「過剰演出ではない2人の心象に迫る作品であったら、とも…」エルヴィス KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
過剰演出ではない2人の心象に迫る作品であったら、とも…
私は音楽には疎い人間なので、
エルヴィスの音楽にも
それほど興味があるわけではない中、
経緯や結果こそ異なるものの、
ボクシングのモハメド・アリ同様、
徴兵問題で話題になった歴史上の一人という
時代的な意味での興味で、
TV放映を機に初鑑賞した。
ABBAの“ザ・ウィナー”のように、
栄光と幸福感が決して同一ではないという、
まさに成功者の光と影といった風の作品で、
初めて知るエルヴィスの人生劇だった。
エルヴィスの死因は薬物の過剰接種との話は
聞いていたが、この作品によると、
更に過労が加わったもののようだった。
また、はたして、マネージャーとの確執は
どこまで本当なのか。
また、お金のこともそうだが、当初、
エルヴィスが海外公演をしなかったのは、
マネージャーの国籍問題が影響とあったが
はたして真相は。
エルヴィス映画しては、
ジョン・カーペンターの「ザ・シンガー」
という作品もあるようだが、
これらの点については
どう描かれているのだろうか。
しかし、この作品ではエルヴィスについて
たくさんのことを学ばせて頂いた。
黒人社会での成長期の経験が、また、
キング牧師やロバート・ケネディの暗殺が、
彼の歌に影響を、与えていた等々。
作風としては、映像芸術の利点を活かしての
手慣れた映像手法のよる演出が印象的。
しかし、過剰演出ではない中で、
2人の心象に迫る作品であったら、
と思う鑑賞後感でもあった。
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