劇場公開日 2020年11月27日

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「未知の世界」アンダードッグ 前編 イナヅマゴローさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5未知の世界

2020年12月10日
iPhoneアプリから投稿

前後編とも鑑賞。大変面白い。
もっというと後編の方が圧倒的に面白い。

あゝ荒野に似ていなくもないが、正直どっちもいい作品なのでよしとします。

場末感が半端なく、多くのボクサーはきっとこういう場所から拳一つでのし上がるのだろう。そして井上選手のように、ここからラスベガスのスポットライトを浴びる一部の天才がいることは本当にアメリカンドリームそのものだ。

それにしても特異なスポーツだ。多くの格闘技についていえるが、とりわけボクシングは試合に臨むたび必ず何処かに傷を負う。いわば怪我をするためにリングに立つようなもの。
スポーツマンシップといいながら、死地に赴く戦争みたいなものだ。

一般の男子にとって、よく知っておりながら実際プレイすることはないボクシング。
未知なる世界であり、そこに非常に強く惹かれてしまう。

武監督は場末感の強い作品が非常に巧い。ひさびさに韓国ノワールに対抗できる日本の映画を見た気がした。こういう作品はキャストもスタッフもきっと現場で真剣勝負なのだろう。

森山未來はもちろん、北村匠海も筋肉量は兎も角、さくらの時からみたら体を絞ってきていたし、惜しむらくは勝地涼のおっぱいがたるたるだったことと、演じるミヤギのギャグが芸人とは思えないほど寒かったことだ。

ちなみにデリヘルの店長とロバート山本、ついでに意外性があった熊谷真美のキャスティングはすばらしいと思います。

イナヅマゴロー