「シタール欲しい・・・」タゴール・ソングス kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
シタール欲しい・・・
1861年、インドのコルカタに生まれ、文学者のみならず、音楽家、教育者、思想家、農村改革者として天才的な偉業を残したタゴール。1913年にはアジア圏で初のノーベル文学賞を受賞したり、インド、バングラデシュ両国の国家を作った偉人として有名・・・らしい。主にベンガル地方の人に100年以上も愛され続け、2000曲を超える歌曲は今でも歌い継がれている。
インド音楽の独特なメロディもここから始まったのだろうか、どれを聴いても似たような音楽に聞こえてしまうのは、旋律そのものより、節というかこぶしにインパクトがあるせいだろう。むしろ彼の詩にどの時代でも通用する自然、祈り、愛、真理などがテーマとされ、現代においても、そこから進んだテーマを作れるような奥深さがあった。
最も気に入ったのが、世の中の無情さ、政権批判をラップに乗せて歌っていた青年たち。100年以上も前のタゴールの言葉にインスパイアされたと思える、彼らの訴えには前世代に通用するものがあるんだろうなぁと痛感。
また、日本を訪れたタゴールの軌跡を追うオノンナや、シタールを奏でながらタゴール・ソングを歌う夫人など、興味深い人間模様がいっぱい。すべてタゴールで心を通じ合わせるほど、偉大な人物であることがわかった。個人的にはラップの青年たちをもっと後半に登場させてもらいたかったかな・・・
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