劇場公開日 2022年3月11日

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「『ダークナイト』に比肩する傑作」THE BATMAN ザ・バットマン RT65さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5『ダークナイト』に比肩する傑作

2022年3月16日
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鑑賞方法:映画館

いや、面白かった。

今回はバットマンのディテクティブの部分を掘り下げたような作風で、『セブン』みたいな『ソウ』みたいな雰囲気で進んで行く。ダークなノワール感とサイコスリラーが上手く融合してゴシックかつリアルな世界観の構築に成功している。

しかし若干そういった世界観とバットマンという存在の食い合わせが悪く、リアルに成れば成る程、シリアスに成れば成る程そこに突っ立っている変なスーツの男がおかしく見えて来る。それは作っている側も自覚しているらしく、バットマンは行く先々で「復讐クン」とか「基地外」と揶揄される。
後々リドラーがシンパシーを感じ、同じ仲間だと言っていたように彼もまた狂人で有り、リドラーとは合わせ鏡になっている。

リドラーは完全に狂言回しに徹し、メインはバットマンが自分を見つめ直す地獄巡り。恐怖で悪人を抑え込もうとしたブルース・ウェインは己の影に恐怖する。

正直、控えめに言っても『ダークナイト』以来の傑作で有る。

ただ、バットマンはクライムファイターであって純然たるヒーローでは無いと自分は思っているので、身を挺して人助けをやったり、災害現場でボランティア活動をしている姿には若干の違和感を覚えた。

追記:
そうそう、書き忘れてたけど、マイケル・ジアッキノのスコアが荘厳で重厚で、時に大仰でこの重苦しいドラマを更に重く馬鹿馬鹿しいほど大袈裟にしていて、とてもマッチしていました。

RT65