劇場公開日 2022年7月1日

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エルヴィスのレビュー・感想・評価

全293件中、1~20件目を表示

4.5エルヴィス降臨の衝撃を体感させる過剰さの勝利

2022年7月30日
PCから投稿

エルヴィス・プレスリーという時代からハミ出た過剰なスターを表現するにあたり、バズ・ラーマンという過剰な演出家がみごとにハマった。最初のライブシーンから1950年代ではあり得ない歪んだギターが唸りまくっていて、この映画が歴史の再現ではなく、エルヴィスという衝撃を現代の観客にいかに体感させるかに重きを置いているのがわかる。オースティン・バトラーの渾身のパフォーマンスも、完コピというより、リミットを知らないエルヴィスの魂をトレースしている気すらしてくる。

プレスリーの人となりや偉業を知るには数々のドキュメンタリーや書物が存在しているが、この地上にエルヴィスが降臨したインパクトのデカさを感じるには、この絢爛豪華な映画絵巻こそがふさわしい。伝記映画にしてエルヴィスの再解釈にして、概念としてのエルヴィスの再創造。そしてそれでもなお揺らぐことのないエルヴィス・プレスリーという存在の大きさに改めて圧倒される。

あとオースティン・バトラーには各映画賞で主演男優賞を獲ってほしいと思うが、あの最初のライブシーンで最初に叫び声を上げてしまう女の子を演じた俳優に、誰か助演賞をあげてほしい。とりあえず自分の中ではブッチギリの助演賞です。

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村山章

4.5最高のショーを探し続け、エルヴィスにたどり着いた強欲マネージャーの人生も伝説級

2022年7月14日
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鑑賞方法:試写会

レオナルド・ディカプリオの主演映画「華麗なるギャツビー」(2013年)のバズ・ラーマン監督が、本作ではロック・シンガー、エルヴィス・プレスリーの成功の裏側を描いている。
エルヴィスと聞くと、私は「リロ・アンド・スティッチ」(2003年)に出てくるエルヴィス像のイメージが強い。特徴あるもみあげと衣装でハワイらしい愛の歌をロック調に歌っていた。作中でエルヴィスの曲が流れると逆境が前向きな展開になることが多いため、いつの間にか私も彼の曲が好きになっていた。
しかし、実物のエルヴィスとは接点が乏しく、彼の足腰の動きにも秘密があったこと、禁断のロックを生んだこと、若くして謎の死を遂げたスーパースターであったことなども知らなかったので、映画「エルヴィス」を見て発見の連続。
本作は、エルヴィスの少年期からの描写もあり、彼の音楽スタイルのルーツ、人気を得てからの苦悩が悲しいほど胸に響く作品となっている。エルヴィスの才能をいち早く見抜いた強欲マネージャー(トム・ハンクス)との関係が「危険な実話」の鍵となっているところや、エルヴィスのパフォーマンスから目が離せないほどの臨場感が伝わる楽曲や演技が大きな見所であった。
主演男優賞と助演男優賞の賞レースに関わりそうな(エルヴィス役の)オースティン・バトラーとトム・ハンクスの熱演も必見レベル。
私は映画を見終わった後、エルヴィスのステージは、彼が亡くなる間際まで観客を魅了したことは確かで、女性を痺れさせたシーンは嘘も偽りもないと感じた。女性ファンが多く、当時は独特すぎると評された「彼のロック術」は、早い段階で男性も引き込まれていたはずだと想像した。

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山田晶子

3.5歌手とマネージャーの関係性を偏重した作劇。エルヴィスの音楽性や創作過程への関心は?

2022年7月3日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

序盤、トム・ハンクスが特殊メイクで演じるパーカー大佐がエルヴィス・プレスリーのステージを初めて見る場面が、まさに映画の観客が青年になったプレスリーと出会う重要なシーンにもなっていて、プレスリー役のオースティン・バトラーの歌と特徴的な下半身の動きも見事に再現され、客席に瞬く間に広がる熱狂もスリリングに描写されている。

