「初バットマン」THE BATMAN ザ・バットマン よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
初バットマン
バットマンシリーズは話題になったジョーカー以外は未見。
ストーリーも全然知らない。
そんな状態で見た。
だからこの作品がバットマンの中でどういう位置付けなのか原作やこれまでのシリーズとの比較はわからない。
率直な感想としては途中中弛みするところも少しあったが3時間飽きずに見れた。
ただジョーカーほどのテーマとしての強烈な衝撃はなかったし、じゃあエンタメ作品としてとてつもないド派手な見せ場があったかというとそんなわけではなくもう少しどっちかに振り切ってもいいのではないかとも思った。
ラストも1人の強敵とのタイマン対決というわけではなかったので絵面が地味になってしまうきらいもあった
が、クライマックスの水害シーン。
色々言われてるようだがこのザ・バットマンという作品のテーマに於いてはぴったしだったのだとラスト近くで気づいた。
この映画では貧富の差というのがかなり強調されてる。
リドラーは両親を亡くしてゴッサムシティの最下層で育った正真正銘の孤児。
片や同じ孤児でも父親の遺産等々で上の階級で育ったブルースウェイン即ちバットマン。
この2人の対比が憎いほど効いていた。
そして、その貧富の差が最も露わになるのが水害。
貧しい最下層の人々はなす術なく水に飲まれるが上層階に住む富裕層は自宅から余裕綽々と街を見下ろす。
水害のシーンでそんな直接的な描写はなかったが水に沈んだ街を見下ろすペンギンを見た時になんとなくそう思った。
バットマンは年が経てども経てども犯罪が無くならないゴッサムシティに残って人々を助け続ける。
それが焼け石に水だと知りながら。
そこまでゴッサムシティにこだわる理由がなんなのか非常に気になる。
それと同時にゴッサムシティはこの現代社会を風刺してるんだなと思った(バットマンファンの方からしたら当たり前の話かもしれないが今回の映画で初めて見た物でご容赦いただきたい)。
どんな手を打っても市長がどれだけ変わっても犯罪は無くならない。
戦争も犯罪もなくならない現代社会というか人間の歴史そのままだなと思った。
【追記】
公開日について色々言われてるそうだが、アメリカの制作会社はそんな日本のことにまで口出ししてこないだろうし、責任があるとすれば日本の配給会社だと思う。
が、Twitterで事前にワーナージャパンが水害のシーンが含まれてると注意喚起していたことでそれでもういいではないかと思った。