劇場公開日 2020年10月16日

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「これも一つの体制翼賛映画。でも、面白いですよ。」薬の神じゃない! お抹茶さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5これも一つの体制翼賛映画。でも、面白いですよ。

2020年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

中国においては検閲制度があるため、政府を批判する作品は制作できても公開できないそうです。

この作品は、
 未承認薬の密輸入した犯罪者が主人公
 医療保険制度が未整備という中国社会の暗黒面を描いている
  という点で、公開が難しかったと思われます。
検閲による公開不許可を回避するため、
 物語の設定年代を少し前に置き直し、
  その後の医療保険制度の整備
  外国の薬への高額な関税廃止
  主人公の〇〇の短縮
   を行った現政治体制を翼賛したこともあるんでしょうね。

事実をベースにしていますが、主人公の属性変更(患者→精力剤のお店の経営者)など、より面白みのある話に変更したそうです。

話自体はとても面白くて、
 お金目当てにジェネリック薬をインドから密輸入した主人公が、患者をとりまく悲惨な状況を見て、また、一時は一緒に事業に取り組んだ仲間の行く末に影響をうけて、良い人になろうとします。
 その結果、△△△△受けるわけですが、恩を受けた患者たちが□□□するんです。

はっきり言ってしまえば、「ベタ」な作品です。物語の作り方としてはよくある話です。
それでも、泣きと笑いをうまく混ぜてテンポよく進む話はとても魅力的に感じました。

最近見た「フライトキャプテン」という映画が中国のカッコよさ前面にだした体制翼賛映画とすれば、これもある意味体制翼賛映画といえるでしょうね。
(どちらの作品も500億円近く稼いだそうですごいですね。
 ちなみに、時代を2014→2002年に変更したのは習近平主席の就任前の話にしたかったのかな)

お抹茶