おらおらでひとりいぐものレビュー・感想・評価
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毎日をしっかり生きて老いていくのだ
75歳の一人暮らしの老女がいた。
毎朝同じものを食べて図書館に行く。
どこか行くところがあることは、年取ったらいいことだなとまず思う。そして、とてもたくさんの時間の中で大勢の自分と向き合い、会話してる。沢山の自分が自分を見守ってそばにいてくれるんだなぁ。
この映画はそんなふうに、老いることの悲しさや孤独の中から希望の光みたいなものを照らしてくれた。
役者がいい。一緒にいてくれる3人の自分は三者三様だけど寄り添って同意してしてなによりも楽しませてくれていた。
自分が老いるのはいい、でも娘が疲れていくのを見たくない。このセリフはグッときたなぁ。
良い映画でした。
一人の老女の回顧録といった感じ。 ひとりでももっとポジティブに楽し...
一人の老女の回顧録といった感じ。
ひとりでももっとポジティブに楽しく生きようとする老女の話かと思いきや、まったりしっとりと静かな物語だった。
そういうのを求めている時ではなかったので途中で飽きて見るのをやめた。
現実的ファンタジー
日高桃子の幼少期からの振り返りと妄想が実写版となって現実と妄想のはざまを行き来する、ある意味ファンタジー的要素の作品。
何が妄想の中なのか、幼少期からの相関図なのかが分かれば難しい内容ではないので、てれ~と見れて、ほっこりさせてもらえる。
原作は未読で、すっごく感情が高まるようなシーンはないが、映像化するには難しかったのではないか、と推察される。
ちょっと退屈。それがいいんだろうけど。
言いたいことは分かるんだけど、もう少し苦労があるのではないかと思う。
みんながみんな、昔の思い出をこんなに思い出すものだろうか。
映画なので、そういうことではないと思うけど。
ただ、こんな老人になりたいな。将来は。
1人で長期間過ごすと危ない
時折ひどい妄想癖がある寂しい一人暮らしの年寄りの日常生活。
良くも悪くも終始単調で見どころは特にない。
頑張って全部見ようという意気込みがないと眠らずに見るのは不可能でしょう。
何かよくわからないけど、コミュニティの誘いを断りまくって1人でいる事に
こだわった結果の悲劇だと思われる。
が、だんだんと他人との関わりをもったり、最後コミュニティ入ったりで
救われたと思う。
これが若かったら糖質になってjokerになっちゃうのかなぁと思うと怖いですね。
原作未読。映像にするとちょっとシュールすぎて
『インサイド・ヘッド』とか『脳内ポイズンベリー』とも違うんだよね、観てないけど。小説なら「なるほど、そうきましたか」と思えるけど、映像にされると、やっぱりちょっとピンと来ないというか、自由な思考を説得力のある画として提示できないと思った。田中裕子、蒼井優以下役者さんたちはよかっただけに。いや本当に難しいと思いますが。
一人暮らしの老人の姿
みんなそうなのかも。仕事もなく広い家で1日過ごすって。ただでさえ気が狂いそうになる。頭の中の回想や妄想は、決して認知症の症状とかではなく、誰でも少なからず経験はあるはず。目に見える姿で現れたのが、寂しさ1.2.3‥なるほどネーミング。。寂しさと語らう声は若かりし頃の自分。そのセンス!
1人だとは思いつつも、やはり誰かしらに見守られている。自分を思う人がいる。希望が持てるラストでよかった。
明るい老後〜??
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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原作は未読なので映画だけで感想書きます。
出だしから、もしや「2001年宇宙の旅」?
みたいな画面で始まる本作。
老人が主人公の映画とは思えない展開に
ああ、やられた(笑)みたいな〜〜
老人映画とは言え、決して暗くなく
沖田修一監督らしい「間」のおかしみと
擬人化した3人の「寂しさ」のそれぞれの存在感が
なんか流石で観てて逆に楽しかったな〜〜
撮影中もきっと田中裕子を真ん中に「寂しさ」を演じた
濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎の面々が
かなりノリノリで撮影された空気感が伝わってくる。
大きな事件は起きないです。
でも高齢者にとっての「墓参り」は結構な冒険の旅なんです。
墓地ってそんなに便利な町のど真ん中にあるはずも無く
バスに乗ったり坂道を歩いたりと、本当に一大事!
(去年の高齢(85歳)の伯母に付き添って実感しました。)
なんだと言うことがこの映画を観ると実感させられます。
それと沖田修一監督のなんとポップな映画作り!
