白い暴動のレビュー・感想・評価
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音楽の力で人々の心を動かした瞬間
採点3.7
経済破綻化で巻き起こった白人至上主義と、それに立ち上がったRARの活動を記録したドキュメンタリー。
当時劇場で観れなかったんですよね。
タイトルにクラッシュの「白い暴動」が挙げられていますが、クラッシュのドキュメンタリーではありません。
しかしながらあの時代背景から、パンクバンドが台頭し、そこに生きる若者の熱量はすごい伝わってきます。
そしてこうゆうときに、ヨーロッパでは必ず現れるスキンヘッズ(ナチ主義)なんでややこしくするんでしょうね。
また当時のジョーストマラーやジミーパーシーのインタビュー。
そして懐かしむトムロビンソンも見られます。
作品のクライマックスはデモ行進。
人種差別に反対する若者たちが参加し、その終着地では音楽フェスも開催されます。
その参加者は500人想定だったライブ、しかし集まったのは約10万人。
主催も出演するバンドもすごい驚いてました。
ここでのクラッシュのステージがすごい。
バンドも客もピークのような盛り上がりようがとても伝わってきます。
また、この作品のタイトルが「白い暴動」であるのが良くわかりましたよ。
音楽の力で人々の心を動かした瞬間を捉えた、とても意義のあるドキュメンタリー作品でした。
色々考えさせられたドキュメント
配信で視聴。
1970年代、イギリスで人種差別騒動が
あった。彼らを阻止するためにRARが呼びかけ
それに呼応したイギリスのバンドが参加する
までのドキュメント。色々、考えさせられた。
音楽は政治や社会を変えられる。
しかし、日本ではどうだろうか?
音楽が社会を変える。
その当時の風俗や事柄などの時代背景が音楽と密接に結んでいた時期(おそらくマンダレーポップ以降)に、人々のエネルギーが一点集中しし社会を動かしていく。パンクにチカラがあったイギリスならではの鋭利なエネルギーが感じられ、楽しかった。
今や音楽にはそれほどまでの影響力は認められないからこそ、なおさら感心させられる。
それにしてもクラプトン、ロッド、デヴィッド・ボウイの当時の発言は、あまりにも悲しすぎる。過去の失言を取り締まる警察に目をつけたら、ひとたまりもないのでは。
ベルリン・フィルを聞く事と白人至上主義は別物
このMOVEMENTは全く知らない。また、エリック・クラプトン、ロッド・スチュワートがそんな奴とは知らなかった。我が近親者がショックを受けるだろう。彼に夏にあった時、ロッド・スチュワートの『SAILING』をベタ褒めしていた。
この頃の日本はこの映画にも登場していた『スティールパン』の音楽とか、トリニダード・トバゴのソカ(?)とか、レゲエが流行っていたと記憶する。僕自身は超保守的なケルト音楽とか、クラシックを聞き始めていた。従って、このMOVEMENTは全く知らない。そもそも、『ウッドストック』を『アメリカ・カッター・カルチャー』って、色々な人から植え込まれていたので、知る由もない。
だから『のうのうと差別が存在する事』も『彼らの努力が無駄だった事』も別に驚かない。
ひとつだけ反省するべき点は、忌野清志郎さんを同じ様に軽視していた事だ。言うまでもなく、反原発運動から彼を知ったが、梅津和時さんと忌野清志郎さんがセッションをした『スローバラード』を聞いて、僕にとっての一大ムーブメントになった。従って、RCサクセションも見直す事になった。コンサートへ行きたい所だが、彼はいない。勿論、梅津和時さんはご存命なので、お金と時間があれば、聞きに行く事にしている。でも、坂田明さんかなぁ。一番好きなのは。
【”音楽の力”愚かしきレイシズム思想を、ロック、パンク、レゲエの熱量で吹き飛ばせ!】
ー 1970年代後半の英国。経済破綻による国民の不満は、増加した移民たちへ向かい、過激な排外主義運動が高まって行く。そんな中、音楽で人種差別反対を掲げる組織「ロック・アゲインスト・レイシズム」(RAR)が誕生した。ー
◆感想
・人種差別思想を露わにした威圧的な英国国民戦線(NF)を率いていた男の愚かしき言葉の数々。
