「都合よく殺すのではなく、都合なんてお構いなしに死ぬ。」ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
都合よく殺すのではなく、都合なんてお構いなしに死ぬ。
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エンタメとしてのフィクションがどこにリアリティラインを設定するかは作品によって千差万別だと思うが、ジェームズ・ガンは本作において、安易なお約束で死ぬキャラと生き残るキャラが選別されることを、極力避けようとしたのだと思う。
無論、ハーレイ・クインを筆頭に、かなり高感度の高いキャラが生き残るというのはある。しかし、物語を盛り上げるためにこいつは死んでよし、みたいな作り手の都合を排し、ほぼ戦場のような状況下では誰もが等しく死の危険があるのだというリアルに、アクション映画として誠実に向き合おうとしている。
もちろんその誠実さを怒涛の不謹慎描写で包んでいるので、すべてが正しいと言うつもりはない。でも、この映画は不謹慎さも含めて、ハリウッド的表現へのアンチテーゼとして実に愉快なエンタメに昇華されていて、言い換えるなら最初から最後まで、ちゃんと酷いことが起こりまくって、ずっと楽しく観られて幸せでしたよとジェームズ・ガンに伝えたい。
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