「どうしてこうなった?」ドクター・デスの遺産 BLACK FILE イナヅマゴローさんの映画レビュー(感想・評価)
どうしてこうなった?
一言で言うとどうしてこうなった?残念無念と言わざるを得ない。
私が見に行った時点でこの映画ドットコムの評価が星2.7。
私の中では4.0以上は見て損のない秀作。3.5以上は平均点。
3.5未満は微妙。2.9以下はヤバ目、というように参考にしている。
2.7は相当やばいなと思いつつ、キャストが魅力的だし、怖いもの見たさもあって(東宝の日だし)鑑賞。
結果、これだけ主演級のキャストを集めておきながら、映画の専門学校生、それも成績悪目の生徒が作ったんですか?と言いたくなる出来である。脚本、演出、カット割やカメラアングル、ロケ地の選定などまったくもってプロの仕事とは思えず、もっともひどいのは音楽である。昭和の刑事ドラマですか?と言いたくなるセンスに失笑するレベルである。
だいたい最初からおや?と思わずにはいられなかった。
綾野剛並びに北川景子という主要キャストを紹介するオープニングの編集が、かっこよくしようとおもったのだろうがいまいちなのに加えて音楽がダサいからむしろカッコ悪い仕上がりに。
北川景子の足元が高いヒールの靴なのでそれで犯人追いかけられるのかい?と思ったし、
火葬場ではずっとそこにいたのに、わざわざ一回棺桶を焼場に入れてからドアを再び開け、死体は解剖しますって、いままで一体何してたんだい?
室内、戸外問わず殺風景なロケーション映像に、これ設定どこやねん?どこの地方やねん?と思ったら覆面パトカーのナンバーは品川。おいおい東京だったんかい!と突っ込まずにいられなかった。
さらには中盤戦になっていきなり綾野剛の娘が腎臓の病を患っているといきなり言い出す。ストーリー上重要な設定でしょ?それ。
それもセリフだけでそれにまつわる映像やお芝居はここまでなし。これでは親子の関係性になんの感情移入もできやしない。ちなみにこの後も二人のお互いを思いやるようなシーンは皆無。
最後の最後、北川景子がこの娘のことをよくわかっているふうな台詞があるのだが、ここまで北川景子と娘のシーンなどまったくない。どーなってるのだ、この脚本。
本当に主演級のキャストが出演し、綾野剛と北川景子のバディものという魅力的なパッケージ感なのによくもまあこのような完成品に仕上げたものだと逆に感心する。
長い2時間だった。怖いもの見たさでもあったからその意味では予定通りではあったが。
健気にバラエティ番組で番宣する2人の姿が虚しく映る。
星2つは主役2人と木村佳乃、柄本明をキャスティングした人に差し上げる2点だ。
どうしてこうなったのか、関係者にきいてみたい。