アンダードッグ 前編のレビュー・感想・評価
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ここ数年で予告編だけで一番観たいと思った映画
主要人物は決して良い奴はいない。
むしろ森山未來と勝地涼にはイライラすらさえする。
それでも勝地は「自分は何者でもない」事を受け入れ、それでも必要としてくれる人の大切さに気付いた時に力じゃなく意地で勝負し、森山未來を圧倒させる。
噛ませ犬にも光と陰が生じてしまうもどかしさと切なさ。
しがみつく果てに何があるのか・・・
後編へ続く
完全にイロモノだろうけど。
淡々とした前半。まるでボクシングのジャブのよう。
前半は、それぞれのバックグラウンドを語るべく、
カット数も多く淡々と流れていったような気がする。
長丁場の映画だけに、割と飽きさせない作りにしたような感じ。
内容はわかりやすくて、メインとなる3人のボクサーの背景が見えて、
ラストの森山未來演じる末永と勝地涼演じる宮木の試合は、
両役者が巧く演じていた。
特に宮木が次第に自分の芸風に限界を感じながら、最初はテレビの企画に過ぎなかった
ボクシングに、自分の人生をかけるようになる様はなかなか良かった。
そこは勝地涼持ち前のキャラが活きていた。
あと、あまり関係ないかもしれないが、末永とデリヘル嬢のアケミが車内で、情事を重ねるシーンで、サスペンスドラマの殺人現場のような音楽が流れたのだが、あれ何かあえてB級っぽく見せていて面白かった。
あと、末永が行きつけの喫茶店の本棚に『はじめの一歩』全巻置いてあった。
前半で結構面白いな、と思わせてくれたので後半にも期待できた。
前半でグダグダだったら前売り買っている私からしたら最悪だったので。。。
くすぶり
無駄に長いよ、前編はつまらない
結論は、後編は面白いので、前編は前フリとして我慢してみるべし。
前編見終わってそのまま後編見る価値も迷ったけど観てよかった。
前後編に分けるのはいいけど、同日公開はない。
しかも上映館が少ないから、連続鑑賞。
ただでさえ長いのに辛い。
とはいえ、全8話で配信されても中だるみが凄いので観ないだろうけど。
無駄なシーンや繰り返しが多いので、まとめれば5時間でも2時間に収まりそう。
主役の3人は流石です。
特に森山未來は、まさに落ちぶれた日本ランカーに見える。ファンは必見。
前半の勝地涼は、、キャラが嫌い。感情移入も応援できないので、なんでそうなるの?と不満。
お笑い芸人が出過ぎ。
「つまらない」という役だけど、本当につまらなかった。
ようやく試合が始まる。
迫力は凄いけど、感情移入は出来なかった。
真剣勝負ではないように思えて。
岡村隆史対具志堅用高を思い出した。
あっちの方が感動的だった。
前後編見ての感想
【理由】
この作品は、ボクシング映画には欠かせないと考えられがちなハングリーとは異なるテーマがあるように感じる。
前編は、闘う理由を探すことがテーマだと思う。
晃は闘う理由がないまま闘っているのだ。
惰性、食べるため、太郎に良いところを見せたいとか…。
もしかしたら、もう一度、世界チャンプを目指せるかもしれないという微かな期待もあったのかもしれない。
だが、全て曖昧だ。
だが、宮木にエキシビジョンの試合で、圧倒される。
宮本が強いからではない。
とにかく必死に食らい付いてくるファイティングスピリットと、その背後にある判然としない理由、そして、それを後押しするジムのセコンドなどにだ。
理由があって闘うものは強い。
晃は、それが何か知る由もないが、圧倒されたのだ。
宮木は、晃にボコボコにされたが、自分の道に決着をつける。
親の七光から抜け出すのだ。
何気なく過ごす日々。
仕事をするにしても、僕達は何か意義を見出せているだろうか。
それに真摯にというか、真面目に向き合っているだろうか。
後編は、晃と龍太との運命が交錯していく。
それはモーニングムーン
元日本ランク1位の落ちぶれた嚼ませ犬の晃と、彼のファンだったヤケに馴れ馴れしいプロ試験を控えた龍太、大物俳優を両親に持つ合コン芸人と呼ばれる番組の企画でボクシングを始めた瞬という3人の話。
デリヘルの運転手をする晃の過去とやさぐれた現在をメインに話が展開していき、龍太は人物紹介程度、中盤以降は空回りする現実に抗いたい瞬が絡んでくる展開。
やけにデリヘル嬢明美とのことを多くみせているけれど、ここについての思い等は何なんでしょう?まあ、やさぐれ感を重ねる為のものということかな、と後編でしっかりみせてくれることに期待して。
後半慌ただしく登場した、瞬目線でみると胸アツ感動な展開で、隣の席にいた女性は鼻水じゅるじゅる。
晃目線やボクシングとしてみると正にあり得ない話で、それこそそんなアホな…。まあ、それが狙いではある訳だ。
晃に関する物語はムダが多いし中途半端なものも多いけど、前編映画としては一応一段落ついていた終わり方だしね。
それぞれに、鬱屈とした男達のプライドや奮起の物語が、重く哀しく寂しくとても面白かった。
…そして、8回戦!?
まだ、くすぶってる。
このキャッチコピーの通り、森山未來さん演じる末永は特に前編、ひたすらかっこ悪い。でも心のどこかに持っている末永なりの誠意みたいなものが、ほんの少しかっこいい。ラストの末永の目が、今も脳裏に焼き付いています。
末永、大村、宮木はもちろんのこと登場人物一人一人がとても愛すべきキャラクターで、みんなくすぶっていてどうしようもない。どうしようもないけれど気づいたら、見てる自分も一緒になって戦っている気持ちになりました。
どうしようもない自分を認めて、周りからの低い評価も受け入れて、それを乗り越えることは本当に難しい。その難しさと乗り越えた後のひらけた空気を、4時間半の前後編でめいいっぱい感じてきてください。次の日の生きる活力に、なるかもしれません。
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