧になるほど主人公は沼にハマり「もっともっと」と求め続ける。興味深いのは男女が共に実社会で「癒す、治す」領域の職業に従事していること。この場所や行為は、彼らにとって自分の生業の延長線上にあるものなのだろう。そういった特殊な設定や人間描写が陰影を刻み、本作に奥行きをもたらす。さっきまで目を背けていたこの物語に引き込まれていく自分がいる。また一つ、奇妙で愛らしい北欧映画が生まれた。
ただただ嫌悪感
年頃の娘をほったらかして変態プレイに熱中するだけのオヤジの話。何してもいいって言う割には歯を抜かれるくらいで大騒ぎする性根の座ってなさ。だから自殺もできなかったんだね。最初は女王様の女の子の方には感情移入しかけたけど、このしょうもなキモオヤジをなぜか気にいるあたり全然共感できず。娘のこと気にしてくれるボーイフレンドがちゃんと現れたのだけがこの映画の唯一の救い。
映画的完成度の高いインモラル入門編!
ストーリー、芝居、映像、音楽
映画的要素の全てが高次元!
それでいて、作中で画いているのは過激なインモラル入門なので、人により合う合わないが有るのは理解するが、低評価付けても"映画"としての完成度の高さは認めて欲しいモノです。
フィンランドはレベルが低いのね‼️❓
どう捉えれば良いのだろう?
コントのようです。
最初はシリアス路線ですが!
歯は抜くより、ドリルで抉る方が痛いですよ、たまに歯茎を抉るとか、痛いですよ。
痛すぎるのがごめんなのが、SM、支離滅裂映画が、私へのSM。
久しぶりのトホホ映画でした。
明日、歯医者に行こう!歯医者に行こう🪥🦷ハハハ。
ただのSM映画
地元フィンランドのアカデミー賞をいくつか受賞しているとの触れ込みや、予告編映像を観てワクワクしたのですが、、、。
自分には合わなかったです。
ただのSM映画だと思いました。
こういう事もあるよね😅ドンマイ。
でも結構混んでた🤨
窒息寸前オーガズム
何かが吹っ切れたかのように自分の周りも改善に向かい、でもあの快感からは抜け出せない、抜け出せないどころかヒートアップする、踊り狂うあの笑顔。
妻の死や酸欠状態からの切っ掛けがありながら、隠れていた性欲が抑え切れない状態に、女の過去が曝け出されないまま相思相愛の男女に近付きながら。
まぁ、仕事も娘の事もシッカリとお座なりにならなければ何をしても、犯罪ではない限り。
次作が気になる監督ではある。
だんだん壊れていく感じが怖い。トラウマと倒錯って結び付くんだか? ...
だんだん壊れていく感じが怖い。トラウマと倒錯って結び付くんだか? 娘の感じがいい。断ち切られた運命、死に完全に従順になることと、そのシミュレーションとしての倒錯は、近い。でも、倒錯はもう少し演技的だから、この映画の世界は、どちらかというとメランコリーか。
好きな感じの映画ではない。
倒錯というより自傷系か。
で、最後は倒錯に落ち着く。信じられない笑顔。誰かが、解放と書いていた。でも、愛はないし。
何とも理解しえないSM嗜好者の愛の姿!?
プレスの宣伝には、”失くした果てに溺れる刹那な痛み。北欧から届いた、呼吸も止まるくらいに美しい愛と再生の物語。”とあるが、果たしてそうなのか!?
まず妻を亡くした喪失感をSM=首を締めつけられ酸欠状態に陥る中、妻の死の直前にトリップするというのが何とも理解しがたい事、また愛と再生の物語とあるが、とてもハッピーエンドとは思えない打算的なラストなど、個人的には共感できる部分が非常に少なかった。
かつての日活ロマンポルノがそうであったような愛の一つの形として捉えていれば、それなりの共感も得られたろうに・・・・・やはりここは北欧・フィンランドというお国柄の違いによるものか!?
