「秀作。単なる美談でないのが良い。主人公も上海の下町のちんけな薬屋から”药神“になるまでを丹念に描いている。しかし、中国映画に描かれる中国の姿にはいつも驚かされる。「人民日報」とのこの違いは何?」薬の神じゃない! もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
秀作。単なる美談でないのが良い。主人公も上海の下町のちんけな薬屋から”药神“になるまでを丹念に描いている。しかし、中国映画に描かれる中国の姿にはいつも驚かされる。「人民日報」とのこの違いは何?
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①実際は中国の医薬改革がこの話のお陰だけで進んだわけではないだろうし、脚色も結構入っているんだろうけれど、話の進め方を脚本も演出も良く解っている。②中国人が家族を大事にする人たちだということが良くわかる。③決してハッピー一方の話ではない。観客は主要人物二人の死に向かい合うことになる。前半でチョウがショウイーの奥さんに感謝されるところは感動的だが、後半は残念ながら悲劇へと転ずる。③クライマックス、安価なジェネリック薬のことをネットを通じて全国の白血病患者に知らせ、続々と反響が集まってくるくだりは、ネット社会中国を上手く背景にして感動的なシーンとなっている。④主役のチョンを演じるシュー・ジェンが良い味を出している。リウ牧師役の俳優さんが⚪⚪⚪⚪にそっくりなのはご愛敬。⑤ぺてん師チョウの言う「世の中に病はひとつしかない、それは“穷苦(貧しさ)だ”という台詞は重い。そのチョウも最後はチョンを警察に売らなかったことで良心の欠片は残っていることがわかる。⑥(この映画に)泣かされました。
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