劇場公開日 2020年10月16日

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「シリアスだけどキッチリとエンタメ!」薬の神じゃない! kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0シリアスだけどキッチリとエンタメ!

2020年10月25日
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鑑賞方法:映画館

実際に起こった、白血病治療のジェネリック薬の密輸事件をベースにした物語。
金に困った滋養強壮剤販売の男が、白血病患者から頼まれインドからジェネリック薬を密輸するようになるという流れ。ジェネリック薬だが中国で認可されていないため密輸となること(そして結構な重罪)、高額な薬代に苦しむ白血病患者とその家族、中国で唯一白血病治療薬が認可されている製薬会社の利権を守ろうと暗躍する姿をキッチリと伝えながら、エンタメ作品として楽しめるものになっていた。
徐々に仲間が増えていく流れや、仲間の絆が強まっていく流れはチームものとしてちゃんとしていたし、警察だけじゃなくて悪徳業者も敵役として存在感があったし、金儲けのために動いていたチョンが変わっていく姿も王道でいい。そして、何よりも裁判後に移送される車のシーンだ。白血病患者たちが沿道に並ぶところは感動してしまった(こういう「今を生きる」方式に弱いだけなのだが)。
マスクをする者が白血病患者というイメージは、リュが亡くなったときにも活かされていて、うまい脚本だなと思う。楽しめて考えさせられるというとてもいい映画だ。

kenshuchu