「木村佳乃がやっぱすごい。怖すぎ。」ドクター・デスの遺産 BLACK FILE Gakuさんの映画レビュー(感想・評価)
木村佳乃がやっぱすごい。怖すぎ。
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総合的に見て、木村佳乃の演技の凄さにやられた作品です。早々に柄本明の顔が割れたので、別に主犯がいるんだなとは思いましたが、最初のみすぼらしい印象から、まさかあなたが……と、驚きました。
テーマは安楽死ですから、賛否分かれるのは致し方ないと思います。しかし、苦しいから安楽死をというのは些か性急な結論だと思います。犬飼の娘、沙耶香がやっぱり生きたいと願ったところに人間らしさを感じ、思わず涙しました。苦しいから家族を置いて死ぬという選択に、私はどうしても納得できなかったからです。死を待つだけと捉えるのでなく、死にゆく時間の中で、どれだけ自分の生き様を見せられるか、何を残せるか、どれだけの人を愛せるかということに目を向けてもらいたかった。その一瞬、遺族は精神的に楽になるかもしれない。しかし、いつか必ず後悔する日がきます。それは、自分が幸せを感じたときです。自分だけ幸せになって良いのか、あの人を見殺しにしたくせにと。そういった部分に気づけなかった方は、きっと雛森が正義で、犬飼や高千穂がそれを邪魔する悪に見えたかもしれません。
こういった議論を巻き起こすような作品。それだけでこの映画の素晴らしさが伝わるのではと思います。また何より綾野剛と北川景子のコンビ、めっちゃ良かったです。続編期待。
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