・エリック・クラプトンやロッド・スチュワートもその考えに、同調していた事が語られる。
ー ファンであるだけに、ショックである・・。知らなかった。ー
・そんな中、数名の若者達が、危険を顧みずにロックンロールで対抗する反骨活動が始まっていく。その数は増え続け、10万人の“反ナチのカーニヴァル”が始まる・・。
ー ジョニー・ロットン、ジョー・ストラマー、シャム69のリーダーだったジミー・パーシー、トム・ロビンソンが、次々に同調していく。ー
<エンドロールで語られる通り、NFは弱体化していき、今や泡沫政党になっている。
だが、移民差別問題は、現代欧州が抱える大きな問題であることは周知の事実である。
根の深い問題である。
1978年4月30日の“反ナチのカーニヴァル”の演奏シーンは、もう少し観たかったなあ・・。>
レイト70’sに蔓延する人種差別に音楽で抗う運動のうねりが圧巻
1970年代後半の英国。経済破綻に見舞われ国民の間に溜まったフラストレーションは戦後増加の一途を辿っていた移民達に向けられ、国内では排外主義を標榜する国民戦線が台頭、公然と人種差別が広まっていた。そんな風潮に反旗を翻したのが若いアーティスト達が組織した『ロック・アゲインスト・レイシズム』。音楽で人種差別に対抗しようとする地道な運動は少しずつ若者の間に浸透し大きなムーブメントになっていく。
この作品の背景にある風潮は『ボヘミアン・ラプソディ』や『カセットテープ・ダイアリーズ』といった作品との背景と繋がっていて、そんな不寛容にNOを突きつけるロック、パンク、レゲエが大きなうねりにとなっていく様を当事者達が語る言葉の一つ一つがずっしりと重く、クライマックスのライブ映像が捉えた熱狂に胸が熱くなりました。当時の実情を捉えた非常に貴重な資料であると同時に、社会不安が蔓延しこのような差別主義が未だ払拭出来ないどころか世界中に広がるばかりの現在において、特に若い世代に観てもらいたい力作です。
音楽の熱量
人種や性別や貧富や、差別って何年経っても根強く残ってて、
本当にそんなことで優越感を得ることしか出来ない人たちって、なんなんだろう…。
1960年代後半から1970年代って、日本もそうだけど若者が熱い。
音楽を通じて問題提起して、
同士となり、正しいことをしようとする力、素晴らしい。
あの野外コンサートの群衆は圧巻でした。
いま、音楽で社会を動かすことって出来るのかなぁ…。
とにかく、自分は、正しく強くありたいと思う。
いつまで続くかレイシズム
はっきり言って、昔はパンクロック嫌いでした。しかし、このドキュメンタリー作品を見て、ちょっと考えが変わりました。ただ、トム・ロビンソン・バンドは元々好きだったので、RAR(ロック・アゲインスト・レイシズム)コンサートのトリを務めていたことに単純に嬉しかった。
「白い暴動」はクラッシュの1stアルバム、同名曲。音楽的には好きになれなかったけど、歌詞を見ると現代にも通ずる反骨精神がそのまま心に訴えてくるものがあった。反ナチ、反ファシズム、反レイシズムといった痛烈なメッセージ。もっと英語やイギリスの内情を勉強しとくんだった。今でも充分にメッセージが伝わります。
エリック・クラプトン、デビッド・ボウイ、ロッド・スチュワートなど、レイシストとしてレコードを捨てたというエピソードも目から鱗。そういえば、70年代後半って、アメリカじゃNO NUKESコンサートもやってたし、イギリスではこのRPRコンサート。日本のミュージシャンは何をしてたんだろう?
白人至上主義のイギリス国民戦線(British National Front)やネオナチの不気味さ。アンチ・ナチ・リーグのデモ行進。とにかく行動に移さなければ世の中は変えられない。79年の選挙ではNFも敗退したというが、やっぱりパンクが政治を変えたという歴史があったのですね。なお、パンクも極右と左派の2通りがあり、スキンヘッズはほとんど右翼だという。とにかく、音楽の力で世の中を変えることができるんだと感じました。
あっという間の一時間半。 白っぽい画面に白い字幕で、字幕の位置も横...
あっという間の一時間半。
白っぽい画面に白い字幕で、字幕の位置も横だったり下に行ったりで見にくい。
若いころにこの手の音楽はよく聴いていたので懐かしかった。(リアルタイムじゃないですが)
その頃は歴史背景も大して知らず聴いていたので。なぜパンクスとスキンズが中悪いのかも良く分かってなかったし、スキンズだって一つのジャンルとして聴いてました。
パンフでおさらいし、昔のCDをほじくりかえしてみたいと思います。
また、最近見た映画で『カセットテープ ダイアリーズ』もドンピシャの時代背景なのでおすすめです。
あと『レッツ ロック アゲイン』も、クラッシュ繋がりで、ジョーストラマーの近年の姿までが描かれてたなぁと、ふと思い出しました。
運動の記録
70年代後半のイギリス「ロック・アゲンスト・レイシズム」運動の記録。
「ナショナル・フロント」なる移民排斥を掲げた政党などのレイシズムに対する、パンクやレゲエを旗頭とした平和的な運動。こうしたレイシズムが10年後の「カセットテープ・ダイアリーズ」の時代もほとんど変わらず(サッチャー政権の結果強くなったとも…)、「SKIN」の現代アメリカもほぼ同じ、というのも恐ろしい現実だが。
パンク時代のアートの雰囲気がとても良く伝わるが、音楽は期待ほど掛からなかった…
音楽の力は人種を越えて
肌の色が違うと何故こうもいがみ合わねばならないのか。
2020年のアメリカで今、起こってることとさほど変わらない。
人は成長しないものなんだなあ。虚しい。
知らなかった1970年代のイギリスにタイムスリップして、パンクやファッションを楽しむつもりでいたが、思った以上に切実な現実を見せつけられた。
肌の色は同じ白人同士でも労働 者階級と富裕層との格差がこんなにあったんだなと知る。
RARは、SNSのない時代、紙の印刷物を町じゅうに貼りまくる。黒に赤でレイアウトもがかっこいい。
バッチもかっこいい。
活動家ってもっとダサいイメージだったけどスタイリッシュだな。
クラッシュとシャム69がめちゃくちゃかっこいい!
音楽の力は人種を超えて人を繋いでゆく。
10万人も集まったライブの映像は圧巻。
こんなパワーを現代にももう一度蘇らせて欲しいなと感じた。
イギリスの当時のパンクの背景が垣間見れて、興味深い内容です。
イギリスの当時のパンクの背景が垣間見れて、興味深い内容です。
ただ、日本語字幕の色が白く見辛い!
音声無しで、モノクロの画像を背景に、英文と字幕で語られてシーンがありますが、
英文は小さくて読めないし、日本語字幕は背景とまざりこちらも読めない・・・。
劇場での鑑賞は、オススメできない。
"Rock Against Racism"
白人至上主義者はクラシックでも聴いていればよい、、、、百歩譲ってとち狂っていたのであろうクラプトンの発言にはビックリ仰天でアンタがそれではダメだろうがぁ!!
ボブ・マーリーは「Punky Reggae Party」って、デトロイトの黒人三兄弟はパンク・バンド"DEATH"をハードコア・パンクでは"Bad Brains"だって黒人だゼェ。
初期PUNK、イギリスのバンドは自己満足で網羅していたつもりが、アジア系の"エイリアン・カルチャー"は知らなんだ!??
スージー・スー含め、シド・ヴィシャスの“卍"は彼の愛嬌やキャラでは済まされない現実があり、ジョニー・ロットンも右派に集団リンチな有様。
公園に十万人の異様な風景の中に"The Clash"が登場し「白い暴動」をジミー・パーシーも入り乱れる最高なシーンはYouTubeでも見られるが、スクリーンで観る迫力がある。
バンドを目的で観ると物足りなさはあるが、イギリスに於けるPUNKって音楽ジャンルは社会的な問題が根強くある訳で、ファッションパンクはやはり死ぬベシ!!
国民戦線"NF"や"ブリティッシュ・ムーブメント"に音楽が絡んだ人種差別問題を描いた本作に「THIS IS ENGLAND」と「ダリル・デイヴィス KKKと友情を築いた黒人ミュージシャン」を合わせて観るのも良い。
まあまあだった
音楽がたくさん聴けると思ったら、あまり多くなくて、特にクラッシュには以前から興味があったので楽しみにしていたのだけど、期待したほどではなかった。しかも、出番にこだわったりして売れっ子気取りでお高い感じがして好感度が下がる。当時、音楽のジャンルで大きな断絶があるのが興味深い。スキンヘッドでオイパンクは右翼で怖いと80年代の後半に東京で友達に聞いたのだけど、それだった。今もそういうのはあるのだろうか。きゃりーぱみゅぱみゅが安倍政権を批判して炎上して、政治的発言をするとCMに出れなくなるなどと言われていた。主張ごとに放送局が分かれていたり、スポンサーのつきかたが変わったりした方がむしろ健全だ。
ライブ映像は少ない
ドキュメンタリーですが、関係者のコメント中心。
個人的にはライブ映像がもっとあると良かったんですが…
でも当時こんなに人種差別が強かったとは知らなかった。教養・知識を広げるためにこの辺の音楽が好きな人は抑えておいて良い作品だと思います。
映像が出てきて思い出したのですが、スージー・スーは確かにナチスの腕章付けてましたね。ファッションかと思ってたけどとんでもない事ですね。
暴動を起こしたい、俺たちの暴動を
トーキョー・ロックダウン前夜に、このパンクなドキュメンタリーを観てきましたよ!
70年代に英国で台頭した移民に対する排外主義。ナショナルフロント(以下NF)というヘイト政党が支持され始めていました。ロック界でもエリック・クラプトンが支持を表明。
(ボウイも「ファシストが必要」みたいな発言してましたが、ヤツはファッションで適当なこと言う癖あるから、個人的にはガチかは不明)
そんな中、ロック・アゲンスト・レイシズム(以下RAR)という団体が立ち上がり、パンクやレゲエといった音楽でヘイトに闘いを挑みます。本作はその軌跡を描いたドキュメンタリーです。
もうね、NF支持者は現在のヘイト連中とまったく同じ。経済の先行き不安が強まると、不安に耐えられない人たちがダークサイドに堕ちていき、ガチのヘイト狂信者に煽られてその勢力と危険性を増していく。めちゃくちゃ既視感がありました。
ヘイト軍団は「スキネッズ」と言われるスキンヘッドにしたグループに属していることが多いようでした。共通ファッションで連帯感を高めている点は、現在のネット右翼どもとは毛色が違うように感じました。モッズとかテディボーイズとか、イギリスは自分の所属するトライブでファッションを合わせる傾向があるのかも。
あと、警察は絶対に排外主義を支持しますね。とにかくポリどもは市民の異議申し立てに対して抑圧する性質があるのでしょう。まぁ権力に深く考えずに従うタイプの人じゃないと務まらない仕事なのかもしれません。
そんな連中にRARは音楽やアートで対抗します。特に音楽はちょうど台頭してきたパンクや、イギリスに渡ってきた黒人たちのレゲエが呼応していき、運動が徐々に大きくなっていきます。
RARは結構暴力を振るわれます。アクティビストのすごいところは、ちゃんと暴力を乗り越えていくところですね。屈服しないですから。
圧巻はラストの反ヘイトを掲げた10万人のデモ行進&屋外ライブ!我らがクラッシュやトム・ロビンソンバンドといった反ヘイトバンドだけでなく、NFにも支持されていたシャム69も参戦!俺もシャム69は右翼バンドだと思い込んでいたけど、彼らは労働者階級の代弁者的なバンドで、RARにも理解を示していました。
そして大ラスに鎮座するクラッシュの『白い暴動』のカッコ良さといったら!シビれた!シビれて死んだ!そして蘇生した!最高ですわクラッシュ!マジでカッコよかった。シャム69のフロントマン、ジミー・パーシーも共演していて、それも熱かった!
以前、「フジロックに政治を持ち込むな」という声が上がり、ちょっと炎上したことがありました。これは現在日本で起きていること考えると、さもありなんと感じます。
結局我々はポップカルチャーを政治と切り離して楽しんだ結果、政治がリアルから遠のき、リアルじゃねえ連中に政治を任せることになっているのかもしれません。
どうやら現段階では、ミニシアターの補償はされない様子。このような政府を作ったのは、政治という生臭いものをポップから遠ざけ、闘争から逃げた我々の責任だと思っています。
とは言え、当初外されていたセックスワーカーへの支援が再考されたりと、声を上げることで変化は起き得ると思います。また、やがて来たる選挙で、よりマシな動きをした政党に投票することもできます。これから映画館文化を守るための動きも出てくると思いますし、実際アップリンクはアップリンククラウドで寄付プランも立ち上げています。そういう動きに参加するのもポップ政治活動だと思います。
現在のような危機的状況は、古い価値観が死に、気づかれなかった価値観が再生するチャンスでもあると思います。多くの人たちが(自分も含め)、より意味ある生き方を模索する変化の時期に差し掛かっているのかもしれません。それぞれの闘いから目を逸らさない生き方ができると、世界はもう少しマシになるかも!
白い暴動
俺は暴動を起こしたい
白い暴動
俺たちの暴動を
The Clash "White Riot"
思ってたのと違うけどイギリス現代史を知るにはいい機会だった
ピーター・バラカンが字幕監修ってあったから、てっきりクラッシュ中心のドキュメンタリーだと思ってた。ちょっと拍子抜けしちゃったけど、自分が知らなかったイギリス現代史を知ることができたからまあいいかな。
ロック・アゲンスト・レイシズム運動があったなんて知らなかったし、フレディ・マーキュリーが「パキ」って罵られていた時代背景もよく理解できた。
クラッシュが大観衆に向かって登場するシーンはやっぱり興奮した。
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