「ハロプロオタクの青春映画」あの頃。 にゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ハロプロオタクの青春映画
他の人のレビュー読んで、「あれ?意外と評価よろしくない?」という気持ちになった。
ハロプロだったりアイドルを一度は好きになったことある人だったら確実に刺さるポイントはあるはず。
個人的には剱が松浦亜弥の握手会へ行くシーンはとても共感できる。
憧れのアイドルを前にして何と伝えようか?
視界の先に映るキラキラしたアイドル。
結局、緊張して「応援してます」とか無難な言葉しか言えない感覚。
自分もかつてアイドルを前にして同じような状況になったなととても懐かしかった。
ディテールも凝ってて良いなと思った。
現場に集結するハロオタの異様な感じとか、おまいつみたいな人とか、缶バッチで上半身が埋まってる人とか。
こういうアイドルの現場でしか見ない人いるよなと思った。
なので個人的な感想としてはオタクを決して美化してなくて良かったなという印象。
オタク以外の人から見たらきっとむさ苦しく醜いんだと思う。
そりゃあ剱の後輩の女の子引くし、彼女にもフラれるよな。
でも本人は間違いなく楽しい。
ハロプロに熱中している頃の(あの頃の)描写はとても良かった。
途中からちょっとだれるのかもなとは思う。
物語が進むにつれ、オタク仲間との交流は続くけどハロプロから離れて各々の道を歩みだす所がちょっと悲しかった。
ハロプロは人生を彩ってくれたけど、支える存在にまでならなかった感じがした。
むしろ最後まで見るとハロプロから離れてからの物語って印象が強い。
(クライマックスで現在のハロプロに触れる所があるけど無理矢理感は否めない)
ハロプロは彼らを引き合わせてくれた一要素ってだけで、主人公たちはオタク同士でワイワイやってるのが一番楽しい時間だったんだなって気持ちになる。
主人公は「今が一番楽しい」というセリフを何度か言うけど、いやいや「あの頃」が一番楽しかったんでしょ?とツッコミたくなった。
結局自分達も昔(ハロプロに勢いがあった頃)が良かったと過去を懐かしむ人になってたと思う。
彼らにとってもう少しハロプロがかけがえのないものになってほしかった。
いや、今頃彼らはオタクに復帰してるかもしれない。
ハロプロは一度飽きた人でも、再びハマってしまうような謎の中毒性があるし、ハロプロは中毒にさせるだけの魅力に溢れている。
そう思うと、ひょっとしたら彼らが再びハロプロに熱中する以前までの話かもしれないよね。