「前評判に偽り無し!」薬の神じゃない! 死亡遊戯さんの映画レビュー(感想・評価)
前評判に偽り無し!
2014年の実際に起きた事件を基に、話を少しだけ昔の2002年に設定。
これ、どうやら習近平・中国共産党政府を刺激しない為だったようだが、その辺の遠回しな批判的ストーリーがヒーローを生み出す。
コメディと紹介しているサイト、ライターも多いがコメディではない。
確かに中盤まではその傾向もあるがコミカルなだけで、後半はサスペンス要素も含んだシリアスな人間ドラマへと違和感なく変貌する。
中共政府を刺激せぬよう取り込んだフィクション的要素が結果としてドラマチックな展開を生み、それにより個性豊かな俳優陣が演じた登場人物も非常に魅力的キャラクターとして見る側の圧倒的共感を招いた要因になっている。
一見の価値あり。
最後に。
この手の製薬会社による暴利むさぼり、日本でも本庶佑京大名誉教授の研究チームが開発したガン治療薬効を小野製薬が「オプジーボ」として、ひと瓶73万円もの高値で売り出し大批判され、政府の介入により半額に下げさせられるや逆に売上倍増、なんて事例もあるなど我々にも身近ではある。
最近「真逆」の事例として、新型コロナ感染初期に効果的とされ、中国でも現地ジェネリックが大活躍した日本発の「アビガン」が低価格の万能薬すぎて医療薬関係者から副作用を理由に潰されかけ、承認前ではあったが安倍首相が「患者の自己責任」に於いて使用を促進させるなど、ジェネリックが普及しない日本でも医療薬にまつわる胡散臭い話は掘れば掘るだけ出てきそうだ。
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