ぜひ、広い映画世界の一つの表現として記憶に
留めておいて欲しいですね。
で、月に8回ほど映画館に通う
中途半端な映画好きとしては
そもそも老人の孤独をこんな風にエンタメにした
原作者さんに五億点!!(笑)
老人が主人公だとそれだけでなんか先行きの無い
暗い感じを想像しがちですが
3人も現れる「寂しさ」は逆に賑やかにすら感じます。
でも本当は3人も必要な程、
実は「寂しさ」が深いのかな〜〜とも思いました。
そして、
蒼井優と東出昌大が演じる若い頃の桃子さんと旦那さん
平凡だけど仲良く年を重ねて来た感がとても自然に
伝わって来て、ああ、あの時代のご夫婦ってそうよね〜
現在75歳の女性の若い頃といえば
兄弟、姉妹も多かったし、
ご近所付き合いも今よりもはるかに親密だったでしょうから
故郷を離れて高齢になった桃子さんのたった一つの「故郷」であった
ご主人の死はそりゃあ寂しいでしょう〜〜
でも、ここで人生で初めて自由になったと言う感慨は
この年齢の方にはあるあるでしょうね。
最後になりましたが田中裕子さんの演技!
樹木希林さん亡き後、女性の重鎮の枠を埋める存在に
王手を打った感がありますね。
優しくて穏やか物語
田中裕子が演じる独居老人は可愛く若き日の美しさが滲み出ていました。素晴らしい主演ぶりでしたが老婆には無理矢理感ありました。でも、本物の老婆が主演だと作品として成り立たなかったと思いました。現在の桃子が田中裕子なら若き日の桃子は蒼井優しかいなかった気がします。
東北出身としては懐かしい訛りでした。
おらだばおめだ
一人暮らしの老女。
車を買い換えたり、好きな事をしたり、3人の孫がちょくちょく訪ねて来たり…一見、悠々自適。
でも、何処かヘン。
老女は空虚。3人の孫は何処からともなく突然現れ、しかも口を開かず話す。テ、テレパシー…!?
3人の“孫”は心の声の擬人化。
老女はその声と脳内会話。
開幕は宇宙誕生~地球誕生~生命誕生~人間誕生、そしてこのシーンに繋がる。
ベストセラー小説が基とは言え、のっけからいつもながらの沖田修一ワールド全開!
75歳の桃子さん。
3人の“心の声”とのやり取りはコミカル。
賑やかに歌を歌ったり。♪おらだばおめだ おらだばおめだ おらだばおめだ
車のセールスが来て、車の買い換え。“遠くの子供より近くのホンダ”とは名フレーズ!
病院のTVで、若い桃子と結婚する前の夫のラブストーリーの“上映会”。な~に恥ずかしがってんだ~?(このシーン、笑った)
ジャンルは人間ドラマだが、ユーモア、心の声と話す時々ファンタジー、皮肉的な歌謡シーン、現在と過去が交錯。マンモスや原始人医師も登場…!?
風変わりな演出、作風で飽きさせないが、実は作品の芯は、非常にシリアスで哀しみも漂う。
序盤、食事を取っている時に目の前に広がる光景。
幸せそうな若い夫婦と、幼い2人の子供。
それは、かつての自分。
子供たちは独立し、夫・周造とこれから夫婦水入らず穏やかに暮らそうとしていた矢先…、夫が死去。
あまりの突然の事で最近やたらと心の声が聞こえたり、昔の事を思い出す。いよいよ痴呆の症状…?
言い忘れたが、心の声は故郷の東北弁。
岩手出身。
東京オリンピックに沸く1964年に縁談から逃げ、上京。
定食屋でバイト。丸出しの東北弁が恥ずかしく、慣れない標準語に悪戦苦闘。
そんな時出会ったのが…、
“おら!”と恥ずかしげもなく大声で話す青年(若き周造)。
惹かれる桃子。
付き合うようになって、やがて結婚して、2人の子宝にも恵まれて、この幸せがずっと続くと思っていた。
3人の心の声は、“寂しさ”。
心の声はもう一人いる。枕元に現れる“どうせ”。
“寂しさ”とはそれを紛らわすかのようにやり取りするが、“どうせ”は本音のように聞こえる。
どうせ、起きたっていい事ない。
夫はいない。
子供たちはたまにしか訪ねて来ない。ほとんど疎遠状態。訪ねて来たと思ったら、お金貸して。まあ、孫は可愛いけど。
病院と図書館と家の往復。
一体今、何の為に生きているのか…?
老人の独り暮らしは元より、生きる意味を模索は全ての世代の胸にグサッと突き刺さる。時々非常にリアル。
これが15年ぶりの主演映画になるという田中裕子。
自分の祖母を見ているような温かさ、ユーモア、哀愁…。
さすが絶妙の名演。
現在と過去で、二人一役。過去は、蒼井優。『フラガール』以来となる東北女の子を魅力的に演じる。
周造役の東出昌大。彼の好青年ぶり、助演ぶりもすこぶる光った。
それから言うまでもなく、3人の心の声、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎が名トリオを見せる。
にしても、田中裕子、蒼井優、子供時代の女の子、濱田、青木、クドカン、“どうせ”の六角精児…皆、桃子さん。言うなれば、7人一役!
何気ない日常の美しい映像、美味しそうな目玉焼きなども印象的。
それから、自分も東北人間(福島)だから東北弁が心地よい。
生きる意味を模索する桃子さん。
近々開催されるマンモス展。地球や生命誕生に関するノートを作り、その意味を探る。
終盤、かつて夫と訪れた山登り。
様々な過去と“出会う”。
幼い頃の息子。
幼い頃の自分。故郷と、家族。
若い頃の自分と、夫。
山登りは人生に似ていると聞いた事がある。
このシーンの山登りは、桃子さんが歩んできたこれまで。そして、問いかけ。
その先に…
“おらおらでひとりいぐも”。
意味は、“私は私で一人生きていく”。
でも、決して寂しい“独り”ではない。
まぶってくれる。毎日を賑やかに!
喜びも悲しみも…なんてタイトルの名作邦画があるが、やはり本作にはこの言葉こそ!
喜びも悲しみも自分自身。
♪おらだばおめだ おらだばおめだ おらだばおめだ
ユーモアと悲哀の極上ブレンド、人生や人間を温かく謳い上げる。
沖田監督の手腕はもはや名匠の域に入ってきた。
遠くの親戚より近くのホンダ
主人公(田中裕子)は夫に先立たれ、二人の子供とも疎遠、かと言って自分から近づくことはしない。
大きな家に一人で住んでいると寂しくなり、心の中の"寂しさ男"が三人現れる。
昔、岩手から東京に飛び出してきた経緯や、夫との出会いなどを思い出す。
若き日は蒼井優、亡夫は東出昌大、寂しさ男は濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎と個性的なメンバー。
色んな意味で身につまされる映画だった。
夫婦でも家族でも一人でも。
タイトルは言わずもがな宮沢賢治の詩「永訣の朝」の一節。でも意外、明るいテイストの映画でした。
主人公・桃子さんは最愛の夫を亡くし、一人生きていくことを余儀なくされた女性です。愛別離苦の苦しみ、『ノマドランド』の主人公と重なります。でもこちらは少し違う角度で、哲学的宗教的テーマ「なぜ生きるか?どう生きるか?」を、深刻ぶらずに描いている。沖田監督は、挑んでいますね。オリジナリティにこだわった表現。そこがいいと思います。田中裕子さんの飄々としたおかしみ。よくハマっていました。作風は賛否両論でしょうが、沖田監督、応援したくなりました。
最愛の男性と結ばれ、添い遂げた桃子さんですが、夫が亡くなった時「一点の悦びがあった。」と自分への告白。ここが刺さりました。
男性には不都合な真実。でも多くの女性に同じような気持ちがあるかもしれません。親に仕え、夫に仕え、子に仕え、そしてようやく今の自由を手に入れた。良き夫婦こそ二人三脚、相思相愛でもそれは足枷になります。桃子さん、本当は自由が欲しかったんだ(気のせいかも?)、と自分の気持ちに向き合っていく。
でも如何せん、自由に不慣れで、せっかく手に入れても孤独感は寂しさ1、2、3というヘンテコな自分の幻影となり、桃子さんにまとわりつきます。
でも優しき男性にいつも見守られ生きてきた、平凡で可愛い女性。愛より自由が大事と叫んでみても、ずっと独身で生きていくようなタイプではない。未亡人という時間は、愛する夫が自分にくれた報賞だ、という言葉。自由は与えてもらえる(良き妻でおつとめを終えれば)、そう思えるのはやはり恵まれていた証拠。
人のために生きてきて、自分は何か成せただろうかと後悔しそうになりながら(ちゃんとこども二人、孫もいる)、自分とか自由とか言っても、結局人類という大きな流れのほんの一部に過ぎない、という悟り。仏教でいう諸法無我、有無同然。
はたから見たら独居老人、気の毒に、と見るひともいそうですが、実は最高の境遇。理想の境地。でもまだ桃子さん自身がそう思えるような、思えないような。張り合い無さそうな顔の時もあり。これもノマドランドと同じですね。どちらも女性原作ならではかも。お一人さま時間を愉しめれば、豊かな人生だったと、最後に自分に言えそうです。男性やその他の性の方々の視点からは、どうでしょうか。
自由でいながら、安心で優しく温かい。
これは真逆要素かな。難易度高そうだけれど、目指してもいい気がします。
でーじなのは愛より自由だ。岩手弁がポイント。 一人ぼっちの寂しさの...
でーじなのは愛より自由だ。岩手弁がポイント。
一人ぼっちの寂しさの合間に(多くはちゃぶ台で質素な食事をしている)賑やかなシ~ンか挟まる。
老人の孤独の寂しさが迫る。
原作がつまらないのかもしれないけど、センチメンタルというか世界が狭い。故郷を出てきたのに、夫以外の世界はないし。
でも、一人の寂しさ、所在なさみたいなのがコトバがなくても伝わってきて、やっば田中裕子はすごい。
おらだばおめえだは明るくていい。
おひとりさま
40代のお一人様です。仕事は出張あり接待ありの営業です。趣味は映画、音楽、読書です。全く寂しくないどころか、寂しい気持ちが分かりません。今は映画を観る時間すら十分にとれません。一人暮らしのくせに、もっとひとり時間が欲しいです。こんな私でも、高齢者になったら寂しくなりますかね?私が高齢者になった頃は、テクノロジーが進歩して、ひとりだから寂しいという概念自体が減ってる気がします。寂しくなったら、ロボットペットでも飼おうかな。
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