「自転車競技の過酷さと爽快感。」弱虫ペダル ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
自転車競技の過酷さと爽快感。
この映画の面白さはギャップだよね。普通にスポ根青春物語でも面白いだろうけれど、主人公のあり得ないギャップが魅力なんだ。アニメオタクでスポーツも苦手、友達もいないそんな少年がいきなりスポーツのヒーローになってしまうんだから。大抵の人はスポーツや勉強が超できる人ではないので、主人公の坂道に共感しやすいのではないか。自分もひょっとしたら何かのとんでもない才能を持っているかもしれないと幸福な勘違いをする。そんな「弱虫」の坂道が自転車に異常な才能を発揮する。普通に考えればスポーツしたこともなかった少年がいきなりトップ選手と互角以上に渡り合うなんてありえない。その非常識をあまり感じさせない所がこの作品の面白さなのだろう。
少年に興味を持って導く者がいる。すぐに仲良くなって競い合う仲間がいる。陰に日向に応援してくれる者がいる。本当に恵まれている。少年もそれを分かって皆の為に自分の役割を知って全力を尽くす。坂道の顔がどんどん逞しく生き生きしてくることで成長を実感できる展開になっている。
それにしても自転車競技のスピード感や力強さ、最後まで絞り出す感がとてもよく出ている。この映画がきっかけで自転車にブームが来るかも(でもあの過酷さを見たらそれはないか)。
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