チィファの手紙のレビュー・感想・評価
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岩井俊二監督作のテイストが、中国映画のフォーマットに驚くほど馴染む
自筆の1篇の小説から、2本の映画を撮ることができる幸運な監督などそうはいない。1本目は邦画の「ラストレター」、そして2本目はこの「チィファの手紙」だ(ただし中国での製作・公開が早く、日本での公開順が逆になった)。舞台となる現代と1988年の旅順、特に後者の時代設定を丁寧にローカライズしたおかげで、中学時代の妹チィファと姉チィナンが暮らす町の風情が良い意味で田舎っぽく、郷愁を誘う映像になった。
岩井監督らしい手紙のモチーフ(「ラストレター」が「Love Letter」へのある種のアンサーになっている)に加え、「花とアリス」を思い出させる少女2人の絆(昔は姉妹、現代では従姉妹)など、中国の舞台、中国のキャストにしっとりと馴染んでいて、これは嬉しい驚きだ。それぞれ二役をこなした若き女優、チャン・ツィフォンとダン・アンシーの演技や佇まいも素晴らしく、今後も出演作が日本で観られることを願う。
改めて一人二役や二人一役、手紙の詐称や行き違いの面白みを感じた。 ...
満州の旧居留地日本人住宅が美しい
傍観者である小説家と当事者どっちが人生を生きてるだろうか
楽なのは小説家 ドラマチックな人生を生きてる当事者たちは本当に大変そう
満州の旧居留地日本人住宅が美しいが文化大革命があったので今はほとんどが手入れもされていない人が住めない廃墟になっていることだろう
旧満州出身者は三國連太郎や小澤征爾といい日本人離れしたスケールというか世界に臆さないコミュニケーション能力を兼ねている人が多い世界で活躍できたのは実は満州出身者だったからなのだ 彼らがいうには満州での豊かな暮らしぶりだ
中国の俳優たちはやはり日本人とレベルが違う中国全土から選ばれただけあって 永作博美的な女優もより魅力的だし 日本バージョン松たか子より面白かった日本バージョンはあり得ないと思って途中から止めたイライラ面白くなかった 岩井俊二監督はずっと当たりだ。「スワロウテイル」「キリエのうた」これは映画としては不足だけど2時間ドラマとしてはいい感じ。続けてみた「生きちゃった」今「月」上映の石井裕也監督と比べてどれだけこの映画がいいか!
過去と現在を絆ぐ! 手紙にしたためられた初恋の人を懐う作品
もうひとつのラストレター、岩井俊二監督が
描きたかった世界観が中国の郷愁な街並みと
共に、再現されたストーリーでした。
亡くなった姉チーナンの代わりに結婚式に招待された
妹のチィファ。
式場で突然スピーチをすることになり
ドギマギしたチィファが、姉と間違えられていても姉が亡くなったことを話すこと
切り出すことが出来なかったときのチィファの心境。
学生時代に好きだった先輩、チャンに再会したときの
淡い色に染まるチィファの感情。
式場を後にして帰ろうとしたチィファが
姉では無いことに気が付いていたチャンが
チィファに姉のチーナンを重ねて見る場面。
姉のふりをしてチャンと文通をするチィファだったけれど、「手紙」に手書きで綴られた
文章は何通も書いていくうちに、いつしか
自分自身の恋と好きな気持ちが浮かんでくる
ように見えました。
学生時代にチャンに頼まれた
ラブレターを姉のチーナンに渡せなかった
ときの刹那な感情が込み上げてくるチィファ。
回想シーンの先輩のチャンに恋するチィファは、素朴ななかに繊細さがあるダイヤの原石のような輝きを放っていました。
心を病んで亡くなった姉のチーナン。
チーナンたちを小説の本にしたチャンの
いつまでも恋い慕う気持ちが伝わってきました。
本を手にして読んだ現在の子どもたち。
ボルゾイの犬と散歩して歩く娘たちを
見て、亡くなったチーナンの面影を感じて
ハッとするチャンの姿。
時を超えて亡くなった人を偲ぶ
手書きの文通が初恋の思い出を昇華していく
ラブ・ストーリーでした。
岩井俊二の「ラストレター」を日本よりも先に中国で映画化していたとは...
チィファに軍配
「ラストレター」「チィファの手紙」の両作品を鑑賞した感想。ストーリーはほぼ同じながら、個人的評価は「チィファ〜」に軍配!
理由その1。この作品、40代の小説家と元恋人、その妹らが「学生時代の淡い三角関係」を掘り起こしていく物語なのだが、「ラストレター」では、この主要3キャスト以外の少女(元恋人&妹の、それぞれの娘)が目立ち過ぎて、後半、物語の主軸がどこにあるのかわからなくなってくるのだ。一方の「チィファの手紙」は、少女たちの登場シーンが必要最小限に抑えられ、「三角関係メモリーズ」の主旋律が最後までしっかり鳴り響いていた。
理由その2。「ラストレター」は福山雅治、松たか子などの豪華俳優陣で固められ、最初こそ「チィファの手紙」の地味目な役者に違和感を感じたが、見終わってみると「チィファの〜」の登場人物の方が、物語のイメージに寄り添っている印象を受けた。特に、広瀬すずのポジションをやっていたダン・アンシーなる少女、素晴らしい。広瀬もいいが、クライマックスの涙や笑顔は、岩井作品の中でも3本の指に入る名シーン!
岩井監督の作り出す映像美と空気感
インフルエンザ
壊したスマホと糸電話、そして手紙。モン・サン=ミシェル、ヴェルサイユ宮殿、ラブレター使いっぱ、代筆、成りすまし。ネタを抽出してみると、後で作られた日本版『ラブレター』と同じだと理解できるのに、トリッキーな部分が無く、いかにもノスタルジック、リリカルなテーマを強調したストレートな作品だった。
中国の文化や背景はよくわかるし、近代化した上海と田舎町、デジタルとアナログといった対極をも描いていた。そしてチィファ中心の描写も日本版と違った点。
どちらかというと、日本版が好き。手紙を書いてみたくなったという点でも日本版のほうがアナログの良さを打ち出している気がする。なんといってもカメラアングルの激しさによってめまいを起こしそうになったのも原因か・・・
中学時代・初恋
岩井俊二、時代性の人
なぜにして中国?
音楽と風景
ラストレター見てないです。主役のジョウ・シュンさん若い頃とっても美しかったけど、人間平等に歳はとるのねと少しショックを受けた。
日本版を見てないので比較は出来ませんが、ストーリーだけみれば、日本より中国の方がしっくりくるのではないかと思いました。30年前の男子中学生が好きな子にラブレターを送る。そして現在送られてきた手紙に返事を書く。日本の中高生は手紙書くように思えないから。
中国の美しくもない廃退した風景にちょっとホッとするし、音楽が凄く合っていた。日本版とは違うのかな?
あとカメラワークで二人をぐるぐる回るところは嫌でした。
私の大好きな胡歌さんいつ出てくるか楽しみにしていたらクズ夫として登場。短いけど強烈で、薄汚れて自分勝手な駄目人間上手かった。
中国版ラストレター。どちらが好みと言われると。
姉が死に、中学卒業30周年同窓会の席にて妹代理出席。
好きだった過去先輩も交え、嘘の手紙からまた交流が始まる。
岩井監督が先ずこちらを作り、次に日本でラストレターを作った。
お先に日本版ラストレターを観た事もあり、比較になりますが、いやはや撮影アングル、進行、大型犬2匹など、ホントそっくりの中国版である。
私が感じた違いと言えば
①「チィファの手紙」とタイトルになる様に、日本では松たか子(幼少は森七菜)演じた妹チィファを日本版より全面に押し出している。総合的に日本版は男女平等的だったのに対して、こちらは女性がメイン。
②チィナン(姉)の息子による介入にて、母性と「生と死」を表現し、最後のラストレターが作品へしっかり意味形成されている。
③日本版より俳優が個々に目立っている訳では無いので、個性がぶつからず、映画として観やすい。分かり易い。
であった。
流石、岩井監督。女性を絡めた映画が上手いし、こちらの方が情景的にしっくり来ましたし好きですね✨
おまけ話で
少女時代のチィナン(姉」とムームー役のダン・アンシーは少女時代のチィファ(妹)とサーラン役のチャン・ツィフォンより4つ歳下らしい💦
パンフレットも購入し、後で余韻に浸ろうとした時、時間が余ったので違う映画をもう1本✨
その映画がこの映画の余韻を上廻ってしまった💦
本日のレビューは続くのである、、、。
木漏れ日のような映画でした。
日本版『ラストレター』が良かっただけに
日本版を観た方にこそ観て欲しい中国版
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