劇場公開日 2021年1月15日

43年後のアイ・ラヴ・ユー : 特集

2021年1月4日更新

アルツハイマーのフリし、記憶を失った元恋人と再会!?
“人生最大の嘘”の裏にあった、43年越しの愛

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記憶を失ったかつての恋人に愛を伝えるため、アルツハイマーのふりをして、彼女がいる介護施設へ会いに行く――。想像を超えた設定で幕を開ける「43年後のアイ・ラヴ・ユー」が、1月15日から公開となる。

「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」の名優ブルース・ダーン演じる男クロードが仕掛けた、“人生最大の嘘”。なぜ彼は、そうまでしてかつての恋人に会いたかったのだろうか?

人が人を思うことの尊さが、優しく胸を満たしていく……映画.comが自信をもってオススメする新年最初の1本にふさわしい感動作だ。


【予告編】記憶が消えてしまった君に、もう一度「愛してる」と伝えたい

【胸打つ設定】43年の別離、失われた記憶凌駕する愛
【ポジティブな物語】第二の人生への力強いエール

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物語の主人公は、妻に先立たれ、ひとり気ままな老後生活を送っていた70歳の元演劇評論家クロード(ダーン)。ある日、昔の恋人で元人気舞台女優のリリィ(カロリーヌ・シオル)がアルツハイマーを患い、施設に入ったことを知る。

もう一度リリィに会いたいクロードは、ある大胆すぎる計画を思いつく。それは、アルツハイマーのふりをして、彼女と同じ施設に入居すること。娘や孫やあらゆる人をまんまと騙し、見事に入所することに成功。しかし、素面がバレたらどうなるの? 想像するだけでハラハラドキドキ……果たして、クロードの運命やいかに?


人生最後に、生涯で一番愛した人に自分を思い出してほしい…“優しい嘘”に隠された理由

人生の終盤に差し掛かったクロードが、気ままな老後の生活を捨て、奇妙で危険な行為におよぶ理由はなんなのだろうか? 願いはただひとつ、生涯で一番愛した人に「自分を思い出してもらう」ことだった――。

首尾よく施設へ入れたクロードは、自身の存在がリリィの記憶から消えているにも関わらず、毎日彼女に思い出を語り、愛を伝え続ける。そんなクロードに、リリィもどこか懐かしく、あたたかな思いを抱くように……。ふたりの心が少しずつ通い合っていくさまに、誰もがうっとりしてしまうはず。

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いくつになっても、愛があれば人生は輝きだす…毎日を前向きに楽しむヒントがつまった物語

斬新な設定とともに紡がれるのは、クロードとリリィの純愛の物語。リリィとの思い出の手紙や写真を見てほほ笑み「本当に愛していた、今でも」と呟いたり、43年振りの再会にソワソワしたりと、青春時代に時間が戻ったかのように初々しいクロードがかわいらしい。

再会し、なかなか視線が交わらないリリィを悲しげに見つめながらも、彼女を献身的に支え続けるなど、あらゆるシーンからクロードの愛情の深さが感じられる。

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さらに、人生を前向きに歩むヒントがちりばめられていることも、本作の魅力のひとつ。クロードとともに老後を満喫する親友シェーン、それぞれのペースで日々を送る施設の仲間たち――魅惑的なキャラクターたちによる、心躍る様々な“第二の人生”が展開する。

いくつになっても、そしてどんな困難に見舞われても、大切な誰かを思い、自分自身を諦めない気持ちがあれば、人生は輝きだす。そんな力強いメッセージがこめられている。


豪華キャスト、テーマ、ロマンティックな恋…
映画ファンの心をくすぐる3つの魅力

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本作が「映画.comオススメの良作」である理由は、ストーリーの面白さだけではない! ここでは「豪華キャスト」「もうひとつのテーマ」「ロマンティックなアイテム」の3つのポイントに分けて、魅力を紐解いていく。


[キャスト]「ネブラスカ」B・ダーンがチャーミングな演劇評論家に! “親友” B・コックスと企む計画とは

映画ファンにとって見逃せないのは、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」以来となる、ブルース・ダーン待望の主演作であるということ。アルフレッド・ヒッチコック、フランシス・フォード・コッポラ、クエンティン・タランティーノら巨匠たちから愛されてきたダーン。第66回カンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を最年長(77歳)で受賞し、賞レースを席巻した「ネブラスカ」では、無口な頑固親父に扮した。本作では一転、自らをアルツハイマーだと必死に偽り、かつての恋人のために右往左往するクロードに扮し、とびきりチャーミングな姿を楽しむことができる。

クロードの親友シェーン役には、「ボーン・アイデンティティー」シリーズやドラマ「キング・オブ・メディア」で知られるブライアン・コックス。クロードの強引な頼みに振り回され、ぶつくさ文句を言いながらも、あたたかく見守る役どころだ。ハリウッドのレジェンド俳優ふたりが手を組み、嘘がバレないように協力するコミカルな掛け合いに、思わず笑いがこみ上げてしまう。

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[もうひとつのテーマ]現代社会を生きる家族の様々な問題が、あたたかく照らし出される

ポジティブで心あたたまるストーリーの中に、介護施設での老後の生活や配偶者に先立たれた高齢者の晩年、不倫など、現代社会を生きる家族の問題が、軽やかに織りこまれている。個性豊かなキャラクターたちが抱える、リアルな悩みごとを見ていこう。

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クロード:妻に先立たれひとりに……。娘婿の浮気が許せず、本当は娘と孫娘と一緒に暮らしたい

娘セルマ:ひとりで暮らす父クロードを心配し、12年連れ添った夫の浮気に複雑な感情を抱く

孫娘タニア:浮気をした父を許せない、学校にいる憧れの男子との恋も前途多難

親友シェーン:離婚後はひとり暮らし。クロード同様、忘れられない恋の思い出を抱えて生きている

リリィ:もとは人気舞台女優だったがアルツハイマーになり、高齢者施設に入居した


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劇中では、登場人物たちが新たな一歩を踏み出す“成長”が描かれている。人生を輝かせるポジティブなパワーに溢れたそれぞれの決断を、そっと見守ってほしい。


[ロマンティックなアイテム]シェイクスピア、ガーシュウィン、ユリの花束…ふたりの恋を彩る仕掛け

演劇評論家クロードと、舞台女優リリィの恋を彩るのは、若き日のふたりの思い出でもある、数々のロマンティックなアイテム。劇中には、リリィの記憶につながるような要素がちりばめられているのだ。

シェイクスピアの戯曲「冬物語」(かつてリリィが演じたという設定)のセリフやガーシュウィンの「エンブレイサブル・ユー」、部屋いっぱいに飾られたユリの花束など、聴覚や嗅覚から記憶を刺激。それらを通して、観客もまさに全身で、浮き立つような恋のときめきを体感できる。そしてカルチャーを愛する人であれば、思わず憧れてしまう理想の恋が描かれているのだ。

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鑑賞していて特に印象に残るのは、シェイクスピア作品とのつながりだ。まずは、夫と愛人の狭間で揺れながらも、最後まで夫を裏切らない妻を描いた「冬物語」。葛藤する王妃ハーマイオニを舞台で演じたリリィ自身の人生とも重なり、また彼女の記憶の鍵を握る作品でもある。

さらに、43年前にクロードがリリィからもらった手紙には、ハムレットがオフィーリアに宛てたラブレターの一節「星の燃ゆるを疑えども……」を引用。オープニング映像にはヒントがちりばめられているので、目を皿のようにして見てもらいたい。

シェイクスピアを中心に、細部にまでカルチャーへの目配せが利いた、演劇愛や文学愛に満ちた物語に仕上がっている。ロマンティックな仕掛けの果てに、ともに美しいものを愛してきたふたりに待ち受ける、魔法のような奇跡から目が離せない。

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