見るに辛いハードな作品だった
SMを超えてしまった。プレイではなかった。危険だった。
妻と幼い娘と3人で幸せに暮らす外科医のユハ。
彼は妻の溺死により大きなトラウマを抱えた。
水中で網に絡まった妻を救えなかった。
生きる気力を失った。
一人娘と過ごした虚ろな10数年。ふと迷い込んだSMクラブでボンデージ姿のモナと出会う。
昼間はソーシャルワーカーとして働くモナ。多くを語られないが彼女もまた壊れていたのだと思う。男を辱めることでバランスを保っていたのでは。
ユハは首を絞められることを望んだ。酸欠状態になったとき死んだ嫁さんに会えた。どんどんエスカレートした。死んでも良かったんだね。きっと。
好きなジャンルだと思って観たが、許容範囲を超えていた。抜歯はダメだろう。目を覆った。娘も可哀想だった。
錯覚かも知れないが、自分はノーマルだと思った。
最後の笑顔に全てが救われました
俳優が皆素晴らしい。主人公も女王様も修羅場ですら抑えた演技で、映画であることを100分忘れさせられました。生きることに難しさを感じ苦しんでいる二人が、非日常の行為の中でのみ自分を解放し慰め合う。その行為は微笑ましくもあり神々しさまで漂い、見終わったあと二人の行く末に幸あれ、と心の中で祈っていました。
最後のシーン、主人公のぎこちない踊りや歯の抜けた顔での心底からの笑顔、女王様の口角が上がっただけの、しかし優しい笑顔には癒されました。
少し内容が違いますが、30数年前の韓国映画「暗闇の子供たち」のラストシーン、戦争で両脚を失った売春客を売春婦皆気味悪がって部屋に入ってしまい、気味悪がられた客がトボトボと帰ろうとしますが、主人公の売春婦だけが私に相手をさせて、と後ろから呼び止めるシーンを思い出しました。
窒息プレイ
妻を救えなかった自責の念から、何故SMに走ったのかが、よくわからなかったが、窒息プレイで幻覚の中で妻と会えるとなると、わざわざ他のプレイを要求しなくても済みそうなもんだが、そうはいかないところに何かの目覚めがあったのだろう。
思ったほど、どきつい演出にはなってなくて若干拍子抜けした。
解放の映画です
特別な人たちの特別な解放でなく、この映画を観た多くのフツーの人々が、解放されると思います。映画の中で人々は抱きしめ合いますが、観客もまた、この映画に抱きしめられます。アートぶってつきはなしてくる映画ではありません。
あと、ときに、薄暗く、見にくく、分かりにくい映像がいい!
手段とアプローチはヒトそれぞれ
鑑賞予定ではない一本でしたが、なんか気になってしまい。
いやぁーーー、意外、意外な一本でした。
「こんな作品じゃないかな?」と想定したことがことごとく外れる私ですが、この作品は
180度外れました。 良い方に。
SMや倒錯世界を描くアンダーグラウンドな作品なのかなぁ?と思ってましたが、違ってました。
ある人間の喪失から「愛」に目覚め再生していく話(なのかな?)でした。
何かを求めることには罪はない。それがアブノーマルと言われる行為でも。犯罪じゃないしね。
SMに限らず、相手がいて成立することについてはお互いが求め合い、提供しあう。
そしてお互いがが共に求め合うことを提供し合えたらこれほどベストなことはない。
そして提供し合うことで心が満たされるのなら。
手段がどうであれそれが実現すれば、それは愛の形の一つなんでしょう。
「ブレスレス」
素晴らしい題名ですね。全てをつなぐキーワードです。
失った要因であり、再生の要因でもある。そして、現実世界での状況も表しています。
最愛の妻を感じるためのブレスレスであり、
息がし難いほど強い喪失感。それもブレスレス。
息をする、生きるために、ブレスレスな、状況をつくるという巧みな繋がり。
そして、その状況を使って絶望からどう解き放たれることを主人公が求めるのか?
SMプレイには信頼関係が必要って聞いたことがある。
この作品は徐々にその信頼関係が築かれていく様=愛が育まれていく様と勝手に
解釈しています。歪な愛かもしれませんが。
ラストの笑顔は全てを越えて得た境地なのでしょうね。
喪失からくる絶望から逃げるためにMとなったが、これからは生きるためのM。
また本作は映像はなかなかのものです。詩的かな?と思います。
人間の心情を描き出しているような場面の数々は、本当に悲しくも綺麗なのです。
確かになかなかのグロシーンはあります。ですが、それ以外は穏やかに力強く
描かれていきます。
脚本、演出も良いと思います。SMを前面に押し出すことなく「純愛」を描き切っているのでは?と思います。
しかし、SM経験をされていらっしゃる方がご覧になったら、全く違う感想なのかもしれません。
ヨメニーパパ
湖で嫁が溺死して十数年、娘と二人暮らしてきた外科医の男が解き放たれる話。
娘の舌ピアスの施術に付き合い待つ間、店舗階下のSMクラブに迷い込み、客と間違われてプレイを仕掛けられ、目覚めて行くストーリー。
たぶん?その気がない自分には、お仕置きという名のご褒美の喜びについては共感出来ないけれど、何かにハマって行く様は共感出来るし、彼がその先にみているもの、思いは良くわかる。
沼にハマって行きつつも、堕ちていくのとは違うのが面白いし、傍から見たら壊れているけれど、本人的には至って正常なのも面白い。
そして何よりラストの表情は秀逸だった。
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