ただ残念に思うのは、幼少のエルヴィスがゴスペルを聴いて神の啓示のような神秘体験をしたことが音楽との出会いとして描かれ、そこから先述のステージに立つ青年エルヴィスまでの過程がほとんど描かれない点。あの表現力豊かなボーカルも、刺激的に腰と脚を揺らすパフォーマンスも、スタイルを確立するまでは場数を多く踏み、トレーニングを重ね、ときには試行錯誤もあったはずだが、そこはあっさり省略されてしまう。

原案・脚本に名を連ねるバズ・ラーマン監督が作劇の軸にしたのは、エルヴィスとパーカー大佐の関係性だ。大佐の商才もあって、マネジメント契約を結んでほどなくエルヴィスは大成功し、母亡きあとは精神的な依存を強めたりもするが、意見が合わず衝突することもあった。エルヴィスは浪費をエスカレートさせる一方で、大佐はしたたかに搾取し、経済的に自立できなかったエルヴィスは結局大佐から離れることができなかった。華やかなショービジネスの世界で未曽有の成功を手にし、けた外れの名声と富に翻弄された2人の愛憎は、確かに劇を構成し推進する要素として描き甲斐があっただろう。だが、そちらに力を入れすぎるあまり、音楽史に多大な影響を与えたアーティスト、パフォーマーとしてのエルヴィスの魅力を表現することがおろそかになったように思えてならない。

エルヴィス自身は作詞・作曲をしなかったが、メジャーになってからのレコーディングでは、多数用意されたデモ音源から気に入ったものを選び、バンドのメンバーとデモを繰り返し聴いたあと、一発録りのスタイルで納得いくまで何テイクも重ねたという。プロデューサー的な役割も担っていたエルヴィスは、ギターだけでなくベースやピアノを弾くこともあった。歌を歌い楽器を奏でることのシンプルな楽しさと喜び、音楽を作り上げることの素晴らしさをもっと見せてほしかったが、監督の関心はこちらには向かわなかったようだ。

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高森 郁哉

4.5名匠バズ・ラーマンの新たな代表作の誕生!

2022年7月3日
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映画が始まるや熱狂の渦に飲み込まれた。私はエルヴィス世代でもなければ、時折TVで耳にする彼の楽曲も甘ったるく感じていたくちだ。しかし本作から聞こえてくる彼の音楽、パフォーマンスは私の先入観をことごとく破壊した。なんという革命。なんという才能。ただし、全ての勝因はエルヴィス自身というよりは、本作のとてつもない馬力と語り口のなせる業か。バズ・ラーマン印の映像は今回も絢爛豪華で、宙を飛び交うカメラワークは活力を失わず、指先一本動かすことを禁じられたキングの、まるで拘束具から解かれるがごときエモーションの爆発をもダイナミックに映し撮る。そしてトム・ハンクスの演じる”大佐”をある意味、メフィスト的に描き、なおかつ全ての経緯を彼目線で語らせることで、形を変えゆく関係性のいびつさ、運命の残酷さが我々を飽きさせない。人によって好き嫌いはあろうが、全てはやはりラーマン。彼のキャリアの代表作となるのは確実だ。

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牛津厚信

3.5プレスリースタイルの背景を振り返る

2024年6月3日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

エルヴィス・プレスリーついては1950〜60年代に世界の音楽シーンを席巻したシンガーという以外には何も知らなかったが、彼独自のパフォーマンススタイルがどうやってできていったのか、また、どういう点で社会に大きな影響を与えたかが分かりやすく描かれていて、とても勉強になった。
それにしても悪い山師に捕まってしまったものだ。凄絶な人生だった。
たくさんあるライブシーン。踊りの再現だけでもすごいと思ったけれど、歌も自分で歌ったオースティン・プレスリーに大きな喝采を送りたい。

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SpicaM

4.5オースティン・バトラーの演技、ステージが圧巻!

2024年5月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

CSで録画視聴。
よく、まとまっていた作品。
エルヴィスのブレイク〜全盛〜下降と
エルヴィスプレスリーの音楽人生が
見事に描かれていた。
エルヴィス役のオースティン・バトラーの演技も素晴らしかったし、トム・パーカー役のトム・ハンクスの演技が素晴らしかった。
エルヴィスのライブシーンは必見。オースティン・バトラーはよくライブシーンをこなした。

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ナベウーロンティー

2.0何を見せたかったのか、何処を見せたかったのか

2024年3月29日
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鑑賞方法:VOD

結局、大佐とは何者だったのか。そして彼がエルビスに対して行った事がこれだけのだったのか。もっと面白いことはたくさん有っただろうに、大佐が自己正当化の為の語りを続けるので当たり障りの無い話にとどめてしまった。せっかく彼を語り手にした意味がない。

エルビスに関しては、ライブやステージのシーンはとても見ごたえがあった。彼の歌をもっと聴きたいと思った。しかし反抗期を終えられなかったパーカー大佐のベイビーであって、ホテルが飼い殺したくなるような、大統領が追悼メッセージを出すような世界的歌手に見えなかった。

素材は一流で見栄えも良いが、それを扱う調理の腕と覚悟がない。依存に対する豪華な啓発映像という印象に留まってしまった。

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komasa

3.5禁断の果実の味わいがある腰振り

2024年3月25日
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鑑賞方法:VOD

オースティンバトラー扮するエルヴィスプレスリーのマネージャー、トムハンクス扮するトムパーカー大佐が病院にかつぎこまれた。しかし大佐はエルヴィスの稼ぎの50%を取っておりエルヴィスの死は大佐のせいだと言う説もあった。

エルヴィスの生い立ちからの顛末を大佐が解説していくと言った展開だったね。最初から禁断の果実の味わいがある腰振りが受けていたようだね。しかしその腰振りが 同時にそんなに問題視されていたとは意外だったな。

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重

3.5有名になるほど孤独になる おやじはポンコツ過ぎ

2024年3月23日
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鑑賞方法:VOD

興奮

有名になるほど孤独になる

おやじはポンコツ過ぎ

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いのしし

4.5自分の意思を貫き通せ!

2024年3月19日
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鑑賞方法:VOD

偉大で才能のある人の一緒にいる人が重要なんだなと思いました。プレスリーが上がったり下がったりして、後半なんてボロボロで見てて苦しくなった
金って怖い、、
そしえ、エルヴィスプレスリーという男とすばらしさ!力強さ!面白さ!かっこよさ!とてもよくわかりました。好きになりました。

にしてもエルヴィス心揺さぶられすぎだろ!!!

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みやてぃ

3.0トムハンクス演じる

2024年3月12日
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マネージャーの話に焦点を当て過ぎた感がある。少年の頃に憧れた黒人音楽をマスターして世界をひっくり返した歴史的な成功をもっと時間を割いて描くべきだった。「ボヘミアンラプソディー」はフレディーの人生は悲しいことも沢山あったけど、やはり歌うことの喜びに満ちていた、と描いていたから感動する。この「エルヴィス」も、悲しいこともいっぱいあったが、短い人生を誰よりも輝いて駆け抜けていったと描くべきだと思う。この映画は騙されたこと怒ったこと悲しいことばかりに時間を割いていて、これでは可哀想な人生を送った人という鑑賞感になってしまう。そのような描き方でいいとは思わないし、エルヴィスはそんな人ではなかったと思う。

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ブロディー署長

4.0エルヴィス可哀想

2024年3月9日
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富と名声を得ると必ずハイエナが寄ってくる

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承太郎

5.0さすがはバズ・ラーマン監督 ド派手にキメた!

2024年2月29日
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鑑賞方法:VOD

バズ・ラーマン監督の世界感は本当に良い!大人向けハードおとぎ話よろしく、ド派手なゴージャス感が日頃のストレスを吹き飛ばしてくれる(笑)
撮り方がすごくきれいで小気味良くスタイリッシュだし、役者陣の好演技も見ものだ。特に、エルヴィス役のオースティン・バトラーを初めて本作で意識して観たわけだが、いやぁ~最高にシビれました!同姓の私でも思わず叫びそうになったほど刺激的!キャ~(笑)
世代ではないため今までエルヴィス・プレスリーをあまり掘り下げたことはなかったが、本作により興味津々になるほど影響力抜群の作品だ。そしてエルヴィスの光と影が心に刺さる。ラストのアンチェインド・メロディも良かったなぁ。
映像・演技・音楽・ストーリーのどれをとってもド好みで、本作は迷わず満点評価だ。

