劇場公開日 2021年8月13日

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「自らが「スーサイド・スクワッド」となったガン監督の想いが凝縮した一作。」ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5自らが「スーサイド・スクワッド」となったガン監督の想いが凝縮した一作。

2021年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

マーゴット・ロビーの知名度を世界的に高めるなど、決して功績は少なくないけど、作品としての評価は芳しくない『スーサイド・スクワッド』(2016)。その続編を監督したジェームズ・ガンは、Twitterの過去の書き込みが問題になってディズニー社を解雇され、ワーナー・ブラザーズに迎えられた、という経緯があります。

ワーナーはガン監督を迎えるにあたって、どの作品を映像化するかといった権限を白紙委任したとのこと。そして監督が選んだのは、恐らく期待する人もほとんどいなかったであろう、かつての「失敗作」の続編です。間違いなく、自らの苦境を「スーサイド・スクワッド」の面々に重ねていたからこその選択でしょう。そして作品の内容自体は非常に素晴らしいが、トロマ映画譲りの残酷描写満載の本作が誕生しました(前作のG指定から今回はR15に「格上げ」)。

「使い捨ての除け者」扱いされながらも、決して捨て鉢になったり滅びの美学に耽溺せず、死中に活を求める彼らの奮闘ぶりを、トロマ映画だけでなくバスター・キートンなどのナンセンスギャグの名作をこれでもかと盛り込んで見せていきます。物語の筋は『ナヴァロンの要塞』(1961)のような潜入物として観ればそれほど複雑ではないのですが、タイカ・ワイティティなどカメオ出演している監督、俳優も数多く、一度観ただけでは全てを追い切れない密度の濃さです。

yui