「脚本と演出、その両方が期待はずれ」あの頃。 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)
脚本と演出、その両方が期待はずれ
ハロプロという題材が面白そうだったので、主演が松坂桃李という情報だけで見に行きました。
結果、脚本と演出、その両方が期待はずれでした。
脚本はどうでも良いやりとりばかりを拾って、ドラマ性が高くなりそうなシーンは松坂桃李のナレーションで次々と安易に飛ばしてしまうし、あややと握手するぐらいまではハロプロも関係あるけど、それからは全然関係ない始末です。。。
劇伴として使うだけなら、誰の曲でも良いと思いますが。
あと、ぽっと出の女キャラにストーカーがいたとか、仲間の彼女を仲間が略奪したとか、西田尚美のくだりとか、まったく必要がないです。
せめて、仲野太賀のキャラに感情移入させるためなら分かるけど、あれでは太賀のキャラを嫌いになるだけで好きにはなりません。
演出は脚本の粗をバッサリいってくれるどころか、逆に面白がって深堀りしてる印象を受けました。
だから、時間がとても長く感じてつらかったです。
大したこと無いシーンで何度もワンカット長回ししないでいいから、編集でカットバックしてテンポをあげてほしい。
監督は自分が良い芝居を演出していると思って酔ってるみたいだけど、監督が思ってるほど良い芝居でもない。
(役者をフォローすると、これは役者が悪いわけではなく、そもそも脚本が面白くない。役者が演技で挽回不可能なレベルで脚本がつまらない)
あと、何度か時間軸を入れ替えてカットバックしてるシーン(大学の講演会とライブハウスなど)があったけど、無駄に?が出るだけでそれの演出効果も謎です。
講演会は中弛みする部分を編集で切るためにライブハウスにカットバックしてるんだろうけど、それをされても時間が現在と過去を行ったり来たりするわけだから別の意味で見辛いです。
そもそも脚本の問題を脚本の時点で直せる人がスタッフにいないのかと疑問です。
今泉力哉は優秀な監督かと思ってましたが、このぐらいの予算がある映画ではもうダメですね。
きっとこの監督は、大衆性やドラマツルギーがそもそも分かってないと思います。
単館系の、低予算で映画通しか見に来ないような、多少の粗は芸術性だと好意的解釈してもらえる内容じゃないと撮れない監督ですね。