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いけい

3.0寵児か翻弄か

2023年12月10日
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鑑賞方法:DVD/BD

少年エルヴィスが黒人音楽に出逢い、42で非業の死を遂げるまでが描かれていますが、特にマネージャーのパーカー大佐(トム・ハンクス)とエルヴィス(オースティン・バトラー)の関係が軸になっている印象でした。以前、ドキュメンタリーで観たエルヴィスは、人間的な魅力に溢れ、一瞬で魅了されてしまいましたが、今作ではそういった感じよりもショウビジネスにおける光と闇に焦点が当てられているように思えました。彼をスターダムの座に導くお膳立てをしてくれた名マネージャーであり、金の亡者のような人物に絡め取られてしまったエルヴィスの半生は、観ていて辛かったです。死の6週間前に収録されたコンサートで「アンチェインド・メロディ」を本人が歌うシーンのオーラに圧倒されました。「ボヘミアン・ラプソディ」(18)でもラストに出てくるフレディーの映像がすべてをもっていくような印象でしたが、カリスマ的人物の伝記映画の宿命のように感じました。

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赤ヒゲ

4.5エンタメ作品として面白い。

2023年11月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

エルヴィス・プレスリーは世代ではないのでほとんど知らない。それでも全く関係ないほどに面白かった。
もしかしたらプレスリーを知らないからこそ楽しめたのかもしれないと思うほどに、実在の人物ではなく映画の中のキャラクターとしていきいきしていた。

バズ・ラーマン監督は良作が多いけれど、その中でも「ムーランルージュ」は印象的だ。高いエンターテイメント性で内容の悲しさと離れたところに楽しさがあった。
その「ムーランルージュ」をそのまま持ってきたかのような娯楽性が本作にも存在した。

実際は「ムーランルージュ」ほどの勢いがなかったので比較するならば「ムーランルージュ」に軍配が上がるけれど、それでも充分に楽しめるエンタメ作品だったと言える。

そもそも伝記系の作品はハズレが多いからね。当たりだったというだけで価値を感じてしまう。
ミュージシャン系は歌うからその分面白くなりやすいのかもな。

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つとみ

3.5曲選、もっと色々あっただろと思た

2023年9月10日
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EDの最後のラップマジでいらないと思う、雰囲気ぶち壊しで邪魔すぎ

マネージャーと共依存でちゅね〜

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less_less_

3.5キャスティングに残念感が…?

2023年8月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

多くのミュージシャンが利権の犠牲になったが、エルビスもその最たる一人なんだろうな。自身、リアルタイムにエルビスを知らないだけにゴスペルとR&Bの融合に大きな足跡を残したミュージシャンの伝記としても非常に意味がある作品だった。
ただ、トム・ハンクスが濃すぎて映画としては、いささか残念感が残る。あくまで主役はエルビスであるべきだろう。

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Iwarenkon

3.5成功に溺れて破滅していくパターンは多いが、彼の場合は違う。 夢はあ...

2023年6月22日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

成功に溺れて破滅していくパターンは多いが、彼の場合は違う。
夢はあっても鳥籠から出られない鳥のように夢に向かって飛べなかった、だからいろいろなバランスが崩れていった、そんな彼が可哀想だった。それでも自分の音楽を貫きたい想いには心打たれる。やっぱりパーカー大佐のせいじゃないかと思うが。そんな嫌らしいパーカー大佐を演じたトム・ハンクスは凄かったかな。
けれども音楽は残り続ける、それは凄いこと。
色褪せない音楽ですね。

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よっしー

3.0大佐ムカつくー

2023年6月10日
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大佐は腹立つけどそもそも彼がいなきゃスターエルビスは存在しなかったのか?彼でなくてもエルビスは発掘されたのか?出会う必要のない悪魔だったなら不運でしたね。私がエルビスになんの思い入れもないせいか、エルビス役の青年美しくてセクシーでキュート、魅力的でした。

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三毛猫泣太郎

3.5キラッキラの世界観

2023年5月23日
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鑑賞方法:VOD

「エルヴィス」をようやく観た。めっちゃバズ・ラーマンの世界観でキラキラしてるエルヴィスカッコ良すぎた。オースティン・バトラーの青年から中年になるまでの変化がすごくて寂しげな目とかライブ中の狂った感じがすごかったなぁ。

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MiyuHaya