劇場公開日 2022年12月2日

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「5000歳のガチムチ男、復讐に現る!!  正義の四天王と超絶肉体言語で解り合っちゃう人情ダークヒーロー映画」ブラックアダム O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.05000歳のガチムチ男、復讐に現る!!  正義の四天王と超絶肉体言語で解り合っちゃう人情ダークヒーロー映画

2022年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 筋骨隆々のタイラントのごときヴィランがDC版のアベンジャーズよろしくの正義のカルテット"ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ"を相手に大暴れする超大作で、単独作品にも関わらず実質ヒーローが挙って登場する大盤振る舞いな作品です。
 彼らの地球狭しと天地を揺るがしぶつかり合うアクションと各人の際立った個性の巧みな演出、大敵を前にした離合集散のやきもきさせるドラマは大いに楽しめつつも、一方でブラックアダム当人の行動原理や目的地平の描き方についてはやや不十分だった感も有りました。
 DCヒーローの中でも、あくまで素の人間でありながら人並ならぬ鍛錬とハイテク装備によってヒーローとなったタイプと、人ならざる者あるいは元は人ながら僥倖によってそれを超越した存在となった者が人類ないし特定の人々の庇護者たるヒーローとなったタイプがありますが本作の主役ブラックアダムは後者。
 『ジャスティス・リーグ』に加え、それ以前の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』などでは特に、他のヒーローに比べてスーパーマンの強さがあまりにも群を抜いている感がありありと見て取れましたが、ここにきてそれに比肩する傑物がようやく登場、というところでしょうか。
 "地球出自のブラックアダムが人類の脅威に、異星出身のスーパーマンが地球の庇護者に"という捩れ構造も面白いドラマを生みそうですので、是非ともマーベルに負けず劣らず、DCヒーローなりの頂上決戦をドンと出してきて欲しいところであります